第13話~天使様が救います~
めっちゃ投稿が開いてしまい申し訳ありませんでした。今回はちょっと重めなので、次回は砂糖多めにしたいですね。
昼の12時、彩月からLineが入ったので屋上まで向かう。あの後、彩月が庇ってくれたおかげか話しかけてくる奴はいなかった。
「あ、怜裕君。ごめんね?呼び出しちゃって。」
屋上の扉を開けると、彩月がすでに来てたみたいで俺に気付いた彩月が話しかけてきた。
「すまん、待たせたみたいだな。…朝は、ありがとうな。彩月がああやって言ってくれてうれしかったよ。」
「気にしないで、あの後何か変なことされなかった?」
「おかげさまで。むしろ、俺を庇ったせいで彩月がいじめられてないか心配なぐらいだよ。」
「私は大丈夫。…大声で話してるからもしかして、って思ってかけつけて正解だったね。」
なるほど、それで彩月は俺のクラスの教室に来たのか。納得。
「わざわざ助かったけど、今後はいちいち来なくていいからな。…何回もああやって守ってもらうのは申し訳ないしな。」
「怜裕君が悪く言われるのが私には耐えられないだけだよ。…怜裕君、どれだけひどいことをされても言われても怒らないよね。どうして?」
「怒ることはないな。何も思わないさ。」
本当は何も思わないわけではない。本当は悲しくはなるんだよな。誰もまともに俺を見てはくれないわけだし。
「怜裕君が本当にそう思ってるなら、私は何もいわないけどさ。私にはそう見えないよ?」
そう言って、彩月は俺を抱きしめてくる。
「過去に何かがあったから、怜裕君が今苦しんでるんだなってことはわかる。でも、もう無理しなくていいんだよ。私が受け止めてあげるから。だから、吐き出して?」
普段なら、いや、彩月と出会う前なら何を言われても答えなかっただろう。適当にはぐらかしてそれでおしまいだ。
でも、俺は、彩月の言葉を受けて話し始めた。自分でも不思議なぐらい、すんなりと。
特別賢いわけでも、運動能力がすごいわけでもない。至って平凡な能力だった。人と違うのは、親がいないということだけ。ただそれだけなのに、俺はみんなからすべてを否定された。どんなに良いことをしようが関係ない。そんな小学生だった。
ひどくなったのは中学生からだ。その時から、皆は俺をいないものとして扱った。ペアやグループから除け者にされるのは当たり前、給食やプリントなんかも配られない。それを見ている先生も、なぜか無視をする。
極めつけは、中学2年のときだ。同じクラスの奴に殴られているところを偶然先生が通りかかった。俺はすぐさま助けを求めた。が、その教師は俺を見て
「子供同士のじゃれあいだろ?いちいちそんなことぐらいで呼び止めんなよ。」
と言った。
「その時かな、俺が何をしても変わらないんだって、だれからも必要とされてないんだって思ったのは。今でもああいうことが起こると必要とされてないなら居なくなった方がいいのかなって思うようになっちゃったのは。…彩月?どうしっ」
急に彩月に抱き寄せられたかとおもうと、彩月は俺の頭をなでながら
「そんなことない。少なくとも、私は怜裕君にいてほしいよ。」
「彩月?」
「他の誰かが怜裕君を嫌っても、私は怜裕君といる。もう、一人じゃないんだよ。私がいるから。怜裕君はいていいんだよ。」
そういいながら,いままで頑張ったんだね、と俺の頭をなでてくる彩月。子供を慰めるようにされている俺だったけど
「…あり、がとう。」
そう返すので精一杯だった。
今回は難しかった… そろそろ彩月ちゃんがアピールし始めるのもちかいかも




