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武術覚書  作者: asada11112
121/187

121 人体の表と裏の概念

太極拳の練習会


師匠より、

『人体の表裏』という概念の説明を受けた。


人体の前側を表面、後ろ側を裏面とする武術概念である。


字面だけを見ると

「ふ~ん。」

で済んでしまう。


実際、

師匠から今までに何度となく聴いて来た単語である。


しかし、

それが、武術の実際の場面で、

どのように作用するのかという技術論になって驚いた。


私の後輩の生徒がこれを使って、

私の攻撃を避けた時の動きが、

師匠そっくりになってしまったのである。


当然、横から師匠が細かく指示を出して、

後輩の生徒の動きを誘導している訳だが、


『喰らった時の感覚』

が、正しく師匠のものと一致するのである。


不思議な感覚。


違和感……ではない。

単語がないが敢えて呼ぶなら『正和感』。


マイナス方向への違和感。

それこそが正しく、

我々生徒とは著しく『似て非なる』動きであるという感覚。

『正しく違っている。』という感覚。


生徒が普通に師匠を真似した時に感じるのが、

正真正銘の

『違和感』


師匠が正しく動いた時の我々生徒とは違って感じるのが、

『正和感』?


やっとで喉の詰まりが取れた感じである。


人為不自然から、無為自然を見たときの感覚。


それが、

師匠の動きを見たとき、或いは師匠の技を掛けられた時に感じる

『不思議な感覚』

の正体であろう。


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― 新着の感想 ―
[一言] 「人体の前側を表面、後ろ側を裏面とする武術概念である。」 呉氏開門八極拳宗家の呉連枝老師も、同じ事を言っていました。 ただ、私が「左前構え」なので、「右前構え」前提で話している老師としば…
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