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武術覚書  作者: asada11112
99/187

099 技を受ける時の注意点

外から見て不思議に見える技、

疑問に見える技。

武術、武道にはそんな技がある。


例えば合気道、

「あんな掛かってもいない投げに数メートルも飛んで行くなんてあり得るの?」


中国武術の発勁

「あんなチョンと触るだけでふっ飛ぶ技なんてあり得るの?」


かなりディープな所まで足を突っ込んで、だんだんと、意味が解る様になってきた。


実戦と訓練、


実戦では相手は(究極的には)殺すべき敵。


訓練では相手は自分を上達させてくれる大切なパートナー。

色々な事を手伝ってくれる。


さては置いて、


過去、A先輩と組んで技の練習をしていた時である。


A先輩がきちんと師匠の言った通りのやり方をすると、

私はガックンと崩れる。

正確に擬音を表現すると(つるん)なのだが、


それこそ思いっきり抵抗する用意をしているこちらが、

抵抗するのを「ど忘れ」してしまった様に、何の抵抗もなく、

掛かってしまう。


試しにA先輩がわざと一般的な力を使うと私はアッサリと先輩を跳ね返す事が出来る。

(私はA先輩より三十キロ重く、そのウェイト差は、一般的な力の使い方ではこちらが圧倒的に有利である)


A先輩

「もう一度、一般的な力で技を掛けて見るから」


「バッチ来ーい!思いっきり跳ね返してやる!」


と、こちらは全力で跳ね返す準備。


………………


オチが分かっている人もいるだろうが、

次の瞬間、

A先輩が掛けて来たのは、


本物の技の方。


全身に「グキッ」という擬音が発生、

私より重い質量がぶつかった感覚、


………………

軽いギックリ腰になった。

(翌日には治ったが)


衝撃で完全にフリーズしている私に、

A先輩はニコニコ笑いながら、

「どう?、結構効かなかった?」

と言った。


いや、あの、

腰の骨が折れるかとおもいました。


本物の技の場合、

掛けた側が力感を感じないので、

こっち側のダメージが軽いと思い込んでいる。


ついこの間、

A先輩は、師匠の何の気無しの軽い打撃で、

いつもなら深夜の2時頃までだべっているアフターを辞退、

顔を真っ青にして直帰した経験を忘れている様であった。


この経験で分かったのは、

相手が掛けて来た技の感触、

抵抗したらやばいと解りきっている感触が来たら、

無意識にさっさとぶっ倒れる様に、

身体が訓練されてきているのだ、ということ。


技のダメージを減らす方法、

それは、絵に描いたように綺麗に技にかかってしまうこと。


アッパーカットを喰らって、踵落としを打たれたような倒れ型出をするのではなく、

綺麗に上に吹っ飛ぶ。

相手の掛けてきた方向性や力の量を理解して、

理想的な吹っ飛び型をすると、技の威力を上手く半減させることが出来る。


陰と陽で、相手をやっつける練習をするなら、

相手にきちんとやっつけられる練習をするのが必要と言うことである。


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