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武術覚書  作者: asada11112
175/187

175 寸勁を『陰陽』の原理から見る。

175 寸勁を『陰陽』の原理から見る。



今は中国武術の寸勁(10㎝以下の距離から効かせるパンチ)はよく聞く話である。


動画でも実演がよく見られ、

もうそんなに不思議でもないだろうと思われる。


しかして、そこには大きな『誤解』があったりする。


ちなみに私がそれを師匠から説明されたのは、

コレを書いているつい一ヶ月ほど前であり、

私自身その誤解をしていた。



中国武術、特に今回は中国拳法の寸勁は、

本来なら『どんな距離でも効く打撃』の一面でしかない。


これが師匠の言った意味です。

‥‥‥‥‥‥


‥‥‥‥‥‥‥‥意味わかんない。


コレは普通に中国拳法でいつもの寸勁に使われる説明と同じである。


師匠「その説明自体が世間には誤解されている」

との事である、


師匠が実際にやって見せた一つの例が以下のやり方である、


まずは師匠がパンチを出す、

出したその位置で師匠が止まる。


そこに弟子がミットを持って近づき、

拳先にミットをつける、

師匠が僅かに身体を揺らすと、

弟子は大きく後ろにタタラを踏む。


師匠「こう言う事だよ」

弟子「‥‥‥‥‥‥(理解出来ず首を傾げる)」


師匠「え?、何処がわからないの?、

俺のパンチを打ち終わった筈の所でミットを当てたよね?」


寸勁は、

普通の動画等なら自分からミットに当てて、

準備して、打つ。


打ち終わって、もう一度打つ時は、

寸勁だろうが、流石に再度の畜勁を必要とする。


今回の打撃は、打ち終わった筈の姿勢から出した。


師匠「だから、終わっていない。

お前達だったら、せめて道場の端っこの壁まで終わらずに打て」


まだイマイチ分からない。


次の例は、

数人の弟子が電車ごっこの様に並んで、

両手を前の人の両肩に当てる。

一番前の人がミットを構える。


師匠が打つと、

一番前から一番後ろまで全員が大きく後ろにタタラを踏む。


師匠「俺の拳は肋下(腰溜めの位置)から、

道場の向こうの端っこまで、

何処で当たっても効く」


いや、でも合気や発勁とかの実演でおんなじ様な動画よく見るし。

普通に威力が貫通しているのでは?



師匠「そうか?、おいS、ちょっとコレに形意拳の崩拳打ってみろ」


弟弟子のエスが電車ごっこの隊列に崩拳を打つ。

隊列は動かない。


師匠「離れた位置から、いつもやってる練習で道場の端から端までひたすら右崩拳で進む練習をそのままやれ」


結果、師匠と同じに動いた!、


師匠「お前は太極拳が向いてるから‥‥‥‥掩手捶を打ったらそのまま隊列に向けて歩け」


出来ない!


師匠「‥‥‥‥しゃーない、二人一組で、

ミットが無い奴は片方は両手を重ねてミットがわりに前に構えろ」


と言う訳で、

少々レベルをダウンさせて試す。

しかし私の組は駄目。


それを見ていた師匠が、

私の相手を3メートル程、余計に距離を開けさせて、


師匠「そこで掩手捶を打て」

打つ、

師匠「そのままコイツのミットまで歩いて拳をミットに当てろ」


少し、動いた、

私(?!)


師匠「それはな、今お前はこいつが離れている事を認識して、

離れた位置からコイツに当てようと思って拳を出した、

だから効き出したんだ。」


今までは、

60㎝先の相手に向かって出していた。

相手が退がって80㎝で当たったら『終わってしまって』威力が無くなり、

相手が前に突っ込んで40㎝で当たったら、

『未完成で』威力が半減する、

ジャスト60㎝で『終わる』打ち方に、

『無意識』でやっている。



師匠「今お前は、ただ相手を遠くにいると認識しただけ、

それで脳がちゃんと遠くを打とうと『意念』を持った!、

俺が言いたいのは『意念』だ!、

さっきまでお前がやっていたのは、

ただ遠くを打とうと言う台詞だけの『念力』でやっていた、

武術家がスプーン曲げをやる時は筋力で曲げる!、

それが『意念』だ!

『念力』で、サイコキネシスで曲げようとするな!、

『意念』と『念力』は違う!」



寸勁は陰陽の『陽』しては、拳が相手の10㎝以下の距離でも打撃が効く。

(更に自分の体幹と自分の拳の距離が10㎝以下でも打撃が効く)


寸勁の『陰』の理屈は、

例え相手が拳から数メートル離れていても、

打撃が効く。


寸勁を含めて中国拳法の技術は、身体操作法よりも、

『意念(脳)』の領域である。




意念については何度も(ともすれば練習会で毎回)

言われた言葉であるが、

まだ自分では分かりきっていない。


いつも自分が失敗する時には師匠の言った台詞を、

『念力』で、

ただ頭の中で台詞を繰り返しているせいで、


上手く行った時にはキチンと『意念』になっているかららしい。


師匠「ちゃんと、目的を完遂するつもりでやれ!」


で、師匠の意念に対する見解であるが、


師匠「現在日本の武術界隈で流行っているのは、

身体操作法だが、

あれは才能のある人間にしか進めない棘の道だ!、

俺が教えている方法がむしろ、

才能の無い人間が上に進める方法なんだ!」


‥‥‥‥‥‥

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

困惑。


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