第42話〜釣りと映画〜
それではどうぞ!
「ねぇ見て見て!釣れた釣れた!」
「おう、おめでとう。…っと、メバルか。」
棘等に触らないよう(危ないので)注意をして、針を外す。サイズ的にリリースはしなくても良さそうだ。
「メバル?って食べられるの?」
「美味しいぞ。ただ、寄生虫だけ気をつけなきゃならない。ま、うちならなんとでもなるが。…彩月、今からちょっとグロいことするから目を塞いでろ。」
神経締めしないとだからね。言われた通りに目を瞑るのを確認したあとさくっと神経締めを行った。
「もういいぞ。」
「やった!…これ、今日の夜ご飯かな?」
「こいつにはアニサキスが寄生するから、マイナス20℃以下で24時間以上冷凍するか、60℃に加熱を1分で殺せる。煮付けなら大丈夫だろうが刺身で食べるなら1日は待たなきゃならん」
「じゃあお煮付けかな。」
「りょうかい。帰ったら食べようか、美味しく作ってやる」
彩月にアニサキスを食べさせる訳には行かないのでしっかり、しっかり作る。
「お、また釣れた!…けど小さい?」
「それメバルの子供だな。触るなよ?」
毒があるから絶対にさわるなと強く言い聞かせて棘に触らんようにして、リリースする。ちなみにメバルの方にも弱い毒はあるので気をつけるように。
「ん、かかった。…お?まさかのカサゴか。」
「わ、なにそれ?」
「カサゴだ。…確かこいつもヒレに毒あったような気がするから気をつけろ。まあ、こうやってハサミで切っちゃえばいいんだけど」
「毒持ってるのばっか釣れるね…美味しいの?」
「唐揚げ、煮付けとかが有名なやつだな、美味いぞ。…何食べたい?」
唐揚げがいいな!と答えたのでこいつは唐揚げ行きだ。
…時間を見るとそろそろいい時間なので、彩月に行って釣りを終了する。結局釣れたのは2匹だけだったが彩月は楽しんでくれたみたいだからよかった。
「ただいま〜」
「もうすっかり俺の家の住人ですなぁ…ただいま」
結局色々なスポット(まあ主に景色だが)を回ってたので帰ってきたら10時になってた。さて、飯をば作りますか。
「お腹空いたし早速作るかな、やりたいことがあるならやっててもいいぞ。呼びに行くから」
「見てるよ。作り方覚えたいし」
と言うので、煮付けと唐揚げの制作に入る。…って言っても、ただ本当に他のと作り方は変わらんので特に説明することもない。
そんなわけで40分ぐらいで作り終わった。
「いただきます。…美味しい!」
「そりゃ何より。自分で釣ったものだし尚更か。」
「それもだけど、怜侑くんが調理してくれたし。」
そりゃ何よりでございます。作って喜んで貰えると何より嬉しいよな。
「昼からどうするかな〜」
「他にしたいことってないの?」
「んー…特に?家でゴロゴロするぐらいかな」
「ほんと、仕事人間って感じだね。…じゃあ久しぶりに映画でも見る?」
そうだな。そうしよう。…うーん、ホラーでも見るかなぁ
「…怖いのは、やめてね?」
「もう!怖いのはやめてって言ったのに。」
「すまん。反応が可愛かったからつい…。機嫌直してくれ」
怯えてるのもかわいかっ…痛い、痛いよ彩月。
「ふーんだ。抱きしめてよしよししてくれなきゃ直りません。」
ハードルが高い。高いけど、このまま不機嫌なのはちょっとな…。俺が悪いし。
そっと彩月を抱きしめて、頭を撫でる。
「ごめんな。…可愛くて、つい。」
「もう、そんなに深刻そうに謝らないでよ。ただこうして欲しいから怒ってみただけなのに。」
「それでも、な。…それからして欲しいなら言ってくれ」
流石に面と向かって抱きしめてなんて恥ずかしいよと言われたのだが、一緒のベッドで寝る(深い意味は無い)のは良くてこれは恥ずかしいってどういうものなのだろうとちょっと思ったよね。
「んで、これいつまですればいい?」
「あと30分ぐらいかな?」
この後30分どころか1時間続いた。ようやく機嫌を直してくれたので気を取り直して怖くない映画を一緒に見た。
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それではみなさま、また次回おあいしましょう〜




