084 厄年
(10年前の話です)
人身事故を起こしてしまった。
不幸中の幸い、相手方の怪我はそれほど酷くはなかった。
実はその二週間前にも物損事故を起こしている。
仕事先、
スタッフが長期病欠。
その前からスタッフの定年退職や病気退職でスタッフが減り、
その為やむなく送迎業務をやらざるを得なくなり、
その結果、業務中の事故であった。
二件とも送迎業務中の事故。
武術の師匠に話すと
「お前今年41歳だろ、厄年の厄がかぶって来ているんだ。」
との事。
ちなみに師匠の交友範囲は広く、
風水師や占い師、果ては霊能者までいる。
そのためそっち方面の知識も詳しい。
「今まで見た事のある厄をかぶっている人と同じ雰囲気が出ている。」
のだそうな。
その後、
急に自家用車のバッテリーが上がるわ、
バッテリーを交換した翌日に今度はライトが切れるわ、
更にはアブソーバーが寿命で、修理費用に7万円強かかるわ、
自動車系のトラブルが連続して重なる。
武術教室に集まる生徒の中には、
「厄落としにお祓いをしたら翌日に神主が高熱で倒れ、
その年のうちに神社が火事で全焼した」U氏、
「厄落としに訪れた神社でお清めをしようとしたら、
手水場の石垣の大きな石がいきなり外れてお腹に落っこちて来た」N氏など、
伝説級の強者がいるが、
私もその仲間入りをしてしまったかと溜め息。
ちなみに自家用車はトヨタなのだが、
アブソーバーの修理を予約したその直後、
例のリコール騒動が計ったようなタイミングで起きたのには、
溜め息を通り越して苦笑いであった。
師匠によれば、厄年とは、
人間にとって、
生物的にテンションが下がる、いわば
『休眠期』
であり、
今まで通りの事をやろうとするとまず失敗して、
新しいことを気分転換にやろうとして、
それも失敗する。
細々と、今までやってきた失敗のない
『鉄板』的な事をやらないといけない。
なのだが、
そんなときに限って、
本人に自覚がないまま新しいことに手を出し、
失敗してしまうという。
実際、そうであった。
ちょっとした選択(例えばファミレスでのメニュー選択など)で、
新しい物をついつい選び、
「それだよ~、気が付いてるか~?」
と師匠に指摘される事、しばしば。
何故これを選ぶ?、と自分でも驚く。
回避方法は、特にない。
台風などの自然災害の様なもので、
過ぎていくのをじっと待てとの事である。




