憧れの在処①
『坊主。ようがんばったな』
危機に颯爽と駆け付けた最強の騎士。その背中を見たとき、オレは憧れを抱いた。
幼い頃、まだオレが十歳になる前のことだ。
大きな背中。強い背中。恐ろしい怪物に対して、恐れることなく立ち向かうその男の背中がどうしようもなく格好良かったから、オレは彼のような騎士になりたいと思うようになった。いずれこの人の後を継いで騎士団を引っ張っていくのだと、そう子供心に誓ったのだ。
輝かしい我が未来。それはまさしく夢と呼べるものだった。
けれど……
オレはそのときにはすでに自分のステータスを知っていた。自分にどんなスキルがあって、それがこの夢を追うことのできるものであると知っていたのだ。
Aランクの剣士スキル。騎士になるのに必要不可欠な戦闘系スキル。
言うなれば、騎士こそがオレの天職だった。生まれながらにして、オレは騎士になることが決定付けられていた。だから明確に騎士になる夢を描けたし、かの『大剣聖』の後を継ぐという夢も決して妄言ではないと思っていたのだ。
だから、最近ふと思うことがある。
もしもオレに強力な戦闘系スキルがなく、あるいはそのことを知らなかったら。
いなかったことにされた妹のように、グィンゲッツ家にふさわしくないスキルしか持っていなかったら。
あの憧れの背中を前にして、果たしてオレはそれでも同じ夢を追いかけることができたのだろうか?
◇◆◇
「くそっ! くそっ! くそっ!」
苛立ちを声に出しながら、オレはアライアス魔法学校を飛び出した。
「坊ちゃま? どうされたんですか?」
ちょうど馬車を預けてきたのか、通りかかったルゥナに見つかってしまった。ルゥナはめざとくオレの様子に気付いて、通せんぼするように駆け寄ってくる。
ルゥナはつり上がったオレの目を見て、それからオレ以外に誰もいないことを確認し、はぁ、と溜息を吐いた。
「坊ちゃま。またライさんと喧嘩なされたのですか?」
「うるさい! そんなことお前には関係ないだろうが!」
「いいえ、関係あります。何度も申し上げていますが、わたくしは奥様より坊ちゃまのことを頼まれているのです。さあ、ライさんと仲直りしましょう。わたくしも一緒に謝って差し上げますから」
「オレが悪いと決めつけるな! あいつが悪いかも知れないだろ!」
「日頃の行いですよ。……え? もしかして本当にライさんが悪いのですか?」
ルゥナは信じられないと言った顔をする。旅の中、ずいぶんとあの男と仲良くなったようだ。別にルゥナのことはどうも思っていないが、なんとなくさらに苛立ちが強くなった。
「あの、なにがあったのですか? もしもライさんに虐められたというのなら、わたくし、全力でライさんから坊ちゃまを守りますよ!」
「お前なんぞに守られてたまるか。大体、このオレがあんな平民に虐められるわけがないだろうが」
そうだ。別になにかがあったわけではなかった。
あいつが一人でティタノマキアを倒せると言い、オレの力を必要としなかった。それがどうしようもなくむかついて、常々思っていたことを口にした。ただそれだけのことだ。
それだけの、ことなのだ。
「……坊ちゃまは、ライさんのことがお嫌いですか?」
唐突にルゥナが聞いてきた。なんだそれは。言われるまでもない。
「ああ、嫌いだとも。嫌いに決まっているだろ」
「そうですか。ではどんなところが嫌いなのですか?」
「そ、それは色々だ! 色々!」
「具体的には思いつかないんですね。まあ、わたくしから見ても、ライさんはなかなかどうして人の好い方ですからね。少なくとも、色々と思うところがある坊ちゃまに対して、なんとか歩み寄ろうとがんばっていらっしゃいました」
それはオレも感じていたことだった。お互いに嫌いあっていると思ったのだが、あいつの方は少なからずオレに気に入られようとしているようだった。だからなんだと言うのだが。
