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(´・ω・`)エロがあると書くペースが早くなる。

 剣と荷物を片手に持って、向かった先は川。

 距離が然程ないことから何事もなくあっさり到着するや否や、荷物を置いて手足を洗い、取り敢えず気持ち悪さだけはなくなった。

 気の所為だろうけど、まだ何か付いてる気がするのだからこういう言い方になるのはやむ無し。

 手足をブラブラとさせ水を払い、置いた荷物の元へと向かいお待ちかねの物品判定。

 背嚢を開け、まず取り出したるはこの干し肉。

 思わず一つ味見と齧ると、何とも言えない塩っ辛さが口の中に広がる。

 やはり肉体を酷使するハンター業なら塩分は必須のようだ。

 久しぶりの塩分に俺の体も喜んでいるのではないだろうか?

 次に見つけたのはガラスの小瓶。

 青色の液体が入った物が3本に、緑色のドロリとした液体が入った物が2本あった。


(おお、これがポーションというやつか!)


 実は実物を見たのはこれが初めてである。

 帝国は魔法関連が禁止でこそないものの、当時は戦争真っ只中であったことから禁制品のような扱いだった。

 そのため民間には全くと言うほど縁のない代物となっていた。

 魔法国家との戦争自体は俺が生まれた後の話なのだが、科学技術の飛躍的な発展により国力が周辺国と比べて抜きん出ていたことから外交関係が大きく悪化。

 この辺りから魔法関連の品物が手に入りにくくなっていたそうなので、親の世代でもポーションの現物を見たことがある人は少ないだろう。

 しかしながらこの二種類にどのような効果があるのかは残念なことにわからない。

 モンスターとなった自分の体に使っても大丈夫なものなのか少々不安ではあるが、いざという時の手があるとないとでは大違いなので大切に持っておこう。

 他には目ぼしい物はなし。

 包帯等の医療品と思しき物や何かよくわからない物はあるが、持ち歩くということは外で活動するには必要なものと思われる。

 追々確認をしていくことにして、最後はこの両手剣――ツーハンドソードではなく、長さ的にはバスタードソードだ。

 これ、持ってみればわかるのだが、人間用に作られているので俺の手には小さすぎて使いにくい。

 取り敢えず適当にブンブン振ってみたが、長さが全く足りていない。

 サイズ的にミニチュアの剣を振ってる感が否めない。

「武器として考えるのはよそう」という結論が即座に出るくらいには扱いにくい。

 そもそもこの拳に勝る武器などそうそうない。

 俺は剣の刃の部分に拳をカンカンと打ち込む。

 帝国発の遺伝子強化兵のこの甲殻のような硬い皮膚に覆われたこの体――ただの鉄の塊で傷付くことなどあるわけがない……と思っていたがちょっと切れていた。

 爪を滑らせるとちょっと引っかかるくらいには拳に傷が付いている。

 これには俺もビックリだ。

 それでじっくりと観察してみたところ、この剣がただの剣ではないことがわかった。

 そう、所謂「魔剣」という奴である。

 ゲームなどの創作物ではよく見かけたものだが、まさか現物を拝む機会があるとは思わなかった。

 幾つか実験した結果、どうやら「切れ味が鋭くなる」とかそんな感じの能力を持っていると判明。

 詳細は流石にわからないが多分正解だと思う。

 これならばナイフの代わりとして非常に有用なものとなる。

 使えないなら処分しようかとも思ったが、捨ててしまうのももったいないし、かと言って今更返しに行くのも格好がつかないので、丁度良かったと思っておこう。

 ちなみに俺が人間だった頃の魔剣は非常に希少価値が高く、作成に年単位で時間がかかる代物であった。

 国ごとに作成の手順やらが異なるらしく、帝国でも技術研究のために集めていたと記憶している。

 現代の技術ではどうなっているのかは定かではないが、少なくとも貴重な物であることには違いない。

 つまり、あのおっぱいさんは俺が一番高価なものを持って行こうとしたから止めようとしていたとも考えられる。

 というかその可能性が高い。

