第46話〜店主と天使の初詣〜
それではどうぞ!
「人多いね〜」
「まあ1日だしその辺は仕方ない。…っと、俺の手を離すなよ彩月。はぐれたらめんどくさい」
「うん。絶対離さない。」
はぐれると合流までがめんどくさい+今の着物を来た彩月は可愛いというか綺麗すぎると言うか、とても人の目を引く見た目をしてるからな。100%ナンパされるから阻止しないと。
「せっかく怜侑くんと来てるのにナンパなんてされたくないから、しっかり守ってね…?」
「分かってる。…ほんとに離れんなよ?」
そう言って参拝の列に並ぶ。…30分ぐらいか?長いのか短いのか。
「ねぇ、あとでおみくじ引かない?」
「そうだな、新年の運試ししようか。ついでにお守りも買ってこうかな…」
「私も買おうかな。」
そうこう色々話をしてたら俺達の番が来た。
5円玉を投げて(ご縁がありますようにっていう意味がある)手を合わせ、祈る。そうだな……
お店が繁盛しますように…って言うのもいいんだけど、それは自分でなんとかするべきことなのと他に祈りたいことがあるのでそっちを優先することにする。
彩月と俺が健康で居られますように…っと。健康が第1だしな。
「よし、いくか」
「うん。…なにお願いしたの?」
「ん?普通だよ。俺と彩月が健康で居られますようにって」
「私もなんだ。…怜侑くんらしいなぁ。お店の事お願いしなかったの?」
「そっちは自分でなんとかするべきかなと。…彩月はなんてお願いしたんだ?」
「今叶えたい願いって、私ひとつしかないし…」
その答えで分かってしまった。…意識して恥ずかしくなる前に話題を逸らす。
「そうだ、おみくじだったな。…引いてくか。」
2人分支払っておみくじを引く。ふむ、中吉か。普通だったな。
「私も吉だった。…そんなにいいことは書いてないね」
「それは俺もだな。結んでくか。」
「前から思ってたけど、結ぶって何の意味があるの?」
「木々の生命力にあやかって願いが結ばれますようにとかだったかな?確か。そんなもんだったはず」
そう言っておみくじを枝に結んだ。さて、あとはお守りだが…
「なんのお守りにしようかな。」
「健康か安全じゃない?私はもう買うの決めてるから…」
そう言ってお守りを買って行く彩月。早いな。
んー、そうだな…無難に健康にしておくか。
「…っと、ちょっと会計別々だっただけではぐれんのか。さすがは人だかり…いたいた。」
本当に少しだけだったんだがそれでも絡まれる彩月。容姿がいいからああなるよな…にしても、乱暴に彩月に迫るのはいただけない。
「いいじゃん、ちょっとぐらい。」
「彼と来てるので他の男と遊んでる暇なんてありません。消えて下さい」
「彼氏と遊ぶより俺らとの方が楽しいって。ほら、行こうぜ?」
「ったく…離れんなって言ったろ」
「あ、怜侑くん。…ごめんね?邪魔になるかなって」
「おい、てめぇ」
「あ?うるせぇんだよどチンピラ。誰の女に手出そうとしてんだ?」
「……っ」
できうる限りドスの効いた声を出し、殺すぞてめぇという意志を込めて睨みつける。…本当にそんなことはしないよ?ただ彩月を怖らがせ他奴らに容赦するつもりもない。
「す、すみませんでした。」
そう言いながら退散していくナンパ男を見送って、彩月の方をむく。
「ごめんな、彩月。…怖かったろ?」
「ううん。怜侑くんが助けてくれたし…嬉しかったしかっこよかったし…」
「そうか?…そんなにかっこよかったかね」
「好きな男の子が守ってくれただけでかっこよく見えるの。」
「なら良かったけど…人目がやばいからそろそろ逃げようか?」
え〜…もうちょいこのままがいいなという彩月に帰ったらいくらでもしてやるからと声をかけてその場を退散する。…たく、あのチンピラ共め…
「彩月」
「なに?」
「…帰る前に、ちょっと寄り道していいか?」
新作、64位と順位を上げていてそんなことある?とリアルに声が出ました。嬉しいですね。とはいえこちらもしっかりかきますよ!
それではまた次のお話であいましょう




