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そんな訳で始まった魔法の授業。
基礎的な知識は頭に叩き込まれており、後は魔力を知覚すれば魔法を使うための前提条件はクリアされるというのが6号さんの見通しである。
そして問題なのが正しく「魔力を知覚する」という部分である。
「理屈よりも体感した方が早いのかもしれませんね」
一向に前に進まない俺を見かねてか、顎に指を当てた6号さんが困り顔で提案する。
どうやら彼女からすれば予想外の停滞らしい。
エルフからすれば子供でもすぐにできるようになることのようで、俺も申し訳なく思う所存であります。
まず初めにやったことは6号さんが魔法で風を俺の体に吹き付ける。
心地よいそよ風に思わず目を瞑る。
だが魔力らしきものを感じることはできず、俺は静かに首を横に振る。
「では次は――」と6号さんが指先に明かりを灯す。
ダメおっぱいも使っていた魔法だが、日中の雲の少ない青空の下ではそのサイズが少々計りにくい。
それでも大きさが違うのがわかる。
具体的に言えば、野球ボールとピンポン玉くらいの差がある。
それはさておき、早速宙に浮かぶ光球をにぎにぎしてみる。
首を傾げつつも指を突っ込んだりと繰り返してみたところ、本来であるならば触れるものなど何もないはずの光の玉の中に、僅かではあるが抵抗のようなものを感じた。
俺は「がっ」と小さく声を出し、6号さんが出している明かりを両手で弄繰り回す。
注意深く、そしてねちっこく探りを入れた後、メモ帳を取り出しささっと一言。
「何かある」
俺の言葉に6号さんが笑顔で頷く。
どうやらこれが魔力というやつのようだ。
しかし一歩進んだとは言え、まだまだ注意深く触れなければわからないという微々たるもの。
0が1になったことは喜ぶべきことだが、この程度で満足してはいけない。
お次は実際に体内にある魔力を感じるというものだが、当然の如く俺が躓いた。
こちらは予想通りだったようで、6号さんは俺の指を掴むと念じるように目を瞑る。
するとどうしたことか、ただ指を掴まれているだけだというのに違和感を感じるようになる。
指先から何かが這っている――いや、流れ込んでくるような感触がある。
「これが魔力か」と俺は必死にその流れを感じ取り、俺の指先にまとわりつくそれを記憶する。
「どういうものかわかりましたか?」
そう言って6号さんが一度手を放すと、俺は黙って頷いた。
後は俺の中にある魔力を探すだけなのだが……見つからずしばらくうんうんと唸っていたところ、ついに何かを感じ取ることに成功した。
体内にあるそれに意識を向け集中する。
大きさや形、量などを様々な角度で感じ取る。
そして出した結論がこれだ。
(……少な! 俺の魔力めっちゃ少な!)
先ほど比較対象に用いたピンポン玉サイズの球形に近い何かが俺の中には眠っている。
その旨を報告したところ、サイズは関係ないとのお言葉を頂いた。
「その球体を紐解き、全身に巡らせることができるようになれば、魔法を使う準備が整います。もう少しですよ」
笑顔の6号さんはやはり眩しい。
ともあれ、この丸い魔力をどう操作したものかと力んだり手を合わせてみたりしたものの、干渉する手段が思い浮かばない。
なのでヒントを貰おうと6号さんに助けを求める。
「何処にあるのかわかっているなら、まずはそこに意識を向けることです。そして自分の意思で動かそうとしてみてください」
アドバイス通りに体内で感じた球体の魔力に意識を向け、解くイメージでうにうにする。
集中するために腰を地面に下ろし、しばらくうにうにとゆすったりシェイクしたりと目を瞑って集中していると、魔力が動いた気がした。
俺はカッと目を見開き立ち上がり……勘違いであったことに気が付いてゆっくりと座った。
そして再び瞑想状態に戻って魔力の玉をうにうにうにうに……していたら唐突に閃いた。
(意識を向けて、自分の意思で動かす……つまりこの球体を自分の一部と認識すれば?)
