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武術覚書  作者: asada11112
147/187

147 発勁上げ・発勁投げ (合気上げ・合気投げに対応する中国武術の使い方)



発勁上げ・発勁投げ


これはついぞ最近有った事である。


ちょい前の練習会でのビフォー。


気が見えるSさんと、


老人介護施設で御老人のリハビリの仕事についておりながら、

他人の気に影響を受けやすい私の対話から始まる。


S「いつもですけど、相変わらず身体がガチガチに凝ってますね」

私「やっぱりですか?」


因みに霊能者のKさんからは、

私は『取り憑かれ体質』

と呼ばれ、

師匠からは『邪気に汚染され易い体質』

と言われている。


とある治療用の気功を習う前はもっと酷く、

一人患者をリハビリする度に、

気分は悪くなるわ(酷い乗り物酔い状態)

咳は止まらなくなるわ、

(身体が菌やウィルスを外に出そうとする反応が起きる)

頭痛はおきるわ、

仕事に差し支えて困る程で有った。


気功のあるイメージをやってここまで症状を抑え込める様になった。


S「‥‥打ちましょうか?」

私「お願いします」


ゴチッ!、ゴン!、ベチッ!

形意拳の打法で、

背中の凝っている所を打って貰う。


身体にダメージは入らない様に加減して貰っている(脊椎は外してもらうなど)

しかし、かなり強力に打っているそうで、


他の同僚からは、

「本当に平気なんですか?」

と心配される絵面なのだそうだが、


これだけやって貰ってなお、

凝りが取れない。


システマ芸人のみなみかわ氏の『呼吸で痛みを感じない』のと違って、

凝りのせいで痛覚が麻痺しているせい。

単に肩叩きの要領で打って貰うだけなのだが、


東京支部の生徒で、

霊感持ちで凄腕整体師のAさんは、

みんなが集まる武術合宿で、

たまたまこれを見た時に、

以下の様に見えたそうな。


Sさんが私の背中を打つ度、

私の前の方から、

髑髏がビョーンと飛び出して、

ゴムで引っ張られた様に髑髏が私の中に戻っている。


(何やってんだコイツら?)

と思ったそうである。


S「邪気が、吹っ飛ばされずに戻って行くか‥‥上手くいかないな〜」

との事である。


師匠からは、

「武術では相手の殺気を受けるのは当たり前、調子を強制的に戻せる様になりなさい」

と言われている。


さて練習会、

ここ暫く練習している、

八極拳の『挨・膀・擠・靠』

の練習に入る。


※武壇系では『挨・幇・依・靠』

馬氏通備系では『挨・戳・擠・靠』

と言う。



参加している生徒で、

いつもは中々に指導したとおりに動く事が出来ないで苦労しているUさんが、

比較的に上手く行っている。


その代わりに、

私とSさんが全然出来ない。


師匠「何で一人が上手く行くと、他の生徒が出来ないかなー?、

いつもそうなんだもんな〜」

と愚痴っている。


そうなのである。

練習会の名物となっている現象であり、


出来ない人がなんとか出来る様になると、

必ず代わりの誰かが出来なくなる不思議現象。


暫く私とSさんに師匠が色々指導するも、

全く改善の兆しが見えない。


仕方ないので、

一度方向性を変えて、

『発勁上げ・発勁投げ』

を練習する。


師匠が大東流の合気の研究の過程で、

『勁を使っても合気技に良く似た事が出来る』

という事が判り、

『合気上げ・合気投げ』

の代わりに現在練習をしている。


理由は中国武術の補助の為。

『相手が掴んで来る』

と言うシチュエーションは、

相手が『殴って来る』動きに似ていながら、

『殴って来る』のに比べて、

速度がゆっくりなので生徒が練習しやすい、

と言う利点がある為である。


中国武術の柔術的な技である、

『禽拿術』は、勁よりも解剖学・力学的要素が強いのであまりやらない。

(禽拿も柔術同様、専門知識がかなり深く必要な為、練習に時間が割きにくい)


こちらの練習に至っても、

私とSさんは中々上手く行かない。


S「いつもと違って、

自分の意識にフィルターって言うか色眼鏡が掛かっていて、

師匠の言った通りに出来ていないって自覚はあるんですよ、

どうやったら外れるんでしょうね‥‥」


私「私は仕事でいつも邪気に侵食されて、

毎回調子が良くないんですよね‥‥」



そんな中、

時々起こる『偶然の成功』、


ベシャッ!、と畳に倒れこむSさん、

驚く私。


Sさんが起き上がりながら、


S「今、頭にすごいショックが入りました、

物理的にもですが、意識にも入った感じです、

これでフィルター抜けたかも!」


と言って私に技をかけた直後、

同じ様に畳にグシャッと潰れる私。


私「うわー!、ビックリするわー、これ‥‥」

S「でしょーー!」


自分にも、フィルターが外れた感じがする。


発勁投げを暫く掛け合う私とSさん、

その私達の潰れ加減を見た師匠が、


師匠「お前ら!、互いにちゃんと手加減しろ!」


と注意するも、

こちらは、

投げられたショックでフィルターが外れて、

ちゃんと外れた状態をキープしたいが為、

お互いにベシャッ、グシャッと畳に潰し合いを続ける、


師匠「だからやめとけって!、絶対後で後遺症が出るって‥‥」

と心配して師匠が止める。


で、方向性を戻して、

『挨・膀・擠・靠』

の練習に戻る。

今度は『靠』を正面からかける。



で!、

フィルターが外れたせいなのか、

私とSさんが上手く出来る様になった!、


したらUさんが調子悪くなった(笑)


と言っても、前半にやった時の、

「挨・膀・擠」までは今も出来ているので良しとして練習を終わった。


今回出てきた可能性は、

調子が悪い時は、

『発勁投げ』を食らえばショックで調子が戻るのではないかと言う説。


師匠からは、

「お前らは壊れかけたブラウン管のTVか?」

と言われたが、

チャンスが有れば調子が悪い時に試してみたい。


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― 新着の感想 ―
[一言] > 『相手が掴んで来る』 と言うシチュエーションは、 相手が『殴って来る』動きに似ていながら、 『殴って来る』のに比べて、 速度がゆっくりなので生徒が練習しやすい、 と言う利点がある為である…
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