第12話~天使様は店主様を守る~
彩月ちゃんがただただかっこいい回。そして次回は彩月ちゃんが怜裕君の心の闇を癒す回。
それではどうぞ
本日は学校の日。現在時刻は朝の7時だ。今は学校にいくための準備をしているところだ。
ちなみに、今日は昼ごはん前に帰るのでお弁当は用意していない。つまり、お弁当を用意する時間を睡眠に回せるということだ。ささやかな幸せである。っと、こんなことしてられない。学校の準備をしなければ。
「そろそろ行くか…」
なんやかんや準備していたら7時40分だ。そろそろ家を出たほうがいい時間になったな。今日はバイクで登校するから余裕はあるんだけどな。
今日は平和だといいなぁと叶わぬ願いを抱きながら家を出た。
長い階段をあがり、教室につく。今日は何事も起こらないでくれよ、と思いいつ扉をあけた瞬間
「あっ、来た来た。おい明星!お前、土曜日に天使様とショッピングモールにいたってほんとかよ!?」
そう声をかけられた。うるさい。…しかも教室中の奴らが注目してきてる。必死か。
しかし、こんな時に限って話かけてくるとは、前まではいないもの扱いだったのにな。ずいぶんと都合のいいことだなおい。そう考えると答える気がなくなってきたため無言で席に向かおうとすると、さっき質問してきたやつがさらに追撃してきた。
「おい!どうなんだ?…まさか、天使様が言ってたことは本当なのか!?」
「なんだ、彩月に聞いてたのか。ならわざわざ俺に聞いてくるな、それが真実だ。」
どう答えたのかわからないけどそう言っておく。まあ彩月なら多分ショッピングモールに行ったことを隠してはいないだろうけど。
「お前、天使様となにしたんだよ!?なあ、答えろよ!」
しばらくまともに取り合わなかったが、あまりにもしつこいためにどうしてやろうかと悩んでいたら、ここ数日ききなれた声が聞こえてきた。
「私と怜裕君が何かしたとして、いちいち報告しなければいけない義務があるのですか?」
彩月だ。…なんか怒ってる?
「い、いや、俺はただこいつに聞いてただけで…」
「それは人を困らせてまですることですか?そもそも、怜裕君のことをこいつ呼ばわりって、あなたは何様ですか?怜裕君はあなたの所有物ではありません。そんなこともわからないのなら人形とでも話をしていればいいのでは?」
「……なんで、こいつなんだよ。なんでこんな、こんな陰キャに…」
「陰キャで何かわるいことがありますか?…あなたのようにただ人の内面を見ないでよってたかって自らの優越感をみたしたいがために人を傷つけるような最低な人間より、他人に興味はないなんて言いながらやさしさを向けてくれる人の方が、よっぽどいいと思いますけど」
激おこの彩月氏。…てか前も思ったが、彩月に守ってもらいっぱなしだな、少し情けない気もする。今度何かお礼しないとな。
そう思った瞬間、彩月がこっちを見て微笑んだ。まるで心を読んだかのようだ。
「そこまでにしとけ彩月。お前が怒ってくれるのは嬉しいけどな、わざわざ彩月が怒る必要はない。」
「怜裕君は怒らなさすぎ。もっと自分を大事にして。…普通怒るところだよ?」
「怒る気力がないだけだ。そもそも、自分の都合のいいように動いてもらえると思ってるこいつらに何を言っても無駄だ。…彩月もあんまり気にするな。それより、そろそろ教室に戻ったほうがいいぞ?授業が始まる。」
「わ、ほんとだ!またあとでね!!」
そう言い残し、彩月は去っていった。来るときは静かだったのに、去る時は嵐だな。
「授業を始めるぞ~、お前ら席につけ。」
入ってきた先生のその一言で、みんな正気を取り戻したかのように席に戻った。
怜裕君が怒らないのは次の回でわかるかなって。今回は次回のためのお話なので次回は見て下さい。いちゃつかせます(ハードルはあげないで待っててください。)




