第43話〜恋人みたいに〜
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それではどうぞ!
「これとこれ、どっちがいい?」
「ん〜…右かな。」
わかった、と言って左のものを返しにいく彩月。
そう、今俺たちは買い物に来ている。…正確には服を、だな。
にしても前に来た時も思ったが毎回毎回これは?とか似合うと思う?とか聞かれるし、その度に真剣に考えなきゃならないからちょっとだけ疲れる。
まあ、楽しそうに選んでる様子を見るのは見ていて楽しいからいいんだけど。…ん?あれは…
「着物か…そういや俺の持ってる着物、サイズ合わないから正月に着るんなら買わなきゃなんだよな〜」
どうしよう…と悩んでいると彩月が戻ってきた。
「おまたせ〜って、何見てるの?」
「ああ、おかえり。今持ってる着物がサイズ合わないから買わないと正月着れないんだ。だから悩み中。」
「どれがいいかで悩んでるの?…んー」
そう言って真剣に俺に似合いそうなものを選んでくれる。
「これとかどう?」
そう言って選んでくれたのは鯉の絵柄が描かれた紺色の着物だった。
「ちょっとサイズの確認をしてみる。…すみませ〜ん」
店員さんに声をかけて着付けてみる。…うん、サイズは大丈夫だな。よしこれを買おう。
「あ、どうだった?」
「ああ、サイズバッチリだったから買うよ。…どんな姿かは当日のお楽しみだな。それより、彩月は着物大丈夫なのか?」
もし欲しいなら買うけど…と声をかけると微笑みながら
「私はもう既に買ってあるから大丈夫!」
そう言う彩月にそっか、楽しみだなと声をかけて手に持っている服を受け取りお会計に向かう。
「もう。そうやってすぐ…」
「嫌じゃないんだろう?」
「誰にでもやっちゃだめだよ…?」
「頼まれても彩月以外にはやらんよ。そもそもそういう人もいない。」
そっか、ならいいの!と笑顔になる彩月を見ながら心が暖かくなる俺だった。
さて、次は…どこ行くんだろう?
「…なるほど確かに、エプロンか。」
「うん。忙しくて行けなかったからさ、今日かっちゃおうとおもって」
「わかった。洗い物とかで服濡れさせてしまってるの、凄い申し訳ないしな。それにもうそろそろちょっとした料理はしてもらおうと思ってたし」
「そうそう。どれがいいと思う?」
「まあ店で使うんなら物がいいやつの方がいいんじゃないか?」
あんまり可愛いの、客に見せたくないと言う思いもちょっとだけある。
「そんなに心配しなくても私は取られないよ?…でもそっか、そういうことならわかった。」
と、さりげなく心を読まれたことに動揺しないようにしつつ彩月につけて欲しいエプロン(可愛いやつ)も選ぶことになった俺だった。
その後はご飯を食べ、彩月の必要なものと当面の俺たちの食料を購入して帰宅した。
「ありがとうね、今日は」
「いや、買い物に付き合っただけだしな。…ほんとに良かったのか?」
「だってこういうの、恋人っぽいでしょ?」
怜侑くんに好きになってもらわないと困るしねと言われて少し恥ずかしくなる。
これは誕生日まで持たないかも、なぁ…。もうそろそろ、自覚しないとダメかもしれない。
「ほんと、彩月は強いな…」
「何か言った?」
「この後何する?って聞いたんだよ。」
んーとね、テレビでも見ながらダラダラしようかな〜ってと答える彩月にじゃあ何かつまめるものでも用意してくると声をかけてその場を離脱する。
その後平常心に戻るまでに少々時間がかかったのは言うまでもない。
そろそろ自覚しますね〜怜侑くん
それではまた次のお話であいましょう