 ハンターのような装備品が命や稼ぎに直結する職についている以上、そこを妥協するのは三流のやることだ。

 これがどれほどの価値があるかはわからないが、彼女たちにとっては一財産であったことには違いない。

「やっちまったなぁ」という後悔の念がこみ上げてくる。

 これはもしかしたら少々対価を頂きすぎたのかもしれない。

 一応……というより間違いなく俺は彼女達の危機を救った。

 場合によっては友好的な関係を築くことができた可能性もあったのだが、これでは潰えたと見るしかない。

 今はもうモンスターなのだから人間関係など考える必要はない……ないはずなのだが、思うところはある。


(いや、だってさぁ……あんな凄い巨乳美人と良い関係とか、人間だった時にもなかったのよ?)


 たっぷりと生乳を拝ませて頂いたわけですが、今思い出しても相棒がうんともすんとも言ってくれない。

 悲しい現実を思い出し、俺は大きく溜息を吐く。


「ガッハァァァァ」


 この声を聞く度に気落ちするようになりつつある。


(やっぱりさぁ、元々人間なわけだから、モンスターになっちまったら戸惑うことは多いし、色々と諦めきれないものがあるんだよ)


 例えばゲーム――まだクリアしてないものもあったから続きをしたいし、シリーズものの続編だってやりたい。

 漫画や映画にしてもそうだ。

 人気シリーズや愛読しているものの続きが知りたい、見たい。


(ああ、そういうことか……)


 なんてことはない。

 今の俺には生きる楽しみがないのだ。

 まあ、帝国人として文明的な暮らしから一転、この大森林でサバイバル生活である。

 人間楽しみもなく生きていくのは辛いことだ。

 ましてや俺は帝国の文化を知っている。


(今の俺の楽しみ――)


 この体とこれからも付き合い続けることになるならば、望遠能力を生かした覗きなんかもやってみたい。

 この時代の風呂事情など知らない上に、どうやって街へ入る気なのか自分を問い詰めたい。

 真っ先に思い付くのが「覗き」とか俺の頭はどうかしているのだろうか?

 もしかしたら俺は無意識に様々なことを諦め、妥協点を探しているのかもしれない。

 だとしても、これはない。

 そもそもこの図体である。


(デカイから目立ちすぎるんだよ。隠密行動なんて透明人間……いや、透明モンスターにでもならんと無理だ……ろ?)


 何がきっかけかは言うまでもなく、今一瞬自分の体が透けたような気がした。

「これはもしかして」と思った時には確認していた。

 俺、擬態能力あります。

 しかもかなり高性能――石と草の上に手を乗せて擬態を発動させたところ、それはもう綺麗に手の甲の色が分かれた。


(何これぇ? 凄いを通り越してちょっと気持ち悪いんですけどぉ?)


 気持ち半笑いの実験の結果、擬態できる色に限界があるかどうかはわからないものの、極めて精巧である上に全身の色を変えるために必要な時間は凡そ5秒ほどと判明した。

 ちなみに尻尾の先が一番遅く、尻尾を除けば3秒あるかないかの速度である。

 何というか、海に生息しているとある生物の能力を取り入れたのではないかと思える高い擬態能力である。

「あの生き物の遺伝子が入っているのかぁ」とちょっと見た目グロテスクなイメージがあるだけに少しばかりモヤッとする。

 取り敢えず改めて冷静に考えて「生き甲斐が女湯の覗き」はないと思う。


(考えても埒が明かないな)


 そろそろおっぱいさん達も基地跡から出ているだろうし、戻って探索することにしよう。

 というわけで早速この擬態能力を試しつつ、荷物を持って隠密行動を開始。

 すると少し進んだ辺りで音がした。

 流石の聴力であると思いつつ、体を伏せて荷物を草むらに隠すと気配を消したような気分でそっと様子を見る。

 すると血塗れの服をまとったおっぱいさんと破れた服をベルトで無理矢理縛った少女の姿が見えた。

 少女は肩を借りながらもゆっくりと歩き、それに合わせて少ない荷物を背負ったおっぱいさんが折れた杖を手に進んでいる。


(なるほど、死亡したメンバーの服を拝借したのか)


