114 独鈷杵
独鈷杵について。
厨二病の人は、
「独鈷杵を持ちたい」と思った事があるはず。
理由はさまざま?、
多くは漫画『孔雀王』に憧れたからだと思う。
私は少し特殊な理由。
それは、武術の為。
最初は、師匠の持っていた『点穴針』が欲しいと思った。
しかし、もうその当時には絶版となってしまった中国武術の武器であった。
探しているうちに、
『手の内』や『寸鉄』と言った同質の日本の古武器が有るのを知った。
ただし、師匠の持っている点穴針に比べて小さく迫力が無かった。
(隠し武器だから当然、師匠のは演武用にでかいのだと後で知った)
迷って資料を探しているうちに、
『独鈷型手の内』の存在を知った。
そして、
独鈷杵そのものが、手の内代わりに使われている、
或いはインド武術から伝わった手の内のオリジナルとなった武器が独鈷杵で有る事が分かり、
其方に興味が移って行った。
で、師匠の点穴針と同じくらいのサイズの、
長さ30センチぐらいの独鈷杵を探し歩いているうちに、
(そんなのはよっぽど特殊な理由が無ければ製作されないと知ったのはかなり後)
ズブズブと密教美術の沼にハマり込んで行ったわけで有る。
最初は比較的安価なネパール製のチベット密教の密教法具を、
そして段々と日本製の高価な(でもなるべく安いやつを)法具を買う事になり、
集めも集めたり約15年分。
(うち数本は自作した30センチ超えの真鍮やアルミで自作した独鈷杵)
一番高いので三鈷柄剣(数十万円とか平気でする!)にまで手を出した。
そのせいで、050に書いたトラブルになった。
師匠によれば、
一般人がそんなトラブルに巻き込まれるレベルの代物を買うとは想像だにしなかったらしい。
何度かコレクションの気を『無効化』してもらう。
そして数年前の12月後半、
練習会の忘年会を一人暮らしの私の家でやる事になった。
(恒例行事だったのだが今年はさすがに中止。)
やってきた師匠がいきなり一言、
師匠「何だこりゃ?、
お前の家の『例の部屋』
(コレクションを置いている)
が映画のホーンテッド・マンションみたいになってる」
コレクション部屋に案内すると、
床に所狭しと並べられた密教法具。
師匠「何でこんなにイッパイ密教法具があるんだよ!」
と怒られた。
私 「だって師匠が密教法具買っても簡易風水程度にしか影響無いから心配するなって‥‥」
師匠「こんなに沢山買うとは思ってねーよ!」
流石にこれだけの数を揃えると、
素人向けの美術法具でも、
寺院や神社の様に『霊的な気の光』を(豆電球ぐらいに)発するとの事で、
夜間の家の光に虫が寄って来る様に、
雑多な霊が引き寄せられる。
仏教って衆生救済・供養の為の宗教だから、
ただ、ここは一般人の住処、
寄ってきた霊的な気を処理するシステムが無い。
と言うわけで、ホーンテッド・マンションと化した訳。(053も参照の事)
ちなみに忘年会で生きてる人間が10人ぐらい集まっていたが、
一人興味津々で見てみたいと言った会員が居たので、
一人で部屋に行かせたら、
真っ青な顔で逃げてきた。
なんか見たらしい。
トイレに入った会員(霊能者の補助をしている)は、
「誰もいない筈の例の部屋から子供がトトトって走る音がした」
と言った。
別の日に、
この部屋を覗いたとある夫婦の奥さんの方(霊感アリ)は、
「霊から肩を押されるイタズラされた」
と言われ、
更に別の日の私は、
自室で一人暮らしなのに、
突如、私以外誰もいない部屋で、
女性の声で話しかけられてパニックに陥ったりした。
集めた密教法具は、
捨てるのはもったいないので、
何箇所かに離して分けて、
いくつかは引き出しの中に仕舞い込む。
これで多少はマシになる。
‥‥と思う。
沢山が一つに固まっているのが原因だから。
て言うか頼むから静かになってくれ。
怖くてずっと灯りを付けたまま寝てる私であった。
追記
これを書いて良かったと思う事があった。
ヤフオクで欲しいと思う密教法具があって心が大きく動いていた。
改めて、買うまいと決意。




