第26話〜おばあちゃん〜
短めですがどうぞ!
「この人が、怜侑くんの?」
「ああ。…俺のおばあちゃんだ。あ、その写真の下にあるのはおばあちゃんの日記な。こまめにつけてたらしい。彩月なら好きに見てもいいからな。」
「いいの?大事なものじゃ…」
「彩月なら粗末にはしないだろ?見られて困るもんでもないだろうし別にいいさ。」
見たことないの?と聞かれるが、最後まで見ると泣くだろうから見たことはないと言う。我ながら情けない話だ。
「おばあちゃんはな、親に捨てられた俺を引き取って育ててくれたんだよ。」
「…お父さんやお母さんを、恨んではないの?」
「まさか。顔も見たことないし、そもそも恨む価値もない。ただの他人ぐらいにしか思ってはないよ。」
そう言うと彩月が少し悲しそうな表情をする。…強がってると思われたのだろうか。なんともないんだけどな。
「それにおばあちゃんは俺の事をよく育ててくれたよ。他の町の人達だって良くしてくれてた。おばあちゃんは何をするにしても俺を考えてくれてたし、このお店だっておばあちゃんは最後まで継がなくていいからあんたは好きなことをしなさい。って言ってたし」
「きっと、幸せになって欲しかったんだね。自分のやりたい事をやって、好きな人を作って。」
優しい声でそう呟く。
「そうだな。あんたが連れてくるお嫁さんをみてみたかったとは言ってたなぁ…。当時、俺に彼女は出来ないぞって言ったっけ。」
「…おばあちゃんは、なんて言ったの?」
「いつか必ず、あんたをちゃんと見てくれる子が現れる。その時は大事にしなさい。だったかな。彼女かはともかくとしてその言葉は間違ってなかったよ。」
「そうだね。私は、ちゃんと怜侑くんをみてる。ちゃんとね」
「おばあちゃんが優しかったから怜侑くんはこんなに優しい子に育ったんだね。…ね、こっち来て」
「え?」
「いいから来るの。…頑張ったんだね、今まで。よしよし」
別に辛いわけじゃないと言おうと思ったが抱きしめられたため中断された。あと、彩月の目が優しすぎたため何も言えなくなった。
「ごめんね、急に撫でちゃって」
遠慮がちに謝ってくるが、謝る必要は特にない。
「彩月に撫でられると落ち着くし気にしなくてもいい。…ほら、そろそろ映画見ようぜ。おつまみ持ってくるから。」
そう言って俺達は立ち上がり冷蔵庫に移動する。2人で手分けして、一緒に笑いながら映画を見たのだが…
やっぱり、誰かと過ごすのはいいものだと強く実感した。願わくば、こんな日々がずっと続きますように
GW、終わりましたねぇ…皆様はどう過ごしましたか?私はダラダラしてました!(ダラダラしてたのに小説の更新が遅いのは突っ込まないでください)
それではまた次のお話であいましょう




