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第22話〜店主様のお手伝い〜

遅くなり申し訳ないですうううう


それではどうぞ!

「すまん、ほんっとうにすまん…」


「いいってば、私が寝てもいいって言ったんだよ?」


あのあと、30分ほど寝てしまった俺はおきて直ぐに彩月に謝った。彩月は許してくれるのだが、やりたいことがあると言いつつも寝てしまったので凄く申し訳がない。


「でもなぁ…やりたいこと、まだあったんじゃないか?それにずっと膝枕してくれてたみたいだし…」


「いいのいいの。怜侑くんの寝顔が見られただけで私は満足ですっ。それとも、怜侑くんが膝枕してくれるの?」


期待を込めた眼差しで俺を見る彩月。そこまで期待されちゃな…


「彩月が望むなら、いいぞ。ただ、耳かきは期待しないでくれよ?自信は無いからな。」


「…こういうのは、してくれないかと思った。」


意外そうに、しかし確実に喜んでくれる姿を見るとこちらまで嬉しくなる。


「今日は彩月のやりたいことをやるって言ったし、それに…」


「それに?なあに?」


「彩月にならこれぐらいのことはしてもいいかなって、そう思うよ」


これは偽りのない本心だ。相手への感謝などは正直に言うんだよというおばあちゃんの言葉に従った部分もあるが、そうでなくともこういうのは伝えるほうがいいと思っている。


「…私だけ?」


「私だけに…してくれるの?」


「何を心配してるのかはわからないけど、彩月だけだよ。そもそも他に仲のいい人いないし…」


冗談めかして言うと笑ってくれるので、自虐したかいもあるというものだ。



「私だけ…そっか」


「ん?何か言った?悪い、聞き取れなかった」


「なんにもないよー、じゃあ失礼するね。」


膝の上に頭を乗せられるのは、意外とくすぐったいものなんだな。でも、思っていたより重くない。


「…膝枕ってこんなに幸せなんだね」


「まだ何もしてないけどな。気に入ってくれたなら嬉しいよ…耳かき、する?」


「して欲しいな、お願いします」


そう言って右耳を上に持って来てくれる。人に耳かきをするのは初めてだから緊張するなぁ、と思いつつ絶対に傷をつけないように優しく耳かきを始めていく。


「なんだ、上手いじゃん。全然痛くないし」


「そりゃ人の耳なんだから慎重になるだろ。…っと、右、終わったぞ」


はーい、と言いつつ左耳を向けてくるので、そちらもささっと終わらせる。元々掃除をしているのか、それほど溜まってはいなかった。


耳かきが終わると、そのまま俺の腹に顔を埋めて、脱力する彩月。…その綺麗な黒髪を撫でたいという衝動が一瞬湧いたが、それは失礼だと思い考え直す。


「ねぇ、怜侑くん」


「どうした?」


「その…お願い、というか…」


「遠慮なく言ってくれ。」


「えっとね、怜侑くんのお店、手伝ってみたいな…って」


流石に少し驚いて、目を丸くする。が、少し考えればわかる。

彩月はずっと、俺が働いてるところを見てたわけだしそれで手伝いたいと思ってくれていても不思議はない。やりたい、と思っているのもわかる。だって見てるだけってつまんないしな


「私が手伝う理由はそれだけじゃないんだけど…まあいいとして。だめかな?」


「いや、俺はいい全然いいって言うかむしろありがたいぐらいなんだけど、夜遅いし…」


「もうずっと遅くに帰ってるから今更じゃない?」


それもそうだな〜と笑い、俺と彩月は厨房に向かうべく歩きだした。

彩月ちゃんがお店を手伝うことになったらしいです。一緒にいる時間が増えるね!


また、次のお話であいましょう

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