表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
武術覚書  作者: asada11112
126/187

126 武術における『自然な動き』を再考する。

人間は、有為不自然.。、


藝事、特に武術においては、(私の通う会では)

『自然な動き』

で掛けた技でしか、相手は崩れてくれない。


武術における『自然な動き』を一言で済ますなら、

『師匠の動きそのもの』なのだが、

それでは一般人には理解しがたい。


私が、私なりに理解したのも、相当に後になってからである。


この説明で、果たしてどれだけの人が理解出来るかは解らないが、

私なりの説明をしてみようと思う。


まず、人間はいながらにして『有為不自然』だと言う事。


つまり、人間が武術における『自然な動き』をしようとするなら、


『自分のいつもやっている動きを、意図的に捨てる』

『人間以外の動きを意図的に自分の身体で再現する』


という事が必要となる。


最もポピュラーなのが、

『象形拳』

蟷螂拳や猿拳など、 動物の動きを『真似た』動き。


人が動物を『真似る』と言う事が、

一般人の目から見て、甚だ奇異に映るので、

イロモノに見られがちであるが、


ある意味、『会得するのに最もハードルの低い』自然な動きである。

(特に人類に一番近い猿の動きなどは真似し易いだろう)


実際、象形拳の一つ、蟷螂拳の動きで技を掛けると、

かなり簡単に相手が崩れてくれる。


これまでに何度か書いたと思うが、

ある程度の期間、

武術を練習して、

武術の技にある程度耐性がついた人間が、

きちんと掛かってくれるか否かが、

この際の評価基準である。


問題はここからである。


劇画『拳児』において、

武術をやる意味を問われた蘇崑崙(モデルは蘇昱彰師範)が


「この時代になぜわざわざ殺人芸術を学ぶのか?


人間性を高めて宇宙と一体になるためだ。


最高の拳法は、その動作の中に宇宙の法則を現している。


つまり、正しく体得することは、宇宙と一体になることだ。


しかし、そのためには、まず精神を宇宙に向けてはじめなければならない。


心を純真にしてこそ、宇宙は味方になってくれる。」


と答える。


つまり、高級な武術における『自然な動き(自然の法則に則った動き)』 とは、


『宇宙の法則を人間が真似た動き』


であると言える。


頭の中が『?マーク』で一杯になったかも知れない。

例えばそれは当時の中国の宇宙観であり、世界観である、


陰陽五行・太極・八卦の理論から来ている。


形意拳(五行)であり、

太極拳(太極)であり、

八卦掌(八卦)である。


その宇宙観が、

抽象的ではあるが、世界の真理を確かに表しているのは、


それらの門派の技を『型通り』掛け合う とコロコロと相手が崩れてくれることから、

間違いない事になる。


ある意味、武術とは、

『究極のオーリングテスト』

と言えるかも知れない


そして、

宇宙の法則を人間でモデル化して武術の理を作り、

その武術の技が相手に掛かれば、

『その法則は真理である』


という事になり、


逆に、

『最先端科学』で確かめられた、宇宙・世界の法則を人間でモデル化して、

武術の技とすれば、その武術は有効に作用する、


という理屈になる。


驚くなかれ、

師匠は、それを試し、成功させてしまった。


相対論アインシュタイン

量子論ボーア


それぞれの理論を人間大にモデル化して掛けて見た技が、


実際に、高い有効性を持って、掛かってしまったのである。


無為自然に動く-宇宙の法則を人体で体現するのが武術……………


師匠の実践をこの目で見てしまった私としては、

そしてレベルの差こそあれ、私ですらも、実験技が出来てしまった以上、

それが真理であると、

あるいは『科学(世界の法則、方程式)』であると、

実感を持った次第である。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