158 正中線ネタ④
以前、119のところで太極拳の金剛搗に心意把の秘密が入っており、
それによって功夫を一時的に倍化する事が出来た事を書いたが、
B壇系の陳氏太極拳の始まり、
起勢式〜金剛搗碓の流れを重さの陰陽で見ると、
起勢式は身体の質量を上下に動かす。
(上下の陰陽)
金剛搗碓①は、
演者がわから見て、
まず、両手を右から左へ動かす、
そして左から右へ円を描く様に動かす。
(重さが左右の陰陽を起こす)
金剛搗碓②は、
下式となり、重心を後ろから前に移動させる。
(重さが前後の陰陽を起こす)
金剛搗碓③は、
右拳を上から下に動かし、
(再び重さが上下の陰陽に戻る)
金剛搗碓④として、
爆発呼吸と震脚で一気に叩きつける。
身体の質量が、
上下の陰陽から、
左右・前後へと展開され、
再び上下に収束し、
爆発呼吸と震脚で、
爆弾に雷管を使って火をつける。
この重さの移動・展開・爆発に、
一般人がやる筈の動きを、
とある部分で陰陽バランスを意図的に『狂わせる』。
これが心意把の秘密であり、
リアルで界王拳を起こす方法論である。
因みに今、
Youtubeの武術界隈にて、
『イス軸法』と言う技術が注目されているが、
太極拳では、
金剛搗碓の套路の②の部分に含まれる動作である。
(たしか動画の主は太極拳を習得している筈)
そこでも『リアル界王拳だ』と言われていたが、
金剛搗碓の②の部分の方法論を純化して抜き出したものである。
(あっちが有名になって少々悔しい私)
※重要なのは、それを見つけて套路に封じ込めた先人の知恵であり、
動画で見せているのは、
前後方向への方法論だけであるが、
(うP主も動画で公開しているのは触りの一部分だけと明言している)
金剛搗碓の套路は、
それを左右・前後・上下へと展開し、
収束させ圧縮し爆弾にしたものに、
呼吸の爆発と震脚により、
一気に火をつけ瞬時に燃焼させると言う、
法外なレベルの使い方である。
凡人以下の私でさえ、
普段のレベルの二倍の功夫を引き出した事実と、
でもって、漫画ドラゴンボールの作中で、
悟空が4倍の界王拳を使った後、
無茶した反動・副作用で苦痛にのたうち回った様に、
私でさえその後一週間近く体調不良に苦しんだ事実である。
少林心意把では、
「身体を壊す恐れがあるから教えられない」
とされている。
太極拳では残りの套路の持つ健康法的な効果で反動がくるのを和らげているので、
イス軸法の動画の主も、
それはちゃんと断っておいた方がいいと思う。
(僅か一部分の、さわりだけの公開と言われているが、
動画を見た中で才能のある人間が無意識で強い効果をだしたらまずい気がする)
さて、イス軸法の動画では、
武術の威力が上がった事を見せているが、
それだけではない。
姿勢の陰陽には、
『一時的に動体視力を一気に引き上げる』
と言う、別の効果がある。
どの様にするのかは師匠から釘を刺されているので書けないが、
多分、螳螂拳や鷹爪拳の套路にも、
この方法論が封じ込められていると思われる。
その検証実験をしたのを記す。
とりあえず、普通の状態で、
相手に軽く脳天チョップを出してもらい、
それを真剣白刃取りで両手で挟んで止めようとする。
相手は最初はゆっくり、
徐々にチョップのスピードを上げていく。
ある程度のスピードで白刃取りが間に合わなくなって、
チョップが脳天に当たる様になる。
(脳天が怖ければ、目の前を手刀が落ちる様にすれば良い)
そこで螳螂拳や鷹爪拳の套路のある部分をやると、
その間に合わなかった筈のスピードのチョップを白刃取り出来るのである。
(ただし、自分の限界点をひとつ超えるだけなので、
思いっきりやられると間に合わないので注意)
師匠は、
「名前を付けるなら、マンティス・アイ(螳螂眼)か、ホーク・アイ(鷹の眼)だろうね」
と言っていたが、
練習会同僚のMさんが、
この話を知り合いで日本古流剣術をやっている人に話した所、
古流剣術に『螳螂之眼』と言う術理があり、同じかもしれないと言われたそうである。




