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ネコリの里帰り 7

「最近は妖の類が減っていることは知っていますか?」


巫女の言葉に2人は驚き顔を見合わせる。


「そうなの?」


「依頼の数は特に減ってないないと思いますが」


「貴女達は退魔士協会の中でもトップのチームですからね。

高難易度の依頼というのはそう簡単に減りはしません。

しかし、現在、妖怪の出現は減少傾向にあるのです」


巫女の話によると、退魔士協会に持ち込まれる依頼というのはかなり減ってきているらしい。


その理由として、妖怪の殆どが人間社会に適合して暮らし始めた事が原因であるらしい。


人型の妖怪であるならばそのままに溶け込み、そうでない妖怪も仲間達の力を借りてパソコンやスマホを入手し、人間になりすまして仕事にありついて稼いでいるらしい。


中には巫女達と同じくVとして素顔は出さずに活動しているものもいるのだとか。


「それって前に付喪神になった……」


「そう言えばそんな事がありましたね」


「結局の所、モニターにいる向こうの人がただの人間ではない可能性って低くは無いんですよ。

ユウちゃんとマオちゃんだって本物。

貴女達も一般人から見たら十分に逸脱した存在。

そして、様々なオタク文化と性癖から、それを当たり前のように受け止める国民性。

この国は今まで拒否していた異形すらも許容し始めたのです」


そう……相手が例え本物だろうと話が通じて面白い配信をしてくれるのであれば受け入れる。


この国民性の変化によって問題を起こす妖怪は極端に減り、そんな社会に順応して生き始めたのだ。


「それは分かったけど、さっきの人との関係は何なの?」


「ああ、話が脱線し過ぎましたかね。

あの人達はそうして依頼が無くなって仕事を失った退魔士崩れです。

先程も言いましたが、彼らは独自に集まって、特に人に迷惑をかけていない妖怪を勝手に退治しては周りに謝礼金をふっかけます。

そして捕縛した妖怪は裏ルートで売り払おうとするのです」


「そんな奴らいたの!?」


「……誇りある退魔士がそんな……」


「誇りでご飯は食べられませんからね。

とは言え、彼らがやっている事はまごう事なき犯罪です。

そのために常に彼らの動きを把握し、問題を起こそうとしている現場で現行犯で捕まえているのです」


「問題……さっきの話と何か関係が?」


「ええ、今から向かう場所にいる雪女達を捕縛する為にかなりの数の退魔士崩れが集まっているみたいですね」


巫女の言葉に2人は愕然とし、しかし、気を取り直すと決意を込めた瞳を巫女に向けた。


「それなら私達も現場に行って……」


「あ、今回のお礼はしますが同行は不要ですよ。

明日には最強の援軍が来ますから」


巫女がにっこりと笑いつつ絶対に連れては行かないというオーラを出す。


その様子に2人は誰が来るのか想像がついてしまったらしい。


「あ、それなら問題ないね」


「逆にオーバーキルにならなければいいのだけれど」

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