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私の中に私たちはいる  作者: µ(ミュー)
43/73

第43話 検査結果

第43話を読みに来ていただきありがとうございます。

 一ヵ月が経ち二月となった。あれから、奇妙な夢を見ることはほとんどなくなり、今となってはもうあれが何だったのか考えることも減ってきている。

 今日は日曜日で学校は休みだ。普段なら、昼過ぎまでベッドで寝転んで過ごしている時間だ。しかし明里さんに二重人格のことについて話したい、と言われたので、僕らの秘密の会議場となりつつあるいつもの喫茶店に向かっている。

 恐らく、検査結果の話をするつもりなんだろう。しかし、明里さんの母から話を聞いた限りだと、本人があの事故のことを思い出さない限り、誰が主人格なのか分かる術がない。無理やり思い出させるのは絶対にタブーだし。かといってあまり悠長なことをしていると、タイムリミット、つまり二人の人格が一つになるときが来てしまう。できればそれまでにはっきりさせておきたいところだけど、そんな方法はあるのだろうか。

 深く考えながら歩いているうちに、喫茶店に到着した。


「ご注文は?」

「ホットコーヒー、飲み放題で」

「かしこまりました」


 明里さんはまだ来ていなかったので、僕はコーヒーを注文し、彼女が来るのを待つ。

 この喫茶店で毎回話し合いをしているのには理由がある。それはここの喫茶店、コーヒーのおかわりが何杯でも無料なのだ。その代わり、千円とそこそこな値段がしている。おかわりなしのコーヒーも提供されているけどこちらは一杯四百円なので、三杯くらい飲むなら飲み放題の方がいい。

 実際、この喫茶店で何かの話し合いをしている客は多い。

 僕らもそうだけど、おかわりが何杯でも自由なので、長話するときにはもってこいの場所なのだ。


 しばらくして明里さんはやってきた。

 どうやら僕の予想していた通り、この前の検査結果の話をしに来たらしい。


「まず、私たちの不自然な入れ替わりだけど、これからどんどん増えていくって」

「それ、大丈夫なの?」


 最近でも結構な頻度で起こっているのに、これ以上増えたら、普通に日常生活を送るのにも問題が出てきそうだ。


「うん、別に起きたらまずいとかではないから」

「そうじゃなくて、あまり増えたら日常生活にも影響でそうだし、何より二重人格のこと隠しきれなくなるんじゃない?」

「あー、そっちね。うん、多分もう隠しきれないと思う。だから二年に上がったら、担任の先生にこのこと伝えるし、皆にも言うつもり」


 そっか、これまで隠していたけど、もう皆に公表する決意をしたのか。


「それで続きなんだけどね」


 明里さんがコーヒーを一口飲んでから話し始める。


「見ての通り、最近私たちかなり不安定なの。不自然な入れ替わりが増えてきているし、たまに、自分たちの意志で入れ替わりが出来ない時も出てきた」


 それは以前彩香さんから聞いたことがある気がする。


「確か不自然な入れ替わりのあと、しばらくは自分たちの意志で入れ替われないんだったっけ?」


 しかし、彼女はかぶりを振って続ける。


「それもあるんだけど、それとは別に不自然な入れ替わりが起きてない時でも、たまに出来なくなってるの」


 今まで、自由に出来ていた入れ替わりが出来なくなってきている。恐らくこれは二人の二重人格の終わりが近付いてきていることを意味しているんじゃないかと思う。

 僕がそう考えていると、明里さんは構わず話を続ける。


「それに関してはまだ原因がわかっていないけど、不自然な入れ替わりの方はお医者さんから言われたことがあるわ」

「何て言われたの?」


 明里さんは少しの沈黙を挟んでから話はじめた。


「段々と不自然な入れ替わりの頻度が多くなっていって、一年以内に私たちの人格が一つに戻るんだって」


 一年か、思っていたより早いな。じゃあ、それまでに明里さんと彩香さん、もしくはまだ出てきていない人格のうち、誰が主人格なのかを知る必要があるのか。

 まあ、知ったところで一つに戻るとき主人格だった人がそのまま残れる保証はないけど、何となく最初に主人格だったひとが残る気がしている。


「ちなみに、それは間違いなく一年以内に起こるの?」


 そこから少しの間沈黙が続いた。てっきり、考えているのかと思っていたがそれは僕の勘違いで、どうやらまた不自然な入れ替わりがおきて、彩香さんと入れ替わったようだ。

第43話を読んでいただきありがとうございました。

ちなみにどちらが残るかはまだ決まっていません。どちらかを選んで書くか、ifルートを作って、それが残った場合の物語を書くか。そこに行きつくのはまだもう少し先なのでゆっくり考えます。



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