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37 司令官たる者3

 私はこくりと頷くだけの自動人形オートマタみたいに、もう一度頷いた。


「基本的に無線を介しての通信は、どちらか一方しか話せませんが、司令が使用する通信機のみネット回線を使用した同時通話式になっており、隊員たちの独り言から息遣いまで聞くことができます。全員に指示することはもちろん、会話したい相手を指定すればその者だけに指示を与えることが可能です」と磯岸タイチョーは言った。


「あ、あの……」


 私はおずおずと手を挙げる。


「私が指揮を執らなくても、磯岸タイチョーがいれば事が足りるのではないでしょうか?」


「確かに前線における局面の指揮は私が執りますが、司令官は関係機関から情報を収集して分析し最終的な意思決定を行います。それが部隊の本来の形です」


「で、でも昨日は何もしなくていいって……」


 私がそう言うとタイチョーは、にこりと微笑んだ。どことなく悪意がブレンドされているような気がする。


「気が変わりました」


「そんな!? ご存じかと思いますけど私は素人なんですよ!?」


「承知しています。ですが、あなたが真剣に臨むというのであれば、こちらも応えるのが筋。これはあなたへの期待の証です」


「うううっ……」


「我々はあなたが『行け』と命令すれば、即死性の毒劇物に満たされた死地ホットゾーンに飛び込んでいきます」


「ふぇえぇぇ……」


「今回は私のやり方を見て覚えてください。次回から実際に指揮を執ってもらいます」


 次回!? 今日でマスターしろってこと?? スパルタンもびっくりの教育だわ!



 

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