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(´・ω・`)キーワードに「おっぱい」を入れるかどうか悩んでいたらこの時間でした(嘘)
話数47と48を間違える。
最近ちょっとミスがひどい
やることもやった俺は満足して傭兵団と別れる。
向こうとしても仲間を殺したモンスターと一緒にいるのは思うところがあるだろうし、俺としては野菜を何処かで調達したい。
というわけで真っ暗な森をフラフラとしながら彷徨っていると平地に出た。
どうも南に進み過ぎたようだと方角を修正しようとしたが、このまま東へ向かうと位置的にあの傭兵の町の近くに行きそうだ。
今俺が寄りたいのは村である。
そう思っていた時、不意にあの臭いを俺の鼻が捉えた。
(あいつらは本当に何処にでもいるなぁ……)
基本的に夜になると活発に動く緑のアレだが、夜間に動くとなると何かしら目的がある可能性がある。
そしてゴブリンが夜に動くとなれば、それは恐らく夜襲であると俺の知識が答えを出す。
つまりこのゴブリン共の後を付ければ、村が見つかる可能性が高い。
よろしい、ならばこのゴミ共に道案内をさせて処分した後、謝礼として村の野菜を頂こう。
「なんという合理的判断」と俺も笑顔で頷く。
ちなみにゴブリンは勝手に生えてくるのでその価値は無いものとする。
というわけで追跡を開始する。
臭いが強いので見失う心配がないのは有り難い。
それから約一時間後――案内を終えたゴブリン28匹を拾った棒で撲殺し終えた俺は悠々と村に近づく。
死体の処理は面倒なので放置して、折角なのでスニーキングミッションを開始。
擬態能力を使用して、明かりのない村を静かに見て回り畑の位置を確認すると、1m強の高さの柵を華麗に飛び越え片足で美しく、そして静かに着地を決める。
誰にも見えていないので無駄にポーズも取ってみた。
虚しいので収穫に移る。
あるのはキャベツと根野菜――恐らく人参だろうが十分である。
まだ収穫前故にサイズが少々小さいが気になるほどのものでもない。
リュックの容量が許す限り確保。
ゴブリン退治の謝礼としては破格だろう。
というわけで誰にも気づかれることなく野菜を手に入れた俺は、これまた誰にも気づかれることなく村を後にする。
もう何種類か欲しかったのだが、明らかに時期が悪いものを収穫するのは野菜に申し訳ない。
そんなことをすれば野菜の神様が怒ってしまい、俺の嫌いなセロリばかりが見つかる呪いをかけてくるに違いない。
子供の野菜の好き嫌いを親が注意する時に出る定番「野菜の神様」は言ってしまえば「好き嫌いする子には嫌いな野菜をたっぷり食わせる神様」である。
ちなみに出典元の絵本では「食べ物を粗末にする人に罰を与える神様」である。
都合よく簡単に神様の中身が変わったり付け足されるのが帝国流。
本音を言えば、魔法薬を保護する布が減っているので、変な欲を出さずに万一を考えて一度戻りたい。
というわけで今回の収穫はキャベツ18玉に人参21本に加え、魔法薬計5本となった。
帰り道は特に何事もなく、丸一日と少しかけて本拠点に帰還。
さっさと眠って気づけば翌朝である。
やはり二日眠らないとすぐに寝てしまうので、ペナルティのない連続稼働限界は三日と考えて行動するべきだろう。
今日は朝からガッツリ行きたいので、昨日獲った猪を解体。
キャベツ丸一玉をきざみ、人参二本を輪切りにして肉とともに炒め塩と胡椒で味をつける。
それを頬張りながら思う。
(味のバリエーションがもっと欲しい)
こうなると今度は調味料が欲しくなる。
だがそんな物が帝国以外で作られているはずがなく、現代では入手は不可能と言って良いだろう。
(流石に200年ものを使う勇気はない。あー、今でも稼働する工場があれば作れるんだが……)
そこまで考えた時、俺に天啓が舞い降りた。
「ないなら作ればいいじゃない」
そう、なければ作れば良い。
そしてその手段や製法は、確かに帝国に残されているはずだ。
旧帝国都市の書店――そこに行けば必要な知識を得ることが可能。
(何ということだ。普段漫画ばかり読んでいたおかげでこんな簡単なことにも気づくのが遅れた!)
技術や知識を残した帝国の先人達になんと詫びればよいのか、と肉を頬張る。
やはり野菜を足したことで味に深みが増した、と知ったかぶりのドヤ顔で野菜と肉をかっ込む。
次の目的は決まった。
だがその前にもう一度エルフの監視任務に戻ることを許して欲しい。
時間的にはそこまで経っていないが、エルフの能力ならもう問題を解決して日常に戻っていることも十分考えられる。
というかその可能性は高いはずだ。
帝国をあれだけ苦しめたエルフならば何があってもすぐに日常に戻る――いや、戻ることができるはずだ。
「そうに違いない」と肉野菜炒めをかっ込み、手早く後片付けを済ませると第一監視ポイント――通称「例の崖」へと急ぎ向かう。
時間は恐らくギリギリだ。
到着間際に擬態能力を発動させ、慎重に川を見るがまだ誰も来ていない。
俺は「間に合った!」と心の中で歓喜しつつ、擬態能力をそのままに定位置に付く。
準備が整い、能力を解除して6号さんの到着を待つ。
だが待てども待てども子供すら来ない。
(……もしや時間帯と場所を変更した? いや、それならそもそも問題など起きていなかった可能性すらある!)
ただの変更であったならば完全に俺の勘違いである。
「ええい、エルフ共め! 我が監視から逃れられると思うてか!」と役者染みた誤魔化しをしつつ、新たな監視ポイントを作成するために俺は崖から飛び降りた。
身を潜め、周囲の気配に気を配りながら川沿いに移動する。
だがエルフは見つからない。
最悪川の向こうへと足を踏み入れることも考えなくてはならないかもしれない。
だがそれには危険が伴う。
エルフはどれだけ警戒してもし足りない――それほどの相手であると俺は認識している。
(危険を承知で進むか? いや、軽率にも程がある)
俺は帝国兵の生き残り――ならば恥を忍んで生き延び、エルフとの攻防は危険のない範囲で行うべきだ。
決してエルフの裸が見たいだけではない。
これは残された者の戦いなのだ。
と言いながらも辿り着いたのはかの8号さんを発見した場所。
正直すぎるのも考えものである。
やはりというかここにも誰もいなければ、いた気配もない。
仕方なくさらに南下してみたところ、川のこちら側で何やら争った形跡を発見した。
具体的に言えば、傷ついた樹木に僅かではあるが焦げた跡――まるでここで攻撃魔法を使ったかのように思える。
どうやら何か問題が発生してエルフ達が川に来なくなったと見るべきだろう。
戦闘跡が小規模ではあるが、ここに何かいたため、エルフ達は川で遊ぶのを止めたのだろうか?
(いや、戦闘となればエルフが圧倒するはずだ。ならば別の要因か?)
これは少し周囲を探索する必要がある。
そう考えた俺は何かおかしな点や気になるものはないか探し始めた。
そしてしばらく捜索したところ、幾つもの折れた矢が見つかった。
やはりエルフは何者かと戦闘を行っていたようだ。
しかしそうなると一体どんな奴が戦っていたのだろうか気になる。
ほとんどのモンスターはエルフからすれば自然物であり、敵対する必要のない相手。
それは強者であるからこそ取れる目線であり対応だ。
その前提を覆す何かがいたためエルフ達は川に来なくなったのではなかろうか?
(待て、その結論は早計だ。第一そんな危険度の高いモンスターがこの周囲にいるのか? 一応この辺りは一度俺が確認した範囲だ。その時にはそんなモンスターは発見していない。だとすると、エルフは何故攻撃した?)
エルフの攻撃理由がわからない。
判断材料はないが、ただのモンスターを攻撃するとも思えない。
(もしかしたらエルフが「何に」攻撃したのかが重要なのではないか?)
何かを保護――例えば希少な動物がいて、それを守るためにモンスター、または肉食動物を攻撃。
繁殖等の理由で、エルフが川から一時的にいなくなっているというのはどうだろう?
なるほど、それなら有り得そうな話ではある。
そう納得しかけた時、川の向こうから音が聞こえてきた。
俺は直感的に擬態能力を使用し身を隠すと同時に音に集中する。
(二足歩行。人並みの速度で歩いており数は15から18。金属音は……なし)
真っ直ぐに進む一団の進行線上から離れ、望遠能力を用いてその姿を確認する。
視界に入るエルフの集団は皆武装していた――つまり、俺の推測はハズレである。
どうやらエルフでも退治しないといけない何かがいるようだ。
そうするとあの小規模な戦闘跡から察するに相手は害虫、もしくは害獣だ。
幾ら自然崇拝と言っても森にとって危険なものを見逃すエルフではないだろう。
そしてその相手は決して油断してよい生物ではないのがエルフ達の武装から見て取れる。
いやはや、覗きを行うモンスターに鉄槌を下すべく女達を川から逃し、完全武装で討伐に来たのかと少し焦ってしまった。
そんな風に安心して彼らを見ていたのだが、その一団の中に見覚えのある女性を見つけた。
目隠しをしたそれはそれは見事な果実を胸に持つエルフ――8号さんがその集団の真ん中に、囲われる形でいた。
念の為にもう少し距離を取ろうと一歩下がった時、彼女がそれに反応するかのようにこちらを見た。
物凄く嫌な予感がした。
(´・ω・`)次回はもしかしたら別視点を挟むかも。




