082 ロシア武術とオルゴン療法
かたや、
ロシアの特殊部隊スペツナズにて訓練されている武術システマ 。
かたや 、
オカルトで有名な『オルゴン療法』 。
その両方を同時に知っている人は少ないと思う。
以前、ロシア武術『システマ』の講習会に参加したことがある。
そのきっかけは、
八極拳オタクの私は、
ネットで紹介されシステマ動画で、
軽く触れたような一撃で、あっさりと相手が悶絶する様子があり、
これはまさか中国武術の秘技『発勁』と同じ技か!?
と思い、師匠がシステマの講習会に参加すると言い出して、
生徒でも興味のある人間は一緒に参加してくれ、
と言われたので、
日本初のシステマ講習会に、 私を含めた中国武術練習会の面々が1も2もなく参加決定した。
日本におけるシステマの振興団体であるシステマジャパン主催。
インストラクターの名前は、
アレクサンダー・コスティック師範。
愛称はアレックス。
彼を見た感想は、
でかい、強い、技が繊細。
普通は「大男、総身に知恵がまわりかね」であるが、
彼の場合は、全く逆。
「大男なのに、全身に知恵が溢れすぎ」
講習会の感想は、
『軍隊さながらのトレーニング、疲労困憊』
ただ、その中で気になることを、アレックス師範が言っていた。
当然英語なので、私に解るわけはないが、
(私は日本語オンリー)
通訳の人が、
『心の緊張が、筋肉の鎧化を引き起こす』
と説明し、
アレックス師範の発する言葉に、
『オルゴン』
と言う単語を何度か聞き取ることが出来た。
通訳の人は、私が聞く限り、
オルゴン療法を知らないせいなのか、この部分の翻訳を、
意図的に避けていたのが解る。
(或いは説明にかなり時間がかかるし、オカルトとして見て欲しくなかったからかもしれない)
この説明は、明らかに
『ヴィルヘルム・ライヒのオルゴン療法』を指している。
では、その『オルゴン療法』はシステマと関わりがあるのだろうか?
『オルゴン療法』を作り出したヴィルヘルム・ライヒ。
彼は、晩年精神的に不安定となり、
常軌を逸した行動・発言をしている。
空気中のオルゴンエネルギーを取り出す箱を作ったり、
天候を自在に操る装置『クラウドバスター』を作ったり、
(これによるUFOの撃墜をも目論んでいたとの事)
ただし、
ただしである。
若い頃に行っていた植物神経療法という、一種の心理療法。
(後に生物学的オルゴン療法と呼ばれる)
これは、かなり適切な治療法と思われ、
これがシステマの『ラブ・パンチ』と、
関係している可能性がある。
ライヒの心理療法では、
人間の心理的な問題、病気は、
体表面に筋肉の緊張として現れ、
それに対し、外からマッサージなどのアプローチで、
その筋肉の緊張を除去することにより、
心の問題を治していく、という方法論である。
(人の心に深く触れていくと、自分の心が危うくなる危険性を孕んでおり、
ライヒもそうだったかもしれない。)
一方、
ロシア武術システマでも、
心に対しアプローチしていく訓練がある。
これは訓練の中でもかなりのウェイトを占めている。
もしも、テロ事件で建物に突入するときに、
最初に突入する隊員がびびって突入できなかったら、
人質は全滅、である。
あるいは、部隊が全滅。
その為に、
指揮官を全面的に信頼し、
その為に命を懸ける覚悟を養う‥‥‥‥
その訓練ドリルとして、
システマでは、
物理的な対人訓練でありながら、
『心』をコントロールし、
相手の動きすらコントロールしていく、
その中で、ラブ・パンチ
英語で書くと、
Love-Punch
軍隊武術にしては似つかわしくない名前であるが、
この打撃は、相手の心理治療に使われる。
ミゾオチにもろにパンチを食らうわけだが、
完全に力を抜いている『勇気』があると、何とか立っていられる。
(横隔膜に対するアプローチかもしれない。 )
同時期に参加した知り合いが、
結構重い神経症を患っているその人が、
それを喰らったところ、
もの凄い痛かったそうだが、
『翌日から服薬の量が半分で良くなった』
との事である。
果たして、システマにオルゴン療法が含まれるのか?
アレックス師範は、戦争経験者であり、
かなりの心の傷を負い、
それを癒していく課程でシステマに出会い、
システマで心の傷を克服したという。
心の傷を癒す方法を捜している途中で、
システマとは別にオルゴン療法に出会ったのかもしれない。
オルゴン療法の理論が、
システマと繋がりがあったので、例えで使用したかもしれない。
惜しむらくは、
『心の問題』に直面する少し前の事であったため、
あまり詳しく説明を聞くことをしなかった。
アレックス師範が次に来日された時に、
聞いてみたい内容であった。
なお、師匠によると、
痛みによる精神的ストレスと、
心の病による精神的ストレスは、
おそらく脳の近い場所に蓄積されており、
ラブパンチで、身体に痛みを起こさせて、その痛みが抜けて行く過程で、
脳の近い場所に蓄積されている精神的ストレスも一緒に抜けて行くのだろうと言う事。
それ以後、私の所属する練習会でも、
生徒が仕事のストレスで落ち込んでいる時に、
ラブパンチを師匠に打ち込んで貰っている。
(鳩尾は危ないので胸骨にある膻中穴に打ち込んで貰っている)




