急に気温が下がった日
「もうイルミネーションが綺麗に輝く季節だよね」
ユウとマオに響子を加えた3人は、近くの駅内にあるお蕎麦屋さんでランチを取っていた。
最初は天ザルでもなどと話していたユウであったが、急な気温の低下に伴って、2人の後に続いて変更した温かい蕎麦を啜りながらそう語った。
「私はイルミネーションってあんまり見たことないんですけど、東京は凄そうですよね」
「うむ、それこそ読売ランドなどはそれを売りにしておるからのう。
他にも都内ならば東京ドームシティや、変わったところでは大井の競馬場でも毎年豪勢な飾り付けをしておったのう」
「そうそう、読売ランドと大井競馬場は行ってるから写真見せてあげるよ」
ユウがスマホを取り出して過去に撮影した写真を響子に見せた。
「ええ!
読売ランドってこんなに綺麗に飾り付けするんですか!?
うわ〜こういうの見て維持費が気になるのって汚い大人なんですかね?」
「この規模の電飾を光らせるのであるから、気になる人は気になるじゃろうな。
これが観覧車から見た全体像じゃよ」
マオが開いたスマホには上空から読売ランドを撮影した写真が写っていた。
「うわ〜本当に綺麗ですね」
「こっちは去年行った大井競馬場のメガイルミってイベントだね。
ウマの女の子を走らせるゲームでコラボしているので初めて知ったんだけど、実は結構前からやってたらしいね」
「客の数はコラボでいっぺんに増えたらしいがのう。
妾達もコラボで初めて知ったぐらいじゃから、今までは知名度が低かっただけかも知れぬがのう」
「でも、こっちも全然負けて無いです。
光のトンネルとかイルミネーションの川や田んぼ、とっても素敵です」
「読売ランドは都内って言っても少し遠いし、お金もかかるからね。
凄いのはこっちだと思うけど、お手軽に行けて値段も安いメガイルミも本当にオススメだよ」
「競馬場の中に入る機会もそんなに無いじゃろうしな。
ここでしか食べれぬ名物もあるのじゃから、それを楽しみにしても良いかも知れぬのう」
「ほら、競馬場自体はやってないから、こんな所で食事取れるんだよ」
ユウが見せた写真には観客席でもつ煮込みを食べるマオが写っていた。
「懐かしいのう。
競馬場と言えばもつ煮込みと言われたから食べてみたのじゃが、本当に美味であったわ」
「この日はめっちゃ寒かったからね。
その温かさ分も追加で増してた気がするよ」
「何だか聞いていると行きたくなりましたね。
お二人が暇な時で良いので一緒に行ってみませんか?」
響子の提案に2人は笑みを浮かべて頷いた。
「もちろん!
今年の冬もたっぷり楽しむよ」
「北の方とは違った魅力を伝えようぞ」
こうして3人は一気に気温が寒くなってもめげずに、これからの楽しみを語っていくのであった。
急激な気温の変化に負けずに、この冬も楽しいことでいっぱいにしたいですね。