「けど坊ちゃまはずっと遠ざけ続けてましたね。だから坊ちゃまがライさんのことをお嫌いなのは事実だと思います。けれどそれは、相手が憎いから嫌いだとか、そういうのではないと思うんです」
「……なにが言いたい?」
「そうですね。きっと他の誰も言ってはくれないことでしょうから、僭越ながらわたくしが言わせていただきます」
こほん、と咳払いをしてルゥナは姿勢を正すと、不作法にオレの鼻先に人差し指を突きつけた。
「坊ちゃまがライさんを嫌いな理由。それはあの方に嫉妬しているからです。違いますか?」
「嫉妬? 嫉妬だと? このグィンゲッツ・ニルヴァーナ様が、あんな平民に? 馬鹿な。あり得ないだろう?」
オレはルゥナの指摘を鼻で笑った。鬱陶しいくらいにオレのことをよく知っているルゥナでも、偶には予想を外すことがあるようだ。
「見比べてみろ。オレがあの男に嫉妬する理由がどこにある? 家柄も、地位も、立場もなにもかもがオレの方が上ではないか。特にステータスを見ろ。ルゥナもあの男のステータス画面を知っているだろう? 比べるまもでなく、誰もがオレの方が優れていると言うはずだ」
「はい。わたくしもそう思います。まさに坊ちゃまは、名門ニルヴァーナ家を継ぐにふさわしいステータスの持ち主であると」
「そうだろう。そうだろうとも。それにオレは騎士だ。あの男が目指している騎士なんだぞ? これひとつ取っても、オレがオルガスを羨む理由などないはずだ」
そう、改めて考えてみて確信した。オレがあの男に嫉妬する理由など皆無である。
「たしかに、あの男は強い。それは認めてやろう。だがそれも今だけだ。今にオレの方が強くなるさ。なにせオレは『大剣聖』閣下の後を継ぎ、やがては騎士団長となる男だからな!」
「はい。ルゥナも信じております。坊ちゃまはいずれは騎士団長にもなりうる御方だと。それに比べてしまえば、ライさんは酷いものです。家柄も、地位も、立場も低い。あるのはその腕っ節の強さだけ。坊ちゃまとライさん、どちらになりたいかと百人に聞けば、百人が坊ちゃまだと答えるでしょう」
オレは胸を反らした。ルゥナの言葉はとても心地よかった。もうあの男に協力は不要だと断られた憤りはどこかへと過ぎ去ってしまった。そもそも、あんな哀れな男になにを言われたところで心には響かないというものだ。
やれやれ、仕方がない。ここはオレが大人になってやろう。今から戻って、あの男に協力してやろうではないか。そうすればきっと、あの男も泣いて喜ぶだろう。
なにせオレはニルヴァーナ家の次期当主。グィンゲッツ・ニルヴァーナ。いずれ最強の騎士となる男なのだから。
「そう、坊ちゃまだと人々は答えるのです。けれど――」
そう思ったオレの機先を制するように、ルゥナは言った。
「けれど坊ちゃまだけは、ライさんのようになりたいと答えるのはないのですか?」
それは予想もしていない言葉で、けれどなぜか今度は鼻で嗤うことはできなかった。
それを良いことに、ルゥナは言葉を続ける。聞きたくもない、オレの本音を。
「だって坊ちゃまは――」
ぶちまけようとしたそのとき、大地が揺れ動いた。
それは巨大な力を持つモンスターが目覚めた音に間違いなかった。
「い、今のは?」
「恐らく、ティタノマキアの封印が解けたのだろう」
ふらつくルゥナを抱き留めてやりながら、オレはある方角をにらんだ。そちらには薄闇に染まり始めた空を裂く光が見えた。それこそがティタノマキアを封印していた魔法の輝きだろう。だがその輝きは急激に弱まり、消えようとしていた。
「くそっ、ボケ老人めが! 当初の予定の三分の一しか持たなかったではないか!」
「ど、どうしましょう? 坊ちゃま。避難するべきでしょうか?」
