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139 武術的な『痛み』(短め )
武術の『痛い』と普通の『痛い』の違い。
「力を抜いて打撃を受けると痛くない」
と言う話は、
武術の話題として聞いた事が有ると思う。
何か遠い別世界の話として、
全く違う技術の話と思ってしまったかもしれない。
しかして、
これは私でも出来る範囲での話である。
師匠が、
生徒の打撃を食らって見せて、
平気な顔をしている。
師匠「力を抜いて受ければ痛くない」
と言う。
生徒同士で打撃を受けてみる。
‥‥普通に痛い。
師匠「でも普通に即反撃が出来るだろ?、力をガチガチに入れて受けてみな」
同僚が私の胸を打つ。
べしっ!
ぐええっ!
師匠「少しの間、固まって動けなくなっただろ?、
それが、『武術的に痛い』だよ。
動きが一瞬止まってしまうのが武術では、致命的なんだよ。
武術では、その一瞬を絶対に逃さない。
そこを捉えてボコにされる。
力を抜いて受ければ、
いてーじゃねーか!って即反撃出来るだろ。
俺だって普通に皮膚は痛いぞ?、
ただ、武術ではそれを痛みとしてカウントしていないだけだよ」
との事。




