180 中国の武術の二大分類その②
中国の武術の二大分類その②
➖日本の相撲には騎馬民族武術の要素がある➖
『海洋民族』と『騎馬民族』
北派中国武術では立ち方の基本は、『馬歩(または馬式)』と言う読んで字の如く、
馬に乗る姿勢をする。
南派中国武術では‥‥‥‥‥
こちらはあまり詳しくはないが、
南派の有名流派である詠春拳は、確か、小舟の上で生活しながら練習していたと言う話を聞いた事がある。
(ネットで調べたところ、詠春拳の立ち方は『二字紺羊馬』と言うらしい)
北派武術は『騎馬民族』であり、馬に乗る姿勢を基本の立ち方としており、
南派武術は『海洋民族』であり、小舟に乗る姿勢を基本の立ち方としている、
こんな説が出て来た。
その話になったのは、
『相撲の四股』についての師匠の説明であった。
師匠「大東流の佐川宗範が非常に『相撲の四股』を重要視していて、
合気練体‥‥‥合気の身体を作る為の練功法の中に四股が含まれている。
お前ら(生徒)北派カンフーにも四股は極めて重要だからチョクチョク練習しておくんだ」
(そう言えは、武田惣角翁も相撲が大好きで、
学生相撲のチャンピオンだった弟子の久琢磨氏を可愛がっていたと言う話がある)
私「北派カンフーの使い方と四股って同じなんですか?」
師匠「そうだよー、相撲の四股って馬に乗る動作だから。
片方の足をアブミ(鐙)に乗っけた状態が始まりで、
反対の脚を上げて四股の脚上げ、
足を降ろす動作で馬に跨る。」
‥‥‥‥‥‥、
時々、師匠は爆弾突っ込んでくる。
確かに以前ここに、
『176 妄想仮説・回族武術の秘儀『湯瓶式』は失われた超古代武術の名残か?』
で、古代中東からシルクロードを通って超古代武術が渡ってきて、
中国の回族武術の秘儀『湯瓶式』や、
日本の相撲の『雲龍型』にその名残が残ったと仮説を立てたが、
日本の相撲の基礎の基礎たる四股が、
ある意味北派カンフーの馬歩と繋がる『馬に乗る姿勢』とは驚いた。
私は「あの‥‥‥‥カンフーの基礎に四股みたいなのってありましたっけ?」
師匠「あるよ、基礎で擺脚と滑面脚の練習やっただろ?
あれって蹴った後で『ゆっくり足を降ろして弓法になる』じゃないか。
決して足を降ろす時に棒立ちにならない。
四股で上げた脚を降ろして馬歩状態になるのと全く同じ、
滑面脚は普通に四股と同じオーソドックスな馬の乗り方だし、
擺脚はママチャリに乗る脚の上げ方で馬に乗るやり方だよ」
馬弓捶と言う練習がある。
馬歩の身体の使い方からの『変化系』として弓歩になる。
あー、言われてみれば。
私はかなり年齢が行ってから武術をやり出したので、
あまり練習して無かった気がする。
しかし、
これだと相撲の四股が本格的に導入されたのは、
日本に『馬』が輸入された4世紀前後と言う事にならないか?、
邪馬台国の考察で、
魏志倭人伝の記述に、卑弥呼の頃の倭国には馬や牛がいなかった記述がある。
師匠「日本の文献上に初めての相撲の記述とされるのは、
当麻蹴速と野見宿禰の闘いだね。
蹴りの名手とされた蹴速に宿禰が蹴り勝ち、
最後は倒れた蹴速の背中に、
宿禰が四股の足で踏み付けて背骨を折っただろ?、
それは騎馬民族の武術の蹴りの方法論が、
当時の日本の既存武術の蹴りに無いモノを持っていたからだね、
蹴速は知らない蹴り技に敗れた」
四股、
脚を高く上げ降ろす練習、
降ろすと馬に跨る形。
擺脚・滑面脚、
蹴りの練習、
蹴った後で足を下ろすと弓歩になる。
北派と南派、
『騎馬民族』と『海洋民族』、
南拳北腿か?
南拳北腿になるには理由がある。
(続く)