「そうだな。その方が……いや」
そのときアライアス魔法学校から、道案内であろう職員を抱えたオルガスが、リスティマイヤと共に飛び出してきた。素早い身のこなしで、二人はあっという間に見えなくなってしまう。
「今のってライさんとリカリアーナさんですよね?」
「ああ。ティタノマキアを討伐しに行ったのだろう。ふんっ、ならば避難する必要はないな」
「大丈夫なのですか? 相手はティタノマキアなのですよ? いくらライさんでも、万が一ということがあるのではないですか? 坊ちゃまも手助けに行かれた方が」
「その必要はないだろう。あれもオレなど必要としていないだろうさ」
オレは二人が消えた方角に背中を向ける。
「……行くぞ、ルゥナ」
「行くってどこにですか? ティタノマキアは」
「どこへでもいいだろ。とにかく、今は――」
「あっ、グィンゲッツさん!」
心臓がどきりと跳ねる。ここにはいないはずの声が聞こえた。声のした方を見ると、通りかかった馬車から半ば飛び降りるようにして赤い髪の少女が降りてくるところだった。
「ミリエッタさん!?」
「ミリエッタちゃん! どうしてここに!?」
バランドールで別れたはずの仲間の姿に、ルゥナと一緒になって驚きながら駆け寄っていく。
「どうも。結局、こうしてサンドウェルドまで来てしまいました。本当は途中で追いつきたかったんだけど、そっちが早すぎて無理でした。こっちは何人も冒険者を無理言って雇って、夜通し走り続けたりしたんですけど」
「なぜそこまでしてサンドウェルドに?」
「実はお姉ちゃん――じゃなくて、聖女フィリーア様。うん、フィリーア様に忠告されたの。今回のティタノマキア討伐は、恐らくもっと禍々しいものが奥に潜んでるって」
「禍々しいもの? 聖女様がそうおっしゃられたのですか?」
「うん。だから心配で、せめてこの伝言をお兄ちゃんに伝えたくて追いかけてきたの」
ミリエッタさんはきょろきょろと周囲を見回すと、
「お兄ちゃんはどこ? それになんか、町が騒がしいような気がするんですけど」
「オルガスは、その……」
「ライさんなら、ちょうどティタノマキアのところへ向かっています。実は予定よりも早く封印が解けてしまったようなのです」
「えっ!?」
ミリエッタさんが驚き、そのあとオレの顔を見た。
特に意味はなかったのかも知れない。けれど、オレは顔が熱くなるのを感じた。ミリエッタさんの顔が、まるで『なんでお兄ちゃんはティタノマキアの討伐に向かったのに、あなたはこんなところにいるの?』と責めているように見えた。
「どうしよう? 早くお兄ちゃんに伝言を伝えなきゃ!」
「だ、ダメです。ミリエッタさん。今向かっては危ないです!」
顔を真っ青にしてオルガスを追いかけようとしたミリエッタさんを、ルゥナが腰に抱きついて引き留める。
「でもお兄ちゃんが! あんな風にフィリーア様が言ったんだから、絶対になにかある! だから!」
「ミリエッタさん。オレに任せて下さい」
ミリエッタさんの前に回り込んで、オレは言った。
すごく今更で、前言を撤回するようで格好悪いが、それでも。
「伝言をあいつに伝えればいいのでしょう? ならばこのグィンゲッツ・ニルヴァーナが、ミリエッタさんんの代わりに伝えましょう!」
ミリエッタさんから託された伝言を胸に、オレはティタノマキアが封印されていた現場に急いだ。
だがすでに現場からオルガスの姿はいなくなっていた。ティタノマキアもだ。いるのはオレより早く駆け付けていたアラド卿と、彼の指揮によって避難行動に移っている魔法使いたちだけだった。オルガスと一緒にいるはずのリスティマイヤの姿もない。
「アラド卿」
「おお、あなたはたしかニルヴァーナ卿。避難の手伝いに来て下さったのですか?」
