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第37話〜覚悟が決まる、その時まで〜

それではどうぞ

『ありがとうございました〜!』


クリスマス当日もかなりの人がやってくる。新しいお客さんも結構来てくれるのだが、やはり大半はカップルが多い。


「疲れたのは分かるけどそんなぼ〜っとしてないで、ほら!さっさと片付けるよ」


「ああ、悪い悪い。先に片付け始めててくれ、精算するから」


は〜いと返事しながら奥に消えていくのを確認した俺は上に上がって着替えを住ませた。時間は…22時、まだ全然間に合うな。


「あれ?着替えたの?…珍しいね」


下に降りるとこちらを見て声をかけてきた。気付くのが早いねぇ。


「彩月、片付け後にしてちょっと付き合って?」


「え?いいけど…わっ。どこ行くの?」


「まあまあ、いいからいいから」


そう言って彩月をバイクの後ろに乗せて、予定していたイルミネーションまで連れていく。さて、喜んでくれればいいけど…



「ねえ、ここって…」


「ああ、まぁクリスマスだし。彩月が好きだって聞いたからどうしても連れてきたくて」


「私ね、好きな人とこうしてイルミネーションなんかを見るのがちょっとした夢だったんだ。」


「好きな人って…」


「わかってるくせに言わせないでよ。…だから、叶って嬉しい」


薄々分かってはいたとは言え、さすがに直球すぎて言葉が返せない。というか普通に恥ずかしい。


「別に、今すぐ答えが欲しいってわけじゃないの。…今は伝えて、意識させとこうってだけ」


その方が好きになってもらいやすいし、という彩月。だが軽い口調とは裏腹に、その目は泣きそうな目をしている。


「だから…わっ」


「そんな目をしてるんじゃねぇっての。」


そんな目をしてる彩月に耐えられなくてつい抱きしめてしまった。ついでに頭を撫でる。


「女の子にこんなことしたら、勘違いされるよ?」


「…彩月の事が嫌いなわけじゃ、無い。むしろ好きなんだろう。けど、もう少しだけ待って欲しい。まだ、ちょっとだけ…」


「私が離れるのが、怖い?…いなくなるのが、怖い?」


「ああ。大丈夫だっていう傍らで、もう何も失いたくないと言う俺もいる。」


「私はずっとそばにいるよ?…でも、怜侑くんの今までのこと考えたら、仕方ないよね。大丈夫、私がそんなことどうでもいいぐらい好きにさせるだけだから」


…いい子だ。凄く情けないが、今はそれに甘えさせてもらおう。

近いうちにちゃんと答えを出そう。


「…そろそろ帰ろ?こんなことしてくれたんだから、覚悟は出来てるんだよね?」


今日はこの後私の好きにさせてもらえるんだからね、と笑いながら言われた。


「わかってる。無茶なこと以外はなんでも聞くよ」


「じゃあ一緒に寝てもらおうかな〜ちゃんと同じベッドで。」


それは勘弁して欲しいけど、断れないなぁ…と言いながら帰宅した。

そろそろくっつきますよっと。


それではまた次回お会いしましょ〜!

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