140 八極拳動画の系統を調べる1
八極拳動画の系統を調べる 1
今なら大体調べはつくのだが、
昔は八極拳の動画には何の説明も無く、
その動画が何処のものなのかは全く分からず、
系統の特定は、
少ない情報を更に総当たり検索する事により、
別の記述を見つけて辿って行くと言う作業で、
中々に困難なものがあった。
今回は、
昔の日記を元にそのときの事を書いていこうかと思う。
youtubeに
『Lu bao-chun』
という題名の八極小架の動画がアップされていた。
かなり前から上がっているので八極拳好きな人間なら見たことがあるはず。
当時は題名にただの『八極拳小架』としか書かれておらず、
私はこの動画は何処の誰なのかと思っていた。
師匠が当時作っていた自分のHPの掲示板にてこれが誰かを尋ねるも、
「ヨーロッパで活躍されているR老師です」
と言う書き込みがあるだけ、
勿体つけておいて、結局は教えてくれなかった。
探し回って、
漸く、同じ動画で別の題名が付いているのを見つける。
それが『Lu bao-chun』であった。
それで探し回ると、
ヨーロッパのサイトに、
『Lu bao-chun』と漢字の『呂寶春』の名が併記されているのを見つける。
で、台湾Google でその名前で検索をかけると、
呉氏八極拳と紹介されていたり、羅瞳?と出たり、いまいちはっきりしない。
しかして、
ヨーロッパのサイトを更に総当たり検索で調べると、
きっちり系統を自ら明かしておられた。
羅瞳系 張克明-張景星-韓化臣-韓龍泉-呂寶春
つまりは韓化臣系、どメジャーな系統である事が分かった。
なお、他の韓化臣系八極小架を動画サイトでさがすと、他に二人見つかったが、
(呂師範を入れると三人)
三人とも風格が違っている。
(うち一人は系統を明記していなかったので、特定にかなり苦労した)
李書文系八極拳では弟子ごとに風格が違うのが当たり前なので、
今回の件も同じと推察される。
それは分かったのだが、
同時に、
過去のある人物のついた『嘘』がはっきりした。
日本での『中国武術のパイオニア』であるM師範を非難しながら出てきた『某八極拳の書籍』、
作者は、今は色々と批判される事もある『G師範』である。
中国武術家は、師契の関係で秘密をバラせない事もあるのだが、
この人物がその某八極拳の書籍にて行ったのは、
『套路の捏造』であった。
この人物の功夫がどうだとか、本物の武術家なのかと言う議論は置いといてください。
問題は、読者が金を払って購入する書籍にて明らかに『嘘を書いた』事。
当時その書籍の八極小架において、
『今回は韓化臣系の套路を紹介する』
と書いておきながら、
写真には初動作で、
『左右のトウ腿(斧刃脚)』をやっていた。
八極小架で左右のトウ腿をやるのは、B壇系か張立堂派であり、
韓化臣系ではやらない。
(普通の羅瞳八極拳でもやらない)
因みに、その順番は、
B壇八極拳の小架をビデオで見せたO師範の動作を丸々コピーしたものであった。
O師範出したビデオで公開された動作は途中迄であり、
G師範が出した書籍も、そこまでは同じで、
それ以降の動作が羅瞳八極でもやらない、
完全捏造であった。
書籍の発売していた当時の私は多分高校生であるが、
G師範の出した書籍は大体全部買っていた。
ど田舎の貧乏家庭に生まれた私は、少ない小遣いでの中で買っていた。
今思い返すと腹が立つ、
『金返せ』と言いたい。