「こちらの用事が済めば手伝わせてもらいます。ですが、その前にライ・オルガスがどこに行ったのか知っているのなら教えていただきたい。リカリアーナ・リスティマイヤでも構いませんが」
「オルガス卿ならば、封印から解放されたティタノマキアをこの場所から引き離すため、すでに交戦に入っております。リスティマイヤ殿は、私が来るまでは避難指示を出してくださっていたのですが、私が来るのと入れ替わりにオルガス卿を援護するため追いかけて行かれましたよ」
「そうですか。やはり、ティタノマキアの封印は解除されてしまったのですね」
「ええ。正直言って、私も困惑しております。たしかに予想よりも封印の維持が大変だったのは事実ですが、それでも今朝確認したときは三日は最低でも持つと判断したのです。それが今夜になって突然負荷が大きくなり、維持ができなくなったそうです。いやはや、オルガス卿が到着されていて助かりました。でなければ、伝統あるアライアス魔法学校も、サンドウェルドの町も、地図からなくなっていたかも知れません。感謝しなければなりませんね」
「……そうですか。それで、現れたティタノマキアに、封印が維持できなくなる理由などはあったのですか?」
「それがなかったと言うのです。リスティマイヤ殿が鑑定スキルで看破したかぎりでは、極々普通の個体だったと。しかも体力がかなり削られており弱っていたそうです。だからこそ、こちらとしても頭を悩ませているのですが」
「……これは別に誰かに伝えるとかそういうことはありませんが、そちらの封印維持に不備があった可能性は?」
「絶対にない、とは言い切れません。もちろん、そんなことはないと自負はしているのですがね。原因の究明には、避難は完了次第すぐに着手するつもりでございます」
どうやらアラド卿も本気で今回の異常事態については予想外だったらしい。だが腐ってもアライアス魔法学校の学園長だ。原因の究明は確実にこなしてくれるだろう。思うに、やはり今回のティタノマキアが特殊だったと思うのだが。
だがそれでもオルガスが勝てないほどの異常個体ではないようだ。ここからはティタノマキアの巨体も、オルガスの戦いも見えないが、それは彼が上手い具合にティタノマキアを相手取ってこの場所から引き離すことができたということだ。周囲を気にして戦えるというのなら、ある程度は余裕があるだろう。
「ミリエッタさん、ひいては聖女様の不安は杞憂だったようだな」
まあ、それならそれでいい。ミリエッタさんも安心してくれるだろう。
「ではニルヴァーナ卿。避難の手伝いを頼んでもよろしいですかな? 動けない者を運んでいただきたいのですが」
「わかりました」
できればすぐに取って帰って彼女を安心させてあげたいが、この場を放っておくわけにもいかない。避難はずいぶんと難航しているようだった。それは半数近い魔法使いが昏倒しているからだった。恐らくは封印の維持をしていた魔法使いたちだろう。魔力をすべて失ってしまったことにより、一時的に気を失っているようだった。黒い地面の上に横たわったまま、か細く呼吸を繰り返していて、
「ん?」
ふと、ある違和感に気が付いた。
「どうかされましたかな? ニルヴァーナ卿」
「いえ、影が……」
すでに陽は暮れており、空には夜空が広がっていた。だが月明かりが明るく、さらに避難を迅速に進めるため、辺りには明かりが焚かれて明るくなっている。だがら当然、この場にいる人には影があるのが当然なのだが。
「待て。なぜ誰の影もないんだ?」
地面にあるのはただひたすら暗闇のみ。光を通さず、反射せず、ただ真っ黒な闇が広がっている。
いや、違う。影がないのではない。オレたち全員の影が、それよりも濃く巨大な影に飲み込まれて見えなくなっているのだ。
