第39話 お正月デート?
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一時間後、明里さんとは私服に着替えた後、再び集合したが、そこにいたのは明里さんではなく彩香さんだった。
「えっと、今出てるのは彩香さんだよね?」
「ごめんなさい、また不自然な入れ替わりが起きたの。そして申し訳ないけど、今回はすぐに明里に代われそうにない」
困惑した目つきで彩香さんはそう言ってきた。
「明里さんになにかあったの?」
「違うの。何かあったとかではなくて、最近不自然な入れ替わりがあった後、すぐに自分たちの意志で入れ替われなくなることがあるの」
僕が驚いた表情を浮かべていることに気付いたのか慌てて彩香さんが訂正した。
僕がほっとしていると間髪を入れずに彩香さんは更に話す。
「それと、さっき明里が出ていたときに検査の結果どうだったか聞いたみたいだけど」
ああ、そうだ、明里さんに最初に会った時に聞いた。でも明里さん、妙にデートということにノリノリで楽しそうだったし、その話をしたことで現実に引き戻すのも悪いと思って、その後結局聞けずじまいだった。
「うん、できれば教えて欲しい。教えたくないなら無理には聞かないけど」
「ごめんなさい、検査の結果はまだ出ていなくて、私たちも知らないのよ」
彩香さんは申し訳なさそうに僕の方を見てそう言った。
「いいよいいよ、そんな謝られるようなことじゃないし」
「また検査結果が出たら、日を改めてまた喫茶店ででも話しましょ。そのときは明里と楽しいデートが出来るといいわね」
彩香さんがニコりと笑いウインクしてきた。
僕は顔を真っ赤にしてしまう。
「あれあれ? 顔真っ赤だけど風邪でも引いたかな?」
彩香さんは僕の方を見て、ニヤニヤしている。
彩香さんは一体いつから、人をからかえるようになったんだ? 少し前まで、人と話すこと自体苦手だったはずなのに。
なんか段々、明里さんに似てきた気がするのだがこれは気のせいだろうか?
とにかく恥ずかしい。やっぱり、二重人格では記憶を共有するべきじゃないな。その時の僕は本気でそう思った。
一時間後、現在は英一と交代して俺、真二が出ている。
英一の精神状態が悪くなったとかではないが、明里と約束している以上、たまには彩香と話しくらいはしておかなければならない。
しかし一体、俺は何のために存在しているんだ?
最近だと、英一は全く問題ないし、もはや彩香の為にこの人格が残っているみたいになっている……。
まあ、明里と彩香が一つの人格に戻るまでは何があるかわからないから仕方ないが、あまりにも暇すぎる。
普段、英一が出ているときは、俺は何も出来ないのに、記憶だけは共有できるから、まるで永遠と日常のテレビを見せられている気分だ。
だから、もうたまにしか出てこられないこの時間を大切にしたい。
なのになぜか俺はいま、彩香のショッピングという服選びに付き合わされている。
「ねえねえ? これなんて似合うかな?」
「うん、似合っていると思うよ」
彩香はさっきから楽しそうにこれとこれのどちらが似合うか聞いてくるが、正直俺にはさっぱりわからん。
せめて、聞くなら英一に聞いてくれ。あいつなら一応普段来ている服を自分で選んでいるんだから、多少はファッションセンスもあるだろう。
俺は心の中でそう思いながらも、彼女との大切な時間を壊したくないので黙っている。
第39話を読んでいただきありがとうございました。




