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響子さんによる推しの話 2

「女性の場合は推しの共有が出来ないパターンが多いんですよ。

かといって推しが輝く為には独占してはいけない事も自覚しているんですよね。

結果的に同じ推しを持っている相手に対しては自分の方が愛が深いと示したくなる訳です」


「なるほどのう……その心理は聞いんた事はあるのう。

簡単に言うならホストに貢ぐ行為などはその典型であろう?」


「その通りですね」


マホさんの言葉に私は大きく頷きます。


「一番のホストになって欲しいから独占出来ないのは分かっています。

しかし、自分が一番その人に対して尽くしているということをアピールする為、他のテーブルの同担に見せ付けるようにお酒を入れると聞きますね」


「うーむ、なるほどのう。

しかし、響子は随分とその事情に詳しいのう」


「偶々そうやって破滅一歩手前まで行った人から話を聞く機会がありましたからね。

実体験ではないですよ。

先程も言った通りに私は推しを共有できるタイプなので」


昔、実家の牧場で働いていた頃に、都会でポストに入れ上げたお姉さんの話が役に立ちましたね。


働いて手に入れたお金の殆どは推しのホストに注ぎ込み、それでも足りないからと親には言えないような仕事にも就いたと聞きます。


しかし、次第に熱が冷めていって全てが嫌になって北の地へとやってきて牧場で住み込み労働するようになったんだとか。


「お酒の他にはアクセサリーを贈ったりして、それを付けてもらう事で自分のものだと主張する意味もあるんだとか。

自分が一番お金を使い、自分の証が入ったものを身に付けさせる事で周りのぽっと出を潰す狙いがあったようですね」


最も冷静になって思い返してみれば、自分のテーブルに着くときにアクセサリーをわざわざ付け替えていたのではないかと、後になって考えたそうですが。


現に人気がイマイチなホストの中には、違う女性から貰ったアクセサリーを付けて指名客の前に出て、あり得ないほどに激怒させていた人もいるらしい。


あくまでそのお姉さんが見たという話では、ブチ切れた女性客がテーブルにあったボトルでホストの頭をぶん殴る……なんて事もあったそうだ。


「壮絶な世界じゃのう……しかし、それをもっとドロドロさせたのがアイドル関連の話になるとは実に笑えぬ話じゃよ」


「そうですねぇ……プレゼントも一律に受け取りつつも特別扱いをしない対応というのは大事なんでしょうね。

何せファンの数はホストの客の比ではありませんし」


私は一瞬、何万人という女性が1人の推しを巡って血眼になっているシーンを想像して身震いするのであった。

これに似た話は以前にしたような気もしますが、より掘り下げた話となっているので温かい目で見てください。

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