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武術覚書  作者: asada11112
185/187

185 手型(拳形・掌形)の秘伝

182手形(拳形・掌形)の秘伝


おそらくは師匠的にはごく当たり前の事だと思っていたのだろう。


例えば、

套路(型)では、

師匠「起勢式を含めて最初・2番目・3番目ぐらいの技は、その套路にとって最も大切な事を込めている」

との事だし、


師匠「松田先生が一時期、悩んでいて混迷していた事を自伝で書いていたよね、

松田先生は『基本が大事!』と言って基本の衝捶を何千本と打ってたけど、

基本はそこじゃなくて、

『基本功』なんだよ、

松田先生は基本功が嫌いでやらなかったって自分で書いているからね〜」

との事。


その一つとして、

私が以前ここの177話で書いた、

『スジ』を扱う方法が基本功を真面目にやっていると、

無意識に、自然に体得出来る様になるとの事。


『基本』を大事にするって事は、

『師匠が言った事を全て大事にする』

と言う事で、

どれか一つでも師匠が与えてくれたものをお粗末に扱うって事は、

何にデバフが掛かるか分からない。


師匠「どれを、どれだけ、練習しろって何時も言ってるんだがな〜」


基本功から基礎套路に入るまでも長く時間が掛かるが、

基礎套路に入ってらも基礎故に本来ならかなり時間をかけて習う。


例えば武壇だと八極拳の基礎套路である小八極(八極拳小架式)は、

3年掛けて習うと言う。


師匠は、

「俺はこの会派を立ち上げた時は、

小八極を『最後』の套路として教えるつもりだった、あれが最も大切な套路だからだ」

と言っていた。

(今は考えを変えて陰陽逆に初めの方に持って来た)

以前書いたかと思うが武壇では昔、

套路を表演する時には、

『小八極だけは絶対に見せるな』

と言う厳命があった。

今はYoutubeを探せば見つかる。

時代が変わったのだな〜と感じる。


だがしかし、師匠のやった小八極と同じのは殆ど見ない。

昔はよく分からなかったが、

今の私的には、

『見せてもいい套路にしたのが、これかな?』

師匠も前に撮影した事のある套路をやる筈なのに、

師匠「あ、これは撮影やめて!」

と禁止する事が時々あったりする。



話を戻して拳形や掌形、

昔の武術入門的な本を買った事が有るのなら、

套路より前に、

なんなら基本功より前に、

一番初めの方に拳形・掌形が説明されているのが判ると思われる。

それが最も大切な事だからで有る。


その大切さの『意味』が分からなかったが、

少し前に『意味』が分かるようになったイベントが発生。


練習会で生徒達が陳式太極拳の攔扎衣の使用法を練習していて、

かからない。

相手が崩れない、動かない。


師匠「それはかからない。

掌形が八卦掌の牛舌掌になっている、信じられないなら、その体勢から八卦掌のこの技に切り替えてみろ」


師匠がやったのは、下式になって右腕を八卦掌の裹滾鑚掙(か・こん・さん、そう)のそうの形にする動き。


で、相手は崩れて動いた。


師匠「今度はちゃんと陳式の『自然手』作って最初から攔扎衣掛けてみろ。」


自然手をするのに時間が掛かるが、

今度は自然手が出来た時に限ってちゃんと使用法が掛かる様になる。


師匠「俺が今まで套路練習で、

どれだけ口を酸っぱくして『陳式は自然手だ』と言ったか覚えているか?、

師匠の言う事を全然聞いていない。」


おっしゃる通り。

閑話休題。






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― 新着の感想 ―
おお?これは"法則"と呼ばれている現象の一つなのでしょうか? 門派による手形が違うだけで掛かる掛からないが生じるというのは、物理よりエネルギー的要素が強いという印象を受けます。
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