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十五夜と月見バーガー 2

スマホで注文をしてから数十分後、3人が頼んだ品物を配達員が届けに来る。


それを受け取った3人はベランダ付近へとやって来てカーテンを開けて空を見上げた。


「綺麗な満月だね」


「流石に一年で最も月が綺麗に見えるというだけのことはあるのう」


「雲が少なくて良かったです」


空に浮かぶ満月はその形を雲に隠す事なくハッキリと晒してくれていた。


その淡く輝く光を見つめながら、各々が注文した商品を袋から取り出していく。


「まぁ、全員同じ物を頼んでいるのじゃがな」


「今日は月見がメインだから仕方ないよね」


「サイドに関しても、この店では基本的に同じ物になってしまいますし」


結局のところは全員が同じ物を注文していたので、誰の物かなどの確認もなく、メインのバーガーとサイドの商品を順番に並べていく作業になったのであった。


「というわけでメインはこれ!

バーガーというか、フォカッチャ!!」


「何というか、クワガタみたいに左右にソーセージが生えておるのう」


「これ一本のソーセージを曲げてるんですかね?」


3人が注文したのはこの店舗が今年の月見の主力として販売しているフォカッチャである。


挟まれた左右から牙のように伸びたソーセージが印象的な商品である。


「それじゃ、いただきまーす……って、うまっ!」


「うむ、このソーセージは絶品じゃな」


「元々こちらの店舗のソーセージは昔から美味しいと評判ですからね。

バーガーではなくホットドッグだけを買っていく人もいるようですし」


「ああ、響子さんが追加するのに釣られて僕達も買っちゃったけどね」


「あはは、食べきれないなら明日の朝食に回そうと思いまして」


サイドも選び終わってもうそろそろ注文ボタンを押そうかという所で、ずっと迷っていた響子がホットドッグを追加したのであった。


それを見ていたユウ達も見ていたら食べたくなってきて追加注文したのであった。


「オニオンのリングも良い味じゃぞ」


「これは炭酸に合いますね。

イメージとして高くて出来上がるまでに時間がかかるものの、それを納得させるだけの味を出しているという気はします」


「一番はやっぱりあの店だけど、こっちの店も要所は押さえて運営してる感じがあるもんね。

意外と店舗見かけるもん」


「それで言うと絶品のあの店は減少傾向にある気がするのう」


「そう言えばそうかも。

上野駅出てすぐにあった店も中華料理屋に変わってたし」


「あそこの建物自体店舗の入れ替わりが激しいから何とも言えんがのう」


こうして話はバーガー屋さんに移っていったわけだが、それでも3人は時折空を見上げては月の綺麗さに心癒される時間を楽しんだのであった。

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