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武術覚書  作者: asada11112
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173 中国武術での日本の中での立ち位置

173 中国武術の日本の中での立ち位置。


よく中国武術に言われる事。

「格闘技の大会に出て実力を証明してみろ!」


これに私の感想を言うなら

『無理!』

である。


理由(あくまでも私の理由)は、

『そんな才能や反射神経・リーチ・ウェイト・パワー・スピードが有るなら、

最初から中国武術に行かずに一般格闘技やっとるわ!』

である。


格闘技も、他のスポーツと変わらず、

才能をふるいにかけられ、

出来ない人間は、

容赦なく落とされる。


でもって、

更に才能のある人材は、

格闘技なんかより、

より金の儲かるプロスポーツに最初から行ってしまう。

(サッカーやら野球やら)



そう言う『落とされた側の人間』の、

『受け皿』として日本における中国武術は機能している。

(私はそっちの人間である)


少なくとも、私が中国武術に進んだのは、

試す以前に、

自身の運動の才能が、

(体力、スピードも、半身神経も、全てが)

一番最初に落とされるべきレベルであった為である。


小学生の時から、

運動は学年内で最下位、

中学、高校と、試しに、

自分的には『死ぬほど』頑張って練習して、

かけっこで順位が二人追い抜けただけであった。


抜けた二人は、私の頑張りの三分の1以下の努力でしかなかったのに、

追い抜いた距離は、僅かにしかならなかった。


もう、この時点で『ああ、駄目なんだ、どれだけ必死にやっても』と理解した、


私が何処かの格闘技道場に入門して、

おそらく何年も練習して、頑張っていたとする。

そこに新入りが入ってくると、


その新入りは、大体2ヶ月程度で、

サッサと私を追い越してしまうだろう。

在来の格闘技は私にとってそんなぐらいの『狭き門』である。


武術は、そんな私にとって受け入れて貰える懐の深さをもつ。

(あと護身術もである)


理由は簡単。

昔の時代の戦争は、そんな事を言ってられなかったからである。


戦国時代の日本もそうだし、

外国でも、

人手が足りなくなれば、

ヨボヨボの爺いでも駆り出される。

断る選択肢無しで駆り出される。


日本の戦国時代なら、

武家の人間は年齢なと関係なく戦に出る。

主君への忠誠を証明する為に。


でないと、

『周りの目が冷たくなる』


その人の自身で何とかするしかない。


だから、そう言う人間でも何とかする事が『ある程度』出来る様に武術はシステムが組まれている。


ただ当たり前に若い方が良く、

体格の大きい方が良く、

才能がある方が良く、

健康な方が良い。


因みに、

実戦中国拳法として名高い、

『太気拳・意拳・大成拳』

(王向斎老師の創始した武術)

などは、才能の無い人間はやはり篩に落としてしまう。

実際にガンガン殴り合ってナンボの世界はそれで当たり前である。


創始者の王向斎老師自体が、

その師匠である形意拳の達人である郭雲深に弟子入りした時点で、


『才能が秀でていた為』他の弟子とは異なる教え方をされたと言う。


その練習は、站椿(日本では太気拳の立禅という名前で有名)を徹底的にやらされたとの事。

(詳しくは王向斎に関してネットを漁ると出てくる)


で、この話を読んで、

『立禅をやれば王向斎老師みたいに達人になれるんだ!』

と思う人間がいるかもしれないので肝に銘じてほしいのは、

逆だと言う事。


『王向斎並みの才能がある人しかその練習は身にならない』

と思った方が良い。


形意拳の達人たる郭雲深をして、

王向斎以外の弟子にはそんな練習をさせなかったのである。

何せ王向斎老師自身が、

『こんな練習で良いのか?』

と疑問に思った程だったのだから。


流石に、

王向斎老師が弟子を対して教える時は、

王向斎老師が自身の習ったレベルよりは、

もう少しレベルを落として優しく教えているのだと信じたいが、

(私の師匠は、

私の入門当時は見せたら出来てしまうだろうと、

なかなか見せなかった。

時々に秘伝として教えてくれた初歩のモノですら、

全く弟子には再現出来ないモノであった)



日本に王向斎老師の技を伝えた太気拳の澤井健一先生には、

『立禅を十年やって気が出なかった人には太気拳をやめさせた』

と言う話がある。


あまり声を大にして書いているわけではなかろうが、

ふるいにかけられるのは間違いないだろう。


少し脱線。

ちょっと前に私の師匠は、

この澤井健一先生の『立禅で気が出ている状態』について、


これの事では無いかと説を出して教えてくれた。


一応、私でもその場でそれは出来た。

ただし、才能は無いにしても私は20年以上練習会に通っているので、

それ故にかもしれない。


私の場合言われないと立禅にその方法論を載せることは出来なかった。


内容はここでは書けない。

もしこれが、王向斎武術の『弟子を見る為の基準』だった場合、

基準がバグってしまう可能性がある。


話を戻して、

格闘技の才能が低い者や、

怪我や故障で、

一般格闘技からリタイアした者の受け皿として、

中国武術(特に内家拳)が機能している事について


一つ簡単な例を師匠から聞かせてもらった。

(詳しくは知らないのでご容赦)


呟きSNSにて、

師匠がフォローしている八卦掌の練習者がいるが、


その人は元・日本拳法を修行していて、

怪我・故障でやむなくリタイアした人らしい。


日本拳法は、日本の格闘技の中でも、厳しさ強さはかなり高く、

しかし当然その中で怪我や故障で続ける事が出来ず、

リタイアしていく人が少なからず出てくる。


その人は、

日本拳法はリタイアしたが、

それでも何がしかの格闘技を続けたくて、

八卦掌を学ぶ事にしたそうであり、


SNSでは、八卦掌の練習により、

故障した体の調子が良くなったことを凄いと報告していた。


師匠「あくまで怪我が良くなった事に喜んでいて、

八卦掌が強いなどの発言はない」

との事、


でその人は、偶々、

別派の八卦掌の人(かなりの上級者っぽい)と闘った事があったのだが、


リタイアした日本拳法の闘い方をして、

秒殺レベルで勝ってしまった。


当時、師匠がたまたま、

ネットにあったその試合の動画を持っていたので、

スマホで見せて貰った。


ホントに一瞬であった。


で、そうならない様にする方法を師匠から教わった。


孫子の兵法で教えられる事をちゃんとやれとの事。


自分の場合は、

才能が無いから、

戦で負けるリスクがあるなら出来るだけそうなる前に回避、

戦になる前に出来るだけ外交交渉で話し合いで済ませる。

普段から相手を不快にさせる様な言動をしない。


であった。

(そらそうだ。)

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