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21 祝・イケメンに囲まれました。2

 写真で見るよりもチャラそうだけど、やっぱり顔を整っている。年上だけど童顔で母性をくすぐる可愛らしい顔である。

 それにしてもなんで彼が私の部屋にいるの?


 そんな私の疑問を他所よそに彼は椅子から立ち上がり、近づいてきた。


「若っかいなぁ、自分いくつなん?」


 初対面で腐女子に年齢を聞くとは、なんて失礼な男……。さすがの私もムスッとした態度が言葉になって出てしまう。


「その質問に答える必要がありますか? 仕事に関係ありませんよね?」


 棘を持たせて毅然と言い返すと、彼の顔つきが変わった。真面目な顔とのギャップがまたまた母性をくすぐる。


「いや、関係あらへん。くだらんこと聞いてすまんかった」


 わ、分かれば別にいいんだからねッ! そんな感じで私は腕を組んだ。


「それにしても善吉が新司令官のことをボロカスに言っとったから、どんなジャガイモか思っとったんやけど……」


 あ、あの男をォォォッ……。どこまで私をコケにすれば気が済むんだ!


 不意に顔を近づけてきたコオロギ氏が私の顔をのぞき込む。


「自分、めっちゃカワイイな……」そう言ってニコリと笑った。

 

「~~~ッッッッ!!?」


 少年のような屈託のない笑顔に思わず心臓がドキッと跳ね上がる。そしてこの瞬間、私の中での彼の評価が〝チャラそう〟から〝爽やかに〟大幅ランクアップした。


「ま、これからよろしく!」


 彼はそのまま私の横を通り過ぎて司令官室から出ていった。

 高鳴る胸を私は抑える。


 ドキドキしちゃダメだドキドキしちゃダメだドキドキしちゃダメよ!


 で、でも……えへ、えへへ……。


 にやけてしまう。どうしてもにやにやしてしまう。 

 イケメンに面と向かってカワイイって言われちゃった。こんなことって初めて……。  


 えへ……、えへへ。にやにや。えへへ……。


 はっ!? ダメよ千鳥、関西人の言う事なんてほとんど適当なんだから(偏見)。


 でも、えへへ~。にやにや、デヘヘ、でへでへ――。


 ――パンッ!

 両手で自分の頬を叩き、キリッと表情筋を引き締めた私は、昨日貸与されたばかりの制服に着替えてミーティングが行われる会議室に向かった。



 



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