そしてそのことにオレが気付いたことが合図だったように、影の中に巨大な獣の目が浮かび上がった
「なっ!?」
それを皮切りに異変が始まる。足下の影が蠢き、次々に触手のようなものを伸ばしては、地面の上に立っていた人間たちを影の中へと引きずりこみ始めた。さながら底なし沼に足を取られたように、ずぶずぶと飲み込まれていく。
「なんと!?」
「くっ!」
それはオレやアラド卿も例外ではなかった。足に影の触手が絡みつき、すさまじい力で影の中に引っ張り込まれそうになる。
「舐めるな!」
「フレイムブレイク!」
それをオレは力づくで、アラド卿は炎の魔法を唱えて抜け出した。だが気絶していた者たちは、容赦なく引っ張り込まれ、ついには完全に影の中に飲み込まれてしまった。
そうすることで影はさらなる変化を起こす。無数の触手が空へと伸びていき、分厚い雷雲のように夜空を覆い隠していった。やがて完全に月明かりは届かなくなり、空は足下の地面同様に巨大な影と化した。
「これは、まさか……!?」
「なにかご存じなのですか? アラド卿」
信じがたい異常事態を前に、アラド卿は額に汗を浮かべた。
オレが追いかけてくる影の触手を剣で切り払いながら聞くと、アラド卿は謳うように言った。
「空に影の雲。地には影の沼。そしてその中を自由に移動し、奴は襲いかかってきた」
「アラド卿?」
「今から二十年前、隣国との戦争に現れたとされる、あるモンスターに関する証言です。正確には証言としては扱われず、妄言とされたものですが」
二十年前。戦争。そのキーワードからオレも思い出す。他でもない、騎士団内でよく聞いた噂だった。
曰く、二十年前の隣国との戦争においてかの伝説のモンスター、ドラゴンは現れた。ドラゴンは暴虐のかぎりを付くし、フレンス王国、バレス帝国問わず、その場にいた騎士のほとんどを食らいつくした。そして、そのあとにはなにも残らなかったという。
骸も、肉片も、確かな情報すら残さず、すべてを闇の彼方へと連れ去られた惨劇。唯一生き残った者によってもたらされたのは、それが『影』の形を取っていたということだけ。だから正確にはドラゴンではないのかも知れない。けれど当時の見識者たちは、そんなモンスターは見たことも聞いたこともないともらしたという。
「なるほど。封印がもたなかった理由の可能性にひとつ、私は思い当たりましたよ」
髭をしごきながら、アラド卿は引きつった笑みを浮かべた。
「我々はティタノマキアを封印していたと思っていた。けれど実際は違ったのです。ティタノマキアはついで。本当に封印していたのは、かの巨人の足下にいたこれだったのかも知れません」
「つまり今各地で起きている異変によって誕生したのはこちらで、ティタノマキアは……」
「このモンスターによって住処を追われ、逃げまどったあげくに人里まで下りてきた、というところですかな」
それは信じがたいことだった。これまでの道中に遭遇したモンスターのように、ティタノマキアが逃げてきただけだというのなら、つまりこの文字通り影しか見えないモンスターは、討伐推奨レベル七十五のティタノマキアをして本能的に逃走を選ばせた怪物であるということだ。
そしてその怪物は、いよいよその本体の姿を見せようとしていた。
空から地から無数の影の触手が伸び、それが狭間で結びつき、ひとつの形を生み出そうとしていた。
影がそのまま質量を持ったかのような黒い身体。鋭い牙をもった頭に、長い首。鋭い爪の生えた四肢。胴体からのびた翼と尾は、それぞれ天と地に広がる影に繋がっている。
そう、それはまさに伝説に語り継がれるモンスターと同じ形をしていた。
ーーそれは後にドラゴンの影、ディザスターと名付けられたモンスター。ギルドによって設定された討伐推奨レベルは八十とされた。