 ほとんど全裸に近い状態だったおっぱいさんは自分の服を諦め、仲間から剥ぎ取ることを選択したようだ。

 とは言え無事な衣服は少なく、サイズも合わないのであのような不格好になってしまっており、下半身に至っては服を巻いただけとなっている。

 拡大して見たが恐らくノーパン。


(ロングブーツに下着なし。位置的にチラリと見えなくは……駄目だ見えない)


 どうやら今から川を渡るらしく、靴を脱いで背嚢に乗せると足場を確認しながらゆっくりと侵入する。

 肩を貸しているおっぱいさんは流れに足を少し取られはするが、浅い部分をしっかり通って無事に二人共向こう岸に順調に進む。

 川幅が10m以上あるので深いところは結構深く、見ているこっちは少しばかりハラハラさせられる。

 途中おっぱいさんの腰に巻いていた衣服が流されてしまったので、水の中ではお尻が丸見えの状態となっている早く渡ってください。

 俺の彼女達の無事を願う祈りが通じたか、何事もなく二人は川を渡りきった。

 おまけに結構体力を消耗しているらしく、その場で両手を着いてしばし休憩。

 俺からすれば膝下の深さだけど、人間の女性だと腰の上辺りまである。

 その上、人一人を支えながらの川渡りなのだから、体力を使い切るのも致し方なし――と頷きながら望遠能力でガン見する。

 擬態能力に制限時間がある可能性もあるので、しばらくは使いっぱなしで様子を見なくてはならない。

「これは仕方のないことなんだ」と自分に言い訳をしつつ、じっとおし……二人を見守る。

 無理そうなら助けに入るつもりだったが、どうやらその必要はなかったようだ。

 少女が先に立ち上がり、ベルトで縛っていた法衣を脱ぐとおっぱいさんに手渡す。

 なお、少女の方は比較的無事だった肌着をチューブトップのように巻きつけていた。

 濡れて透けていたので横からではなく正面から見たかった。

 その後、少しだけ休憩していた二人は靴を履いて立ち上がると東の方に向かって歩き出した。

 その後ろ姿をしばし見守り、彼女たちの周囲に何か生き物はないかを少し探る。


(……大丈夫、だよな?)


 少なくとも見える範囲、臭う範囲にゴブリンはいない。

 しばらくついて行こうかとも思ったが、彼女らはハンターである。

 下手な同情からの行動は禁物。

 そもそも今の俺はモンスターなのだから、それは彼女達の誇りを傷付けることになる。

 俺は対岸から彼女達を見送ると、予定通り基地跡へと向かった。

 然程距離はないので俺の足ならすぐに到着したのだが、まだ擬態能力を続けることができている。

 もしかしたら制約なしに使える能力なのだろうか?

 能力はさておき探索である。

 少々ゴブリン臭いので手早く、効率的に進めていきたい。

 そんなわけで一時間ほど探索していたのだが、見事なまでに何もなかった。

 そして気が付いたら擬態が解けていた。

 夢中になって解除される瞬間を逃してしまった上、再度擬態を試みるも反応がない。

 どうやら使いすぎたのでしばらくはクールダウンが必要ということらしい。


(なるほど「乱用はできない」と……)


 心の中でメモをしつつ室内だったと思われる天井のない部屋を探る。

 机は既に引き出しは開けられており何もなく、木製故に腐敗している。

 壁にはポスターでも貼っていたのか、その痕跡が見られる。

 そしてコンクリートの床――音に違和感を覚え、その周囲を爪で叩く。

 金属音に「アタリだ」と俺はニヤリと笑うが、実際はそんな気になっているだけだ。

 どうやら何か仕掛けがあるようだが、そんな物は俺の力でこじ開ける。

 引っ剥がされた金属板の先には梯子と暗い空間――地下室発見である。

 恐らくまだ盗掘されていない未開封の隠し部屋ともなれば、期待も高まるというもの。

 さあ、本日の最大の成果とご対面だ。



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― 新着の感想 ―
[一言] バイオのハンターやん
[一言] なろうでここまでエロスを掻き立てられるとは…なかなかやるな(๑ ิټ ิ)ヘヘッ
[一言] やりたい事と考えて真っ先に覗きってwww サイテーな主人公だな! ……まあ、わからんでもないが。
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