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36 司令官たる者2

「ここは?」


 射撃訓練場を出た私がタイチョーに連れられてやってきた場所は、同じフロアにある六畳ほどの殺風景な部屋だった。

 白い壁と天井、長机とパイプ椅子がひとつずつあり、机の上には三台のノートパソコンが並んでいる、それだけだ。


 部隊を指揮する訓練って言っていたけど、私と彼以外いないこの部屋でナニをするつもりなの? 内側から鍵を掛ける様子はなかったけど、完全に安心はできない。用心するに越したことはない。


 警戒する私を気にする様子もなく磯岸タイチョーは説明を始めた。


「ここは簡単に言ってしまえばモニタールームです。ここを総合指揮所と仮定した部隊の指揮訓練を行います」


 彼は中央のパソコンの電源スイッチを押して起動させる。映し出された画面は六つに分割されていた。いずれもFPSのゲームみたいな主観映像だ。走ったり止まったり、しゃがんだり、せわしなく視点が動いている。


「今、画面に映っている映像は訓練中の隊員たちのヘルメットに取り付けられたカメラからリアルタイムで送られているものです」


 これを付けてください、とゲーム配信実況用みたいなヘッドセットを渡される。私は言われた通りにヘッドセットを装着した。


『クロウからイーグル、デルタまではクリア』

『了解、エコーに移動する。ホーク、スラッシュ、そちらの状況は?』

『こっちもクリアや』


「彼らの会話が聞こえましたか?」タイチョーが言った。


 私はヘッドセットを外して、こくりと頷く。


「現在はテロリストによって汚染された区域の検知活動訓練を行っているところです。聞いていただいたとおり、隊員同士のやりとりは無線機を使います」


 




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