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第34話〜プレゼント交換〜

それではどうぞ〜!

「で、何を話したの?さあ、言いなさい」


お店が終わり、お客様がいなくなってすぐにこれである。余程話した内容が気になるらしい。だが、話す前に…


ちゃんとデートに誘わないとね。


「その前に、彩月。明日、デートしない?」


デートしない?なんて軽く言ってるように聞こえるが、これでも恥ずかしさを押し殺している方である。


正直な所、何を言って誘えばいいのか分からなかったので直球で行くことにした。


「やっと誘ってくれたね、もちろん。」


「やっとって、やっぱ待ってたのか」


「たまには怜侑くんから誘ってくれないかな、って。」


「俺が誘わなかったらどうしてたんだ?」


「誘って欲しいなとしか思ってなかったから考えてなかった」


万遍の笑みを浮かべている様子を見ると、もう少し早くに誘ってあげれば良かったなと思う。…そうだ、今のうちにプレゼントも渡しておくか。


「彩月、まだイブだけど…はい。クリスマスのプレゼントだ。明日のデートで渡す方がいいんだろうけど…明日は日頃の恩も兼ねて、また別のものを考えてるから。」


「ふふ、楽しみにしておくね。…開けてもいい?」


俺が頷くと丁寧に梱包を解いていく。


「わあ…可愛い!ポーチ?あ、中にもう一個入ってる?わ、キーホルダーだ!」


見つけるのがはやいな。いや、中に入れてたんだから中を見ればすぐ分かるんだけど


「ポーチだけじゃちょっと寂しいかなと思ってさ。気に入らないなら捨ててくれれば…」


「捨てない!!!!絶対大切にする…大切にするもん!」


誰にも取られまい!と大切そうに抱きしめてそう宣言する彩月氏。可愛い。


ちなみに、俺があげたキーホルダーは無難なくまのキーホルダーだが、何となく彩月が好きそうだな〜と目に止まったので買ってみた。キーホルダーなら邪魔にはならないかなって。


「そっか、そんなに言って貰えると嬉しい。」


「大事にするね、ありがとう。じゃあ、私からも渡すね。」


どうやら彩月も俺にプレゼントを用意してくれていたらしい。まさか貰えるなんて思ってないので少しばかり驚いてしまう。


「もう、用意してるに決まってるでしょ?はい」


誰かからクリスマスプレゼントを貰うなんていつぶりだろうか?…2年ぶりかな


中身は……マフラー?紺色の、ってこの感じもしかして…


「ふふ、気付いた?手編みしてみたんだよね!」


「まじか、いやまじか!凄いな…!わざわざ手編みしてくれたのか。…嬉しいな、マフラーは持ってなかったし」


大事に使わせてもらうな、と言うと喜んでもらえて良かったって言ってくれた。こんな素敵なものを貰えると誰だって喜ぶ。…彩月がわざわざ俺のために編んでくれたんだし。


「それで怜侑くん、明日は夕方帰ってきてから開店するなら仕込みどうするの?」


「ん?ああ、それは今考えてた。明日夕方開店ならそれに備えてできることはやっておきたいけど…なんか、クリスマスにデートするなら夜までしっかりデートしたいよなとも思ってさ。」


「休むの?でも、さすがにそれは…」


「前までなら休まなかっただろうな。…今は、クリスマスの日休んでも常連さんは怒らないだろうし、それに…」


「それに?」


「彩月も、大事だからな。お店はもちろん大切だ。けど…」


「わかったから、それ以上言わなくてもいいよ。大事にしてもらえてるんだなって言うのはわかったから、お店開こ?…その代わり、お店が終わった後は私のやりたいことさせて?」


「それぐらいでいいなら、お易い御用だ。」


彩月のそういうところがいい所だよな。俺に気を使ってくれたのかもしれない。…さて、そうと決まればサクッと残りを終わらせて、明日を楽しむとしましょうか。


怜侑くんはご存知の通り、お店が何より大切です。が、同じぐらい彩月ちゃんも大切です。


それではまた、次回のおはなしであいましょう!

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