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24 祝・イケメンに囲まれました。5

 私は現在、ほとんど寝そべった状態で彼の熱く厚い胸板と男らしい二の腕に抱かれている。


「怪我はないか?」


 頭の上から烏丸さんの声がした。

 もう一度言おう、私は彼に抱かれている。

 転倒しそうになった私を体で受け止めたためこの様な格好になっただけで、単なるハプニングである。


「だ、だいじょぶです……」


 彼の胸に抱かれながら首と視線を上げると彼と目が合った。


「そうか、良かった」と私に向けて彼は微笑む。


「――ッ!?」


 それは正に乙女殺しのスマイルだった。

 無邪気で屈託がなくて純真そのもので、クールな強面とのギャップがエグ過ぎる。


 ちょ、ちょっと待ってよ……。感情を表に出さない仏頂面だと思っていたけど、まさかこんな表情をするなんて……なんかズルいよ。


 私の心臓はかつてないほど鼓動している。ドキドキと激しく拍動している。そんな心臓とは裏腹に私の頭の中は、ぽわぽわした気持ちでいっぱいになった。


 ――あれ? でも、この鼓動、私だけじゃないかも。これは……ひょっとして烏丸さんもドキドキしてるってこと?


 そのときだった。

 私を抱きしめたまま顔を私の髪に近づけてきた烏丸さんは、すんすんと私の髪の匂いを嗅いだである。


「えぅッ……」

 びっくりして思わず固まってしまう。


「いや、良い匂いがするなって思ってさ……」


 咄嗟に顔を反らして仄かに頬を赤くした彼は、私をギュッと抱きしめたままそう告げた。




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