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プラモの店の独自ルール 1

ある日の正午、ユウとマオはお台場へとやってきていた。


ユウがこちらで買いたいものがあるという事で足を運んだのだが……


「プラモデルのう」


マオが目的の建物の前で呟く。


やってきたのはダイバーシティお台場。


時間によって変形する等身大の巨大ロボが目印の場所である。


この最上階にある場所が2人……というよりもユウが目的とする場所であった。


過去にも来たことがあり、お台場もこの場所も慣れたものである……筈であったのだが、2人には予想外の出来事があった。


「なんか人が多くない?」


「確かに……それに外人さんが多い気がするのう」


平日のお台場は人が少ないイメージだったのだが、それなりの数が行き来しているのが分かる。


更にその殆どが外国からの観光客であった。


「やっぱり日本のオタク文化って人気あるからね。

どうしてもこういう場所が観光としても人気があるんだよ」


「これは上の階の混雑さが予想されるのう」


マオの言う通りで2人が上まで登っていくと、フロアはかなりの賑わいを見せていた。


やはりここでも多くは外国人の観光客ばかりで、この店では完成されたプラモデルが飾ってある為、それらを楽しむ人たちが多かった。


その一方で違う目的なのではないかと思われる人達も少数ながら見受けられる。


同じ種類のプラモデルを幾つも持ってレジに向かう人達。


「転売するつもりなのかな?」


「恐らくはそうじゃろうな。

日本では簡単に手に入るものじゃが、海外では中々手に入らぬであろうしな。

これは仕方ない気もするのう」


「水が無いところに水を売りに行くのはいいんじゃ無いかな?

上流から根こそぎ水をかっぱらってから、水が来なくて飢えている人達に高額な水を売るのは許せないけど」


「後者は金目当ての転売ヤーじゃろうから情状の余地は無いのう、

それで今日は何を買うつもりなのじゃ?」


「うーん、来年新しい映画やるらしいからその辺りのが欲しいかなって。

特に赤色と金色のフレームの機体に注目してる」


ユウがそう言いながらスマホで検索した画像をマオに見せた。


「ほほう、これは中々に格好良いではないか。

……それにしても妾もユウと一緒にシリーズ2作品観たはずじゃが記憶にないのう」


「そりゃ、こいつは漫画で出てきた機体だからね。

本編には出てきてないもん」


「そりゃ分からぬはずじゃな。

とりあえずは探してみるとするかのう」


こうしてフロア内に足を踏み入れた2人であったが、ここで驚くべき店内ルールに遭遇することになるのであった。

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