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折口響子の記録 水族館とイルミネーション 5 

ユウちゃんとマオちゃんに案内された席は室内からレース場を見渡せ、テーブルもついている特別な席でした。


「すぐ後ろにはトイレもあるし、その裏側には自販機もあるからね」


「ここで時間を潰しながら噴水ショーを楽しむ事にしようかのう」


お二人の話では0分から20毎に違うプログラムの噴水ショーが楽しめるとのことでしたので、ここで待つ事にします。


外の方が雰囲気はありますが寒いですからね。


「所でこの席って何なんですか?」


「ここは指定席だね。

本来はお金を払ってこの席を買うんだけど、レースのないイルミネーションの時間は自由に座っていいみたい」


「係の人もいるのじゃが、文句も言われんからのう。

因みにエレベーターを使って上の階に行くともっと高い指定席があるのじゃよ」


「そうなんですね。

実際に来てみないと分からないものですね」


知らなかったことを知れた事に感動しつつ、噴水ショーを楽しみます。


音楽に合わせてレース場の奥から噴水と鮮やかなレーザー光線の融合したショーは、目も耳も楽しめてとても良いものですね。


全部で3種類あるショーの全てを見終わったら遂にイルミネーションへ!!


……と、思ったのですが、スマホをいじっていたユウちゃんからこの建物の入り口に行ってみようと言われたのでそちらの方に移動します。


何があるのだろうと辺りを見回すと、人だかりが出来ている場所がありました。


何とそこには可愛い小さな馬が3頭とコミュニケーションが取れるイベントをやっていたのでした。


「土日だとレース場の方でイベントあるみたいなんだけど、平日はここで一時間ちょっと交流イベントやってるらしいよ」


「何ともまぁ……可愛らしいのう。

それにとても大人しいのがよいのじゃ」


「優しい目をしていますね。

見ているだけで癒されます」


暫くの間、列の外から眺めていましたが、本日は家族連れも多かった為に子供に譲る事にして、私達はイルミネーションの方へと向かいました。


「建物の中を通らなくても横から避けて奥に行けるからね」


「今からはレース場の奥に見えていた場所に行くわけじゃが、その行き方はちょっと驚くかもしれぬのう」


先導する二人についていく事、数分。


順路と書かれた場所はレース場の下を潜る地下通路でした。


自分の足跡が波紋となって映る不思議な通路を進み曲がります。


「うわ……凄いですね」


そこもまだ通路なのですが、壁や天井などいっぱいに電飾が取り付けて綺麗にライトアップされており、通路を曲がる事で唐突に現れるイルミネーションに心を奪われてしまったのでした。


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