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今回は3人で夢の国 7

ここまではお二人も初めての事が多かったらしいのですが、ここからはいつも通りのルーティンという事で堂々とした案内っぷりに尊敬してしまいます。


特に驚いたのはトイレや自販機の場所で、お二人は園内の全てを把握しているのかと思うほどに近くにある場所に案内してくれました。


そうして日も暮れてきて楽しい時間も終わりを告げます。


「最後にお土産見ていく?」


「妾達は事務……知り合いに見ていくが、響子はどうじゃ?」


「あ、私も実家に送りたいです」


という事でお土産屋さんに寄って行ったのですが、そこは人!人!人!


正直、日本で一番人が密集しているのはここなんじゃないかと思うほどに賑わっていました。


「それじゃお土産を見て行こうか!」


「うむ」


「はい……あれ?」


私は鞄の中を確認します……が、先ほどまで持っていたはずの財布がありません。


来ていた服のポケットやらを漁るもやはり見つからず。


そう言えばさっきトイレに寄った時に中身を確認したのですが、傍に置きっぱなしにしたような……


「すいません、トイレに財布を忘れてきてしまったかもしれません。

急いで見てきます!」


「え……」


お二人に声をかけて慌てて走っていきます。


宇宙エリアの植木の横にあるトイレ。


そこも人が溢れて並んでおり、仕方なく並んで先ほど入った個室に入りますが既にありませんでした。


「財布あった?」


「見つかったのなら良いのじゃが」


私がトイレから出てくると、追いかけてきてくれたらしい2人が声をかけてくれました。


「いえ……」


私は首を振ります。


「そこら辺のキャストさんに届けてあるかもしれないから聞いてみようよ」


ユウちゃんの提案でキャストさんに話を聞いてみたのですが、やはり知らないとのことでした。


しかし、遺失物届けコーナーがあるのでそこに行ってみたらどうかと勧められました。


「夢の国で財布ネコババする人もいないと思うからきっと届けてあるよ」


「うむうむ、楽しい思い出をそんなつまらぬ犯罪で上書きしてしまっては損じゃからな」


「2人ともありがとうございます」


こうして2人のフォローを受けて遺失物の受付に行ったのですが……結果、何と無事に財布が届いていました!


中身も何も変わりなく無事に届いた事に安堵して何度もキャストの方にお礼を言います。


「ユウちゃんとマオちゃんも本当にありがとうございました!」


「見つかって良かったから全然大丈夫だよ」


「うむうむ、本当に良かったのう」


「あ、でもお土産屋さん……」


私が財布を紛失して時間を使ったせいで閉園時間を過ぎてしまっていました。


当然、お土産屋さんも閉まったようです。


「まぁ、また3人で来たらいいじゃん」


「いやいや、分からぬぞ。

次は誰か良い人と来ている可能性もあるからのう」


「や、そんな人出来ねぇだよ。

からかうのはやめてけれぇ」


思わず恥ずかしくなって方言が出てしまいました。


こうして2人の優しさで幸せな気分になりながら、3人でのお出かけは終了したのでした。

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