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プラモの店の独自のルール 2

「うーん、とりあえずはこんな物で良いかな?」


ユウはとりあえず一番下のランクのプラモデルを三種類持ち、ついでに初心者用のニッパーもカゴに入れた。


「そんなもので良いのかの?」


「うん、あんまり買い過ぎて積むことになっても何だしね。

それと一番下なら拘らなければニッパー一本で簡単に組み上がるし、ついでに新しいの買っておこうかなって」


プラモデル販売店にはヤスリやらスプレー、筆など様々な物が置いてあるが、初心者が作るにはニッパーだけあれば十分であろう。


ユウも拘るたちでは無いのでこの選択を取ったようである。


「それじゃちょっとレジ行ってくるね」


「妾はその辺りをぶらぶらしておるよ」


そのような会話の後にレジに向かったユウであったが、余りにも長蛇の列であった為に、スマホとイヤホンを使って配信のボイスを聴くことにした。


そうして自分の番が近づいた時にイヤホンを取ったのだが……店員が前の客に何かを一生懸命説明していた。


それに対して頷いた様子であったが、ちょうどイヤホンを外した所だったので聞こえなかったのである。


(なんか問題でもあったのかな?)


そんなふうに考えつつも自分の番になりレジに赴くと、歓迎の言葉を言いつつもレジのお姉さんから驚くべき事実を聞かされた。


「当店、お買い物は一日一回しか出来ませんがよろしいでしょうか?

もし買い忘れなどがあった場合でも明日以降でなければお買い求め頂くことはできませんが」


その説明に驚きながらも、特に買い忘れなどは無く、あったとしてもまた後日来ればいいと考えたユウは快く了承して買い物を終えた。


買い物後、入り口付近にいたマオに先程あったやり取りを話す。


すると、マオはなるほどと何かを理解したように頷いた。


「やっぱりそう言うことだよね」


「間違いないであろうな」


『転売ヤー対策』


2人の言葉が同じ意見で重なった。


先程も話していたようにプラモデルは転売がしやすく、新作は多数の転売ヤーが狙っている状況であった。


それらを防ぐ意味があったのであろう。


「どうやって見分けてるか分からないけど、ダメなもんはダメなだから仕方ないよね」


「それだけ転売というものが問題になっておるわけじゃからな。

店員さんも大変じゃわい」


2人は店員さんに同情しつつ、フードコートで腹を満たし、適度にウインドウショッピングを楽しんでから帰路に着いたのであった。

こちらダイバーシティのあのお店では本当に言われます。

最初は驚きましたが、転売対策には仕方ないですね。

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