自分の手足を動かすように、この体内で感じる魔力を操作する。
目を瞑ってしばし集中。
神経を研ぎ澄ませていると次第に声が俺の耳に入ってきた。
どうやら五感が鋭くなっていたらしく、その声が徐々にはっきりとしたものに変わっていく。
「ちょっと、何アレ? まさかあいつ魔法使おうとしてんの? あのゴツゴツ脳筋モンスターが魔法とかウケるんですけどぉ?」
そして追加で聞こえる「あ、もしかして一発芸?」という言葉の後に続く下品な笑い声。
屋敷の中にいるのでその声は6号さんに届いておらず、集中が乱れる俺を横から首を傾げて見ている。
取り敢えずあのダメおっぱいは後で剥いて唾液塗れにしてやるとして……今はこちらに集中だ。
聴覚に意識を向けないようにして、体内にある魔力の球体を自分の一部と認識。
体の一部を動かすイメージで干渉を試みる。
(そうだ。自分になかった部位――尻尾を動かした時と同じように、なかったものを新たに自在に動かせるようにすることなんて既に経験済みなんだ)
焦ることはない。
成功例とイメージはたった今できた。
笑い声は聞こえない。
「これだ」
そう小さく口の中で呟く。
魔力の球を解き、細い細い紐状へと延ばす。
血管が体内を張り巡らされているように、その紐をさらに細くして全身へと巡らせる。
「おめでとう」
完成――そして祝福の言葉。
俺は大きく頷き、それと同時にダッシュする。
目指すは場所は決まっている。
驚く6号さんを無視して、窓から身を乗り出していたそいつに向かって地面を気遣いつつ走る。
向かってくる俺に気づいたダメおっぱいが慌てて身を引っ込めるももう遅い。
(相変わらず鈍い! そして遅い!)
窓の一部を破壊しつつ、掴んだダメおっぱいを引きずり出す。
「やめろー!」と足をバタつかせてめいいっぱい抵抗した後、抜けることができないと悟ると今度は「あ、あれ? もしかして聞こえてた? 冗談よ、冗談」と媚びた笑みを浮かべる。
俺はせめてもの情け、とのっしのっしとダメおっぱいを掴んだまま少し移動し、向きを変えて屋敷からは見えないように位置を調整してやる。
そして掴んだダメおっぱいを地面に下ろし、その肩に両手をセット。
位置は完璧だな、と俺は満足気に頷くと、それを勘違いしたダメおっぱいが俺の腹部に拳を当てる。
「なによもう、驚かせないでよー。大体私とあんたの仲なんだからあれくらいの軽口――」
言い終える前に俺の両手が下に落ちる。
同時にダメおっぱいの服が引き裂かれて下にずれ、自慢の大きな果実がぶるんと揺れて飛び出した。
「は? あ、え?」
流石はダメおっぱい……状況の認識が遅い。
なので悲鳴を上げる前に罰を与える。
俺は両手でダメおっぱいの腕ごと持ち上げ、抵抗手段を奪いながらその顔面を大きな舌で舐め上げた。
まずは顔を唾液塗れにして口を開けられないようにする。
そしてお待ちかねの本体舐りタイム。
俺の舌が柔らかく、弾力のある大きな乳房を舐め上げ、そのまま顔まで行ったところで往復を開始。
舌で乳が持ち上がり、形を変えて重力に従い落ちる。
それを繰り返しながらも、様々な形へと変形するダメおっぱいの本体は、唾液塗れになってぬらぬらといやらしい光を放っている。
じっくりねっとりと上半身の前面を舐め上げられたダメおっぱいの拘束を解き、地面に下ろしてやりきった風に額の汗を拭う仕草を見せる。
これにて刑罰は終了――実に楽しい一時だった。
なお、ダメおっぱいはというと乳を出しっぱなしのままゆっくりと顔面の唾液を手で拭いとっている。
次に大きな胸についたものを取り、破れた衣服でどうにか肌を隠す。
そして無言で繰り出される弱パンチ。
本人的には全力なのだろうが、そのひ弱な体ではダメージは0だ。
案の定殴った手を痛めて蹲るダメおっぱい。
俺はそんな姿を見て「がっがっ」と笑い勝ち誇る。
最後は二人揃って6号さんの前で正座をさせられていた。
俺は窓を破壊した罪で……ダメおっぱいは猥褻物陳列罪で。
物を壊してしまったので叱られるのは仕方がないが、隣にいるダメおっぱいが喧しい。
なので、隙を見て尻尾で破れた服をずらして再び露出させてやると6号さんから怒られた。
解せぬ。
(´・ω・`)次回こそ主人公が魔法を使うよ




