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カラオケ店の衝撃 1

拝啓、お父さん、お母さん……私は東京で出来た友人と一緒にカラオケに来ています。


東京のカラオケ店はまるで海外のリゾート地のように豪勢でオシャレで入るだけでも緊張してしまいました。


そして……今は偶々同じ場所で遊んでいたと言う友人の友人2人が一緒にいます。


それだけならばまだ良いのですが、全員が歌が上手い上に、後から来た友人の片方がプロも顔負けなせいで私はどうしたら良いのか分かりません……助けてください。


カラオケに行こうと言うのはお二人からの誘いでした。


そこで上野までやってきて豪勢なカラオケ屋へと入ったのですが……その途中で異変は起きました。


「あ、ごめん。

ちょっと連絡が」


「妾達は変わらずに歌っているから気にせんでええぞ」


「重大な連絡かもしれないですからお気になさらずに」


ユウさんがそう言って部屋を出てからお互いに一曲ずつ歌ったぐらいのタイミングでした。


「ごめんごめん、グループの連絡帳にここにいるって書いたらこの2人も近くにいたらしくって。

一緒に遊びたいって言うから連れてきちゃった」


そう言ってユウちゃんが連れてきたのは綺麗めなお姉さんタイプの女性と、ふわふわとして可愛らしい女性でした。


「急に押しかけて悪かったっスよ。

八起子が2人が近くにいるなら会いたいって言い出したんスよ」


「ナコだって2人に会いたいって賛成したじゃない!

でも、もう1人お友達がいるなんて知らなくて……ごめんなさい」


「あ、そんな、自分の方こそごめんなさい」


八起子さんと呼ばれた女性が頭を下げるのに合わせて私も頭を下げます。


すると八起子さんがまた慌てて頭を下げたので、私も慌てて頭を下げます。


そうしてお互いにペコペコと頭を下げていると……


「はいはい、ペコペコ合戦はその辺りでやめるっスよ!

本当にダメだったら先輩達が来ていいって言うわけないんスから」


「そういう事じゃな。

奥ゆかしいのは美徳じゃが、やり過ぎるのはいかんのう」


ナコさんとマオさんに止められてしまいました。


「こういう時は仲良く挨拶しながら握手するってのが定番なんだから。

それでみんなで仲良く遊ぼうよ」


ユウちゃんにそう言われて真っ先にナコさんが私に手を差し出してきました。


「ナコっス。

よろしくお願いするっスよ」


「折口響子です。

よろしくお願いします」


私がその手を掴んで握手すると、その横からおずおずと小さめの手が差し出されました。


「八起子です。

よろしくお願いします」


「こちらこそよろしくお願いします」


その手を掴んでから2人の座るスペースを空け、5人でカラオケを楽しむ事になったのでした。

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