第38話〜眠たい時は甘えん坊?〜
甘え怜侑くんです。
それではどうぞ!
「あの〜彩月さん?同じ部屋で寝るのはともかく、同じベッドで寝るんですか?」
ちゃんと同じベッドで、とは確かに言われたが冗談かなにかだと思ってたので聞き返してしまう。だが彩月は本気なようだった。
「何か文句でもあるの?」
いくらなんでも同じベッドは、と言おうとして踏みとどまった。言う事を聞くと言った以上は逆らえない。
「ほら、早く寝よ?眠いんでしょ?」
眠いけど…仕方ない。彩月が寝たらソファに移動して寝ることに
「それは許さないからね?起きた時怜侑くんが隣にいないと、私泣いちゃうかもな〜」
エスパーだ。エスパータイプがいる。…こうなったらもう覚悟を決めるしかないのかもしれない。
「分かった、分かったから引っ張るな。…ほら、狭くても文句言うなよ。」
そもそもこの状態の彩月に何を言っても勝てないのだ。前に
「いくらなんでも無防備すぎないか?俺が襲ったらどうするつもりだ?もっと自分の体を大事にだな…」
と言ったところ
「いいよ?怜侑くんにならそういうことされても。その代わり後で責任はとって私を貰ってもらうけどね。そもそもそういうのが嫌なら泊まりたいなんて言いません。」
とハッキリ言い返された。その通りだと思ってしまったので反論の余地がなかった。
「ん…怜侑くんの匂い。落ち着く。」
彩月の匂いもいい匂いなんだよな。確かに落ち着く匂い。
「そうか、臭くないなら良かった。」
「明日はなにするの?」
「そうだな、明日と明後日を乗り切れば店は年末年始の休みに入る。とは言え、28と29はお店と部屋の掃除をしなきゃ行けないけど。」
「そうなんだ。正月は何かするの?」
「いや、特に何も予定は無い。初詣にでも行くか?」
「うん!一緒にお参りしよ?」
「もちろん。お餅も食べたいな。」
「美味しいよね、お餅。…ね、頭撫でていい?」
「お好きにどうぞ。」
そう言うと彩月は俺の頭を抱き寄せてよしよしし始めた。…まずい、ねむい……
「寝ていいんだよ〜?ほら、ねむれねむれ〜」
そう言いながら頭を撫でられ、気持ちよくなり眠気がすごく襲ってくる。やばい、ねむ…い…。
ウトウトしていると彩月が撫でてるのとは別の手で俺の手を握ってきたので、握り返しておく。
「…寂しがり屋さんだね」
「彩月に言われたくは…ない…。」
「ふふ、大丈夫だよ〜。どこにも行かないから、私は怜侑くんのそばにずっといるよ」
う…ん…はなれ…ない……
「可愛いなぁもう。…眠くなると甘えん坊になるのかな?」
離れないで、なんて。…可愛い、だめ、ニヤけが止まらない。録音しとけばよかったなぁ。
それに彼の頭を撫でるの、気持ちいいんだよね。うっとりとした表情になるのも可愛いし。
普段はかっこよくて頼りがいがあるのに、ふとした時に可愛いのが愛おしいんだよね。
怜侑くんは、私の気持ちとちゃんと向き合って答えを出そうとしてくれる。いっときの感情なんかに流されないで私の幸せを考えてくれる。
けど、あと少し…あと少しで堕とせそうな気がする。否定されなかったから、というよりむしろ受け入れられそうな感じだったから。
「おやすみ、怜侑くん。…待つって言ったけど、あんまり待たせないでね?大好きだよ。」
そう言って私も眠りについた。…この時夢で見た幸せな光景、実現したらいいな。
ブックマークや評価が伸びるととても嬉しくなるし毎日投稿のモチベになるので…!ぜひ!
それではまた次のお話であいましょう




