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私の中に私たちはいる  作者: µ(ミュー)
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第27話 デート

第27話を読みに来ていただきありがとうございます。

 十二月二十三日天気曇り。僕は明里さんと遊園地に来ている。

 クリスマスにここに来たら多分カップルが沢山いて、ろくにまわれないんじゃないか、と事前に予想してその日はあえてずらすことにした。クリスマスの後だと、明里さんが入院直前になるので少し悪いかと思って、直前を選んだ。

 明日はクリスマスイブだし、わざわざ今日来る客はそんなにいないだろう。そう考えて今日を選んだ僕は完全に甘かった。


「人、たくさんいるね……」


 明里さんが困惑しながら言った。

 周りを見渡すと、まだ開園前なのに客がうじゃうじゃいる。

 これは、完全に予想外だった。恋人同士はきっと明日や明後日に行くから今日来る人は少ないと予想したのに、僕と同じ考えなのか普通にカップルで来ている人もいるし、何より家族で来ている人が多い。

 よく考えればもう冬休み始まっている。それならどの日とか関係なく混雑するのは当たり前だ。これはもしや場所のチョイスをミスってしまったか?


「ど、どうする? 今から違うところに行く?」


 これだけ大勢いたら一つのアトラクションに並ぶだけでも三時間くらい待つことになりそうだ。そうなったら思い出作りどころじゃない。

 下手したら、十二月の寒い中、アトラクションに並ぶためにずっと突っ立って、風邪をひくだけの最悪な思い出にもなりかねない。


「明里さん?」


 彼女は遊園地の入口付近をなぜかずっと見つめている。


「あ、ごめんなさい。別