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第33話〜クリスマスイブ〜

次はデートです。と言っても25日もお店はありますけどね


それでは、どうぞ!

現在、12月24日。クリスマスイブである。


お客さんの具合で言うと、大盛況。忙しいことこの上ない。クリスマスイブだからなのか、カップルがやけに多い。

それから男性一人で来て下さった場合、彩月が口説かれる率が高い。こんな所でも人気なんだな。


あと何故か


「怜侑、もちろん彩月ちゃんをデートに連れ出す予定、あるんだよな?」


「怜侑くん、彩月ちゃん連れてどっか行ってあげなあかんよ?」


「彩月ちゃんとデートどうやった?え?してない?…明日にでも連れていけ」


なんて常連さんに声をかけられることが多かった。まぁ確かにそこまでは考えてなかったけど。


「いらっしゃ…あ!来てくれたんだ〜!」


「もちろん!彩月が働いてるんだからね。」


なんて言ってたら彩月のお友達が来たようだ。こう言っちゃなんだが、ちゃんと友達も大事にしてるようで何よりだ。


「ねぇ、あの人が…?」


「うん。店主の怜侑くん。」


ふむ、どうやら俺のことも見に来たようだ。…っと、こっちはこっちでちゃんと集中しなければ。と言っても、時間的にそろそろ人が少なくなっていくだろうから今いるお客様さえ乗り切れれば忙しさも減るだろう。


「すみません、クリスマスセット2つ!」


「はいはい、クリスマスセット2つね!」



「ふ〜……ようやく忙しいのから開放されたな。」


「お客さん多かったね。…ね、怜侑くん」


「ん?どうかしたか?」


「ちょっとだけ、私の友達と喋ってきてくれない?怜侑くんと話すの楽しみにしてたし…だめ?」


今なら余裕はあるからちょっと話すぐらいなら構わないけど……あんまり同級生と話したく無いんだよな。どうせみんな同じだ。


そんな事を考えてたら彩月にあの子達なら大丈夫だよと言われた。顔に出てたのだろうか、いや最近顔に出てなくても読んでくるからな…。


「…………はあ。サービスの一環だと思ってやってくるか。」


結局、彩月のことを考えると断れないあたり俺は彩月に弱いんだな。


「あ、来てくださったのね。忙しいのにごめんなさいね。」


「いえいえ、お気になさらず。」


とりあえずそう返しておく。こちらからなんの御用ですか?とは聞けないしな。


「やはり、彩月の言った通りでしたか…。」


「?彩月が俺について何かを?」


「ええ、と言っても悪口の類では無いのでご安心を。警戒されているようですし、単刀直入に聞いてしまいますわね。」


ふむ?まあ、話がしたいってことは何か聞きたいことがあったんだろうけど…


「あなた、彩月の事をどう思っていますか?」


なるほど、そういうことか。


「どう、と言われてもな。ただ大切な友達としか言えんよ。今は、な」


これで伝わってくれるだろうか?


「なるほど。満足ですわ、ありがとう。…ところで、彩月をデートに誘いましたの?」


「お前もか…。いや、すまん。やたら今日来る人にそればっか聞かれてな…まだだよ。」


「彼女、イルミネーションとか好きですわよ。…誘われるの、待ってると思いますので…」


忙しいのは承知してますが、ちょっとでいいからお願いしますわと言われた。律儀なやつだ


「誘おうとは思ってたし、そこまで言われたら尚更な。任せておけ。」


「助かりますわ。…そろそろ、彩月の所に戻ってあげてくださいませ。拗ねますわ」


「拗ねるって…まぁ、有り得るのか。」


そう言って戻ろうとした時、彼女は一言


「私は、あなたになら彩月を幸せに出来ると思いますので。」


と言った。お目にかなったのかな。それなら良かったけど



「ね?大丈夫だったでしょ?」


「まあ、そうだな。俺の気にしすぎだったよ。」


「で、何を話したの?」


「今は内緒だ。…後で話すよ。ほら、お会計頼んだ。」


まだお客様がいるのに堂々と話すのはちょっとな。



ではまた、次のお話で会いましょう

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