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(´・ω・`)前回主人公が殺したゴブリンの数は2000ほど。


誤字脱字の報告ありがとうございます。見切り発車故勢いで書いておりますが、中々失速しないことに自分でも少々驚いております。書こうと思っているネタが人参の役目を果たしているのでしょうかねぇ。

 掃除を終えた俺は学校からさっさと移動する。

 臭いがきつすぎるのと、体のあちこちに付いてしまった血を洗い流したいからだ。

 学校なら貯水槽くらいあるだろうが、ゴブリンが日常的に使っていたであろうものなぞ使いたくもない。

 贅沢は言っていられないのはわかっているが、他を探すくらいはさせてくれ。

 というわけで見つけたのがこちらの雨水が溜まってできたであろう元ゴミ箱。

 はい、虫が湧いてるから論外ね。

 結局は下水道の水を使うことになったのだが、長年汚水が流れずに雨水だけを流し続けたおかげか、思いの外臭いも少なく外で見つけた水に比べて綺麗だった。

 崩壊した道路のあちこちに隙間が出てきていたことで換気もできていたのだろう。

 自然の力は偉大である。

 まあ、文明の方が好きなんですがね、とさっぱりした体で荷物を取りに戻って探索を開始。

 やはりまだあちこちにゴブリンの残り香があるのが気になるが、それでも一つ一つの家や店を調べていくと、太陽はすっかり真上まで来ていた。

 荷物を少なくするために残った乾パンを全て食べ、少し干し肉も齧る。

 人間なら一口サイズなのだが、やはりというか食べごたえがない。

 酒瓶の中の水も半分ほど消費し探索を再開。

 まだ読めそうな本や新聞の残骸を集めつつ、手に入れたのはこの登山用のリュック。

 なんと俺の腕に通せるほど大きく、これ単体で背負うことはできなくとも紐などを使えば十分可能という容量、耐久まで満たす優れものである。

 おまけに各種登山用品を取り付けたり持ち運んだりするための仕組みも存在しており、これを改造すれば更に利便性は増すことは間違いない。

 ワクワクしながら使えそうな道具を探し、ついでに情報になりそうなものも見つけていく。

 結果、登山用リュックはベルトを使って俺が背負えるようになり、そのサイドには布で巻かれた魔剣が装着され、反対側には保存状態の良いスコップが取り付けられた。


「ガッ、ハー!」


 この満足感に思わず吠える。

 容量が増大したことで新たに綺麗な瓶を確保。

 まだ使えそうな布やシーツ、鍋やフライパンなども手に入れホクホクである。

 情報?

 後回しだ。

 他にもまだ何かあるだろうと血眼になって店を探す。

 そして見つけたショッピングモール。

 中は吹き抜けとなっており、俺でも入れる親切設計。

 これには俺も狂喜乱舞。

 店頭に並んだ物は流石に使える物はまずない。

 狙うはバックヤード――開封されていない在庫品だ。

 倉庫が通れない?

 入り口壊せばいいじゃない。

 そんな感じでテンションが上がりに上がった俺は、日暮れまでショッピングモールでヒャッハーしていた。

 そして溜まりに溜まった戦利品の山を見て思う。

「持っていけるわけないだろ」と……要反省である。

 ともあれ、この最早自分が何を獲ってきたかも把握できていない山の中から必要な物だけを取り出さなくてはならない。

 早速品物を厳選するのだが「アレも欲しい、コレも欲しい」でさっぱり決まらない。

 冷静になれば持っていく物も決まると思ったのだが……案外踏ん切りがつかないものだ。

 取り敢えず鍋は必要である。

 水を煮沸するにも料理をするにも使えるのでここは確保だ。

 刃物は魔剣があるから、持ってきた鉈や包丁は除外して良い。


(あ、でも十徳包丁とかは……いや、サイズ的に扱いが難しい。ここは切るべきだ)


 時に涙を飲んで採用を見送りつつも選別は続く。

 気づけば夜になっていた。

 結局持っていく物は、綺麗な布とブルーシートに鍋が2つ、瓶5本。

 後はスレッジハンマーにバーベキュー用の鉄板となった。

 金網も欲しかったのだが、残念なことに無事な物はなく持ってきていない。

 未開封のブルーシートは巻かれた状態で背負ったリュックに取り付け、鉄板は吊るせば良いだろう。

 スレッジハンマーはそのまま右手で持てば完成。

 リュックの容量は半分以上残っているが、こちらは食料用に残しておく。


(そうなると食料を入れる何かが欲しいな……ああ、あったあった)


 追加の大容量クーラーボックスを左の肩に下げる。

 今度こそ完成である。


(……何この格好)


 どう見ても不審者ってレベルじゃない。

 ショッピングモールの鏡に映った自分の姿を見て冷静さを取り戻す。

 子供の頃に作った「ぼくのかんがえたさいきょうのプラモデル」感が半端ないこの取ってつけた感よ。

 だが不格好と侮るなかれ、趣味と実用だけを考えたこの装備に無駄などあるはずがない――と自信を持つことができないこのスレッジハンマー。

 多分俺が素手で殴った方が強い。

 だってスレッジハンマー格好良いんだから、持って行くくらい良いだろう。

 ちなみに片手でブンブン振り回せるのでお手軽にゴブリンを潰すことができる。

 手を汚さないためのものと思えば無駄ではないはずだ。

 さて、時間が時間なのでもう探索は効率が悪い。

 大人しくここで寝泊まりすることにして、安全に眠れそうな場所を探す。

 一応目星は付けており、略奪中に見つけた家具屋に現在は向かっている。

 店の中は基本天井が高いので、俺でもちゃんと屈めば入ることはできる。

 リュックを降ろし、ベッドやマットを集めてこの体でも横になれる寝床を作るとボロボロの家具で入り口にバリケードを作る。

 俺は作った即席のベッドに体を横たえると静かに目を閉じた。

 



 ショッピングモールからおはよう。

 気がつけば明け方なので、間違いなく眠っていたと思われる。

 暗くなってそれほど時間は経っていなかったので結構な時間眠っていたことになる。

 このことからある仮説が浮上した。


(まさかとは思うがこの体、眠気も空腹も喉の乾きも感じないだけなんじゃないだろうな?)


 だとしたら徹底した自己管理が必要というなんとも面倒な体となる。

 可能性としては考えてはいた。

 だが本当にそうであった場合、この体の適量などわからないので本当に面倒くさいことになる。

 取り敢えず当面は少し食事の量と水の量を増やすことにして、現在の手持ちを確認する。


 干し肉:多分あと300gくらい

 水:なし


 探索よりも狩りの必要性が出てきた。

 水は下水道の水を煮沸するとしても、できれば飲みたくない。


(いっそ昨日集めた物から情報を得て川に向かう方が良いかもしれない)


 時間に余裕がないとは思えない。

 そもそも集めた雑誌や新聞紙は逃げないのだから焦る必要はない。

 ならばここは一度補給である。

 一部の嵩張る荷物を置いて東へ向かって走る。

 改造リュックの具合を確かめるにも速度を少しずつ上げていくが、何事もなく川へと到着。

 これで帰りも問題ないならば大丈夫だろう。

 川に入って体を洗い、水を飲んで魚を捕る。

 適当に絞めて今食べない分をクーラーボックスに入れ、火を起こし魚を焼きつつ鍋に入れた水を煮沸する。

 川の水は飲料水として使用できるので、そのまま瓶に入れるが念の為に煮沸した水を一つ用意しておく。

 焼いた魚を塩っ辛い干し肉で食べると軽く腹ごなしに体を動かす。

 最初に比べれば確実に体が動くようになってきており、尻尾も問題なく動かせるようになってきている。

 尻尾の太さと可動範囲の都合上、物を持つことはまだ難しいが叩きつけるのは上達している。

 いずれは尻尾で物を掴んで投げるとかできるようになりたいものだ。

 少し遅めの朝食を終え、水の補給も完了したのでショッピングモールの簡易拠点へと帰還する。

 森の中の走行も着実に慣れてきており、6割くらいの速度でなら問題なく駆け抜けることができている。

 おかげで昼過ぎには戻ってくることができた。


(この巨体でこの速度は反則だよなぁ……)


 おまけに休憩なしで3時間以上走り続けてほぼ息切れなし、という化物染みた体力もある。

 最早ご自慢のスペックとなりつつあるが、今回は頭脳労働だ。

 集めた雑誌、新聞紙から当時の情報を読み解いていく。

 欲しい情報は少ないがわかったことは幾つかある。

 まず一つ目、戦争に関してだが……やはりというべきか戦況はかなり悪化していたようだ。

 特に西側の戦線は作戦の失敗が引き金となり、前線基地が崩壊していたと見るべきだろう。

 情報の統制は行われていたと考えれば、それよりも酷い状況も十分考えられるのだから、やはりエルフはかなり手強い相手だったということだ。

 内側の都市の避難状況などが少し書かれているので、幾つか街が陥落していた可能性がある。

 対して北と東は硬直、南に至っては優勢を維持していると書かれている。

「本当かね?」と疑問に思うので、一段か二段は下げて考えておこう。

 次、二つ目……あまり重要ではないが、やはりというべきか「遺伝子強化兵」に関しては何もみつからなかった。

「新兵器を導入」すら見つからなかったので、俺の存在は隠蔽されたまま戦争が終わったと見るべきだろう。

 そして、最も重要なのがこれ――日付だ。

 帝国暦1667年5月以降の物が一つもない。

 念の為にもう一度探索に行った。

 その先で見つけたものの中にも見つけることができなかった。


(これではまるで――)


 そしてようやく見つけた最新の記事――帝国暦1667年5月25日の日付の新聞には「最終兵器の投入を決断」の文字。

 嫌な予感しかしないのは、俺が生粋の帝国人だからだろうか?

「祖国よ、お前さんもしかして本当に自爆しちまったのか?」と誰に聞かせるではなく呟く。

 一人空を見上げてガオガオ呟きつつも、未だ確証が持てない俺は日が暮れるまで探索を続けた。

 だが、それ以降の日付の物は見つけることができなかった。

 恐らく、ここではもうそれ以上の情報は手に入ることはないだろう。


(確証を得るのであれば、他の都市――いや、帝都ですべきだ)


 俺は今後の目的に一つ追加した。

 やることがあるうちは、きっと狂わず生きていけるだろう。


おまけ:現在所持品

魔剣 着火用魔法道具×4 鍋×2 瓶×5 スコップ ブルーシート 鉄板 魔法薬×3 2種

装備品:スレッジハンマー 


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― 新着の感想 ―
[一言] とりあえず、ここはアメフトのヘルメット被ってて欲しかった。あと、両手に火箸(ゴミ拾いの時の金属の奴)。
2021/04/05 12:54 退会済み
管理
[気になる点] ブルーシート風化してないの?
[良い点] やることがあるて大事よね [気になる点] チンコは垂れ下がっているのだろうか、総排泄孔に収納されてるんだろうか [一言] パンツ探さない文明人
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