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武術覚書  作者: asada11112
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149 武術のバックグラウンド-①奴隷の武術・カポエラ


149武術のバックグラウンド-①奴隷の武術・カポエラ



師匠は、武術の技の基になった背景を推理する事が良くある。


面白いのだが、


私はその説明はあまりメモらずに技の注意点ばかり書いてしまい、

記憶も記録も残らなくなってしまう事が多い。


今回はかろうじて覚えている内容を書いてみる。

(メモ書きからでは無く記憶からの為に間違いがあるかも知らないので、予めご容赦ください)




カポエラと言うブラジルの武術かある。


有名な話であるが、

奴隷達が自分の身を守る為に作った武術であり、

手枷をつけられていた為に、

手を使った攻撃が無く、

主に脚技が発展した技法構成になっている。


そんなカポエラの基礎を体験する機会があった。


練習会で、師匠がたまたま横で練習していたカポエラの師範と話がはずみ、

もしよかったらうちの生徒にカポエラの基礎を教えてくれないかと頼んだら、

快く応じてくれたのである。

(流石ラテン系のノリ!)


初めて経験する未知の身体操法に驚きつつ、

なかなか興味深い体験であった、


そして師匠が面白い事を見つけた。


カポエラは演武を始める前に、

二人で見合った状態から、

『ジンガ』

と呼ばれるステップをする。


(Youtubeなどで『カポエラ ジンガ』で検索すれば直ぐに見られる)


師匠は、そのジンガというステップには、

カポエラ独自の『術』が込められていると言う。


それは、

『相手が鞭で攻撃をしてきた時の凌ぎ方』

である。


避けるのでは無い。

相手は奴隷の主人か、或いは奴隷商人。


たまたま機嫌を悪くした彼らが、

腹いせにいたぶるつもりで鞭を使って来るのかも知れない、


奴隷が全ての鞭を避け切ってしまうのは得策では無い。

更に機嫌を悪くした主人は、

他の誰かを、

例えばその奴隷の友人か、家族に鞭を振るうかも知れない。


或いは、奴隷達の食事抜をきにされる等の嫌がらせを受けるかも知れない


だから、そんな事をさせない為に、


あえて自分が鞭を『受ける』

主人にある程度鞭が当たった感触を与えて、


それで自分はあまりダメージを受けない程度に擬装して受ける。


時にはわざと痛がっている振りもしたかも知れない。


主人は満足して去って行くだろう、

そんな受け方をする。


その方法論がジンガと言うステップに、

ジンガと言う『型』に存在すると言う。


鞭は左右に打ってくる。

その方向に沿って一歩だけ左右のどちらかに踏み込んで間合いを微妙に崩す。


鞭は打点をずらしても、

先端が返って当たってくる武器である。


その為に、鞭の先端の返しが来るのを身体を揺すって受ける、

場合によっては腕で先端部を受ける。


師匠が昔、システマの講習会に出た時に、

システマの練習用の鞭を購入していたので、

それで生徒みんなで検証してみたが、


ジンガは実に上手く鞭のダメージを低減する事が出来た。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 欧米だと教師でも乗馬に使うような形の鞭を持つイメージですが、サーカス等で思い浮かぶ鞭と乗馬等で使う鞭とで対処法は変わるんでしょうか?
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