第25話〜店主様のおばあちゃん?〜
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「だから、ここはこういう風になるの。数学は公式さえ分かっちゃえば簡単だよ?」
「なるほど…つまりこの式は…」
お風呂から上がった彩月先生の指導のおかげか、5つあった課題がたった2時間程で残り1つになった。流石すぎる彩月先生。成績上位は伊達じゃない。
「褒めても何も出ないよ。…というか、確かに私は教えてるけどそれをちゃんと理解して頑張ったのは怜侑くん
自身だよ?つまりこれは怜侑くんの力なのです。」
ちらっ
「彩月の教え方が良いからだな。要点がわかりやすい。」
彩月、近いな…。嫌じゃないが、流石にここまで近いと意識してしまう。お風呂上がり立てなんて直視できないぐらい艶やかだったからなぁ…。その状態で始めよっか?なんて近付いて来るものだから…最初は意識しすぎて集中できなかった。
「んー?どうしたの?」
にやにやしながら言いよって…分かっててやってないか?まあいいけど…
「ふふっ。そろそろ終わりそう?」
「そうだな、この問題で終わりだ。…っと、終わり!ありがとうな」
「どういたしまして。…そう言えば、怜侑くんお風呂入ってないよね?」
「ん?ああ…確かに。入ってくるか。ちょっと待っててくれ。お風呂上がったらしたいこと、ある?」
「怜侑くんと話せるだけでもいいからなぁ。おまかせ!」
おまかせって言ってもな、うちには特に何も…映画がちょっとあるぐらいだしな。
「映画でも見ながら、適当に話でもしようか。じゃあ、入ってくる。」
そう言ってお風呂の方に向かう。流石に着替え等は自分で回収しているようだ。良かった。待たせてる以上あまりゆっくりもしてられないが、ゆっくりするとしよう。
「ずっと話してると、いなくなった途端寂しいな。」
思わずそう呟いてしまうほど、怜侑くんが好きなんだなと思う。
今日の怜侑くんはいつもよりも優しかった。いつも優しくないわけじゃないんだけど、普段の彼ならきっとお泊まりまでは許してくれなかっただろうし。でも、さすがに同じ部屋で寝ることまでは許してくれなかった。
でも膝枕+耳かきの時に寝顔は見れたから良いかな。幸せそうに寝てる怜侑くんは可愛かった。私を守ってくれた時はあんなにかっこよかったのに。それだけ、気を許してくれてるんだって思うと無性に嬉しかった。
「上がったぞ、待たせたな。悪い」
私が幸せに浸ってたらもう帰ってきたみたい。…待たせないようにしてくれたのかな?
しっかり体を洗い、湯船で休んでから出てくるまでにだいたい10分だった。ソファでくつろいでいる彩月に声をかける。
「上がったぞ、待たせたな。悪い」
「ううん、全然待ってな…い」
ん?そんなにじっと見て…どうかしたか?
「い、いや!なんでもないよ!(お風呂上がりの怜侑くん、いつもと雰囲気が違って…良いなあ。)…あれ、髪の毛乾かしてないの?」
「ん?ああ、いつもこんなんだよ。直に乾く。」
「もう、ちゃんと拭かないと風邪引くよ?こっち来る!」
良いのに、と言うと彩月はただ一言ダメ、というので大人しく従っておく。こういう時の彩月に逆らうと多分やばい。
「風邪引かないように、普段からちゃんと拭いてね。それに、ちゃんと手入れしないと髪の毛傷んじゃうよ?」
せっかくこんなにいい髪なのにもったいないよと言われるが、そんなにいい髪質なのかね。
「なるほど、普段から手入れしてるから彩月の髪はそんなにさらさらなんだな。…どれぐらいの時間がかかるんだ?」
「だいたい1〜2時間ぐらいは…。私、割と長いしね。それに、怜侑くんにあった時にぼさぼさの髪の毛なんて嫌だもん」
「その言い方だと、まるで俺のために整えてるように聞こえるぞー」
少し冗談っぽく言ってみる。
「え?実際そうだもん。」
真顔で返された。冗談かもしれないけど、嬉しいからそのまま受け取っておこう。
「はい。今度からちゃんと拭くこと!いい?」
「おかんか。…ありがとう。ちゃんとするようにするよ」
「わかればよろしい。…ねえ、せっかくだからさ。聞いても…いい?」
「ん?いいぞ、なんでも」
じゃあ、聞くね?と遠慮がちに喋り出す彩月。心配しなくても怒ったりはしないのに。
「怜侑くんのおばあちゃんってどんな人だったのかなって。知りたくて。」
そんなことで遠慮しなくてもいいと言うのに。きっと、思い出して寂しい思いをさせたくなかったから聞きにくかったのかな。ちょうどいいし、彩月に見せてみよう。
「おばあちゃんか〜、分かった。ちょっとついてきて。おばあちゃんの部屋で話そう、見せたいものもあるし。」
そう言って移動する。目的は…おばあちゃんの部屋だ。
おばあちゃんがどんな人なのかきになる彩月ちゃんでした。ちょっとだけおばあちゃんがどんな人かを次回紹介しまする
それではまた次のお話であいましょう




