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武術覚書  作者: asada11112
155/187

155 正中線ネタ①

今回は中国武術における『姿勢』ネタを。


ただ、中国武術の前に、

日本人への『姿勢』への理解に対して非常に大きな影響を与えた、

日本のとある『技術』について触れておかないといけない。


『肥田式強健術の聖中心、及びその開発者である肥田春充』


簡単に言うと、

丹田という、人体の下腹にある球体状の形となる筋肉の複合した部分から、

その仮想中心点に正確に力を入れる事、

身体の姿勢を限界まで真っ直ぐにする事で、

聖中心が極まり、

その結果強力な肉体と超能力を発揮した人物であり、

その彼が理論立てて伝えた技法群である。



気功や中国武術は、時として、

日本の別の技法群を参考に語られ実践される事がある。


『霊術(和気功)』と呼ばれる健康法及び能力開発技法である。


明治から昭和の初めにかけて、

日本で大きく流行したそれは、

現代日本でオカルト系以外には余り知られていないが、


例えば気功を取材に、当時まだ閉鎖されていた中国の奥地に潜り込んだ記者は、


その気功の奥義として、

霊術の一派である太霊道の技術、

『霊子潜動法』

が練習されているのを見たとか、


或いは、

気功の奥義を求めて中国に渡った研究家が、

奥義を見せてくれた気功法の長老に、

御礼がてらに古神道の『言霊の行』を見せたところ、

「貴方が今見せたのは、

中国ではトップレベルの功法です。

貴方は何をしに中国へ来たのですか?、

早く日本に帰ってその功法を続けるべきです!」

と言われたなどの話を聞いたことがある。


中国武術にも、日本の霊術は大きな影響を与えているのかも知れない、

最初にこの理解が必要。



本題に戻って、

中国武術の姿勢の要訣は、


1.虚領頂勁(頭頂を天に向かって引き伸ばす)

2.立身中正(背筋を真っ直ぐにする)

3.尾呂中正(尾骶骨を少し前に出して腰骨を真っ直ぐにする)

4.気沈丹田(重心を丹田に集まる様にする)

5.沈肩墜肘(肩と肘を下に下ろす)


と、こんな感じである。

因みに、師匠曰く、

「その中の一つでも合格出来れば次のステージに進めるぐらいに重要」

との事。


(実際に、今は会から去ってしまった先輩のKさんは、まずそのうちの二つが分かってから急速に伸びた。)


私は(当時も今も)頭デッカチの為、伸びない。


当時この要訣を調べていて、

一つの疑問を抱いた。


例えば前述の肥田式では、

強く腰を反り尻を出した姿勢が聖中心を極めるのに重要としている。



しかし中国武術では反対に、

尾呂中正の要訣がある。

強健術-健康法だから武術とは違うのか?、

とも考えたが、


調べて行くと、

柳生心眼流が強い力を出す為の姿勢の要訣として、

肥田式強健術とほぼ同じ姿勢(尻を後ろに出して腰を反らせる)を指導している。


心眼流の実力は、松田隆智先生の著作にある通り確かである。


また、肥田春充は竹内流柔術をも習得している。


最近になって師匠より

『陰陽で武術を考える』

という事を教えてもらい、

肥田式、柳生心眼流の姿勢の取り方は、

中国武術の姿勢の取り方と、

『陰陽』の関係になっている事が分かった。


中国武術でも、

最終的に前述した姿勢の要訣を『外した』状態が存在する。

昔は、師匠から『例外』として習った内容であるが、


例えば螳螂拳では、

達人の写真で、

捕蝉式で尻を後ろに大きく出した姿勢があり、


八卦掌では、身体を後ろに大きく傾けたり、


心意把や心意六合拳では、

相手を打つ瞬間に大きく身体を前に倒した姿勢がある。


姿勢の陰陽にて、

『陽を極めて陰となる』

『陰を極めて陽となる』

これを研究する必要がある。


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