折口響子の記録 水族館とイルミネーション 1
「え?水族館にも行くんですか?」
ユウちゃんとマオちゃんに誘われて冬のイルミネーションを見に行くことになったのですが、その前に水族館に遊びに行こうと言われました。
「そうそう、今からイルミネーションを見に行く場所のセットチケットを売ってるからついでにね」
「場所はしながわ水族館じゃな」
「品川って品川駅の近くにあるところですか?
随分とふたつの地点が離れている気がしますが」
行こうと誘われていたイルミネーションは大井町の競馬場で行われているらしいのです。
大井町の競馬場とは言え、最寄りは大井町ではなく大森だったはずなので、2駅は離れていると記憶しますが……こう見えても少しずつ東京に慣れているのです。
「そっちはアクアパークの方だね。
今じゃ、品川水族館と言えばそっちのイメージがあるけど、実際にはこっちが本当のしながわ水族館だよ」
「大井競馬場とは目と鼻の先にあってのう。
その為にこのイベントはセットとして扱われているんじゃよ」
「そうなんですね。
水族館とイルミネーションと聞くとお値段そこそこに張りそうですが、セットチケットの値段はいくらなんですか?」
「前売りで1880円」
どうも耳の調子が悪いみたいですね……そんなに安いわけはないと思うのですが。
ひょっとしたら水族館だけの値段なのでしょうか?
「言っておくが全部で1,880円じゃぞ。
水族館は1320円、イルミネーションは日によって違うが800円前後じゃな。
250円ほどお得になっておるよ」
「え、安すぎません?
セットの値段よりアクアパークや他の水族館の方が高いじゃないですか」
「僕たちもそのせいで下に見てて今まで行ってなかったんだよね。
でも、折角の機会だから今日行ってみようかと思って」
「あ、そうだ。
今日行くなら前売りはもう買えませんよね?
安いから問題ないですが、最悪チケットカウンターでパラ売りを買うしか無いですかね」
「ああ、それに関しては問題ないぞ。
妾達も今からコンビニに買いに行くのじゃが、当日でも前売りは買えるぞ」
「ほんと、話が分かって助かるよね」
「当日なのに前売り券買えるとかサービス良すぎですね。
そんなに客が少なくてショボい感じなのでしょうか?
「それを確かめる為にも遊びに行くんだよ。
さ、それじゃサッサと出発しよう」
ユウちゃんの掛け声で私も観念して外に続きます。
冬の冷たい空気が私たちを包む中、しながわ水族館を目指して出発するのでした。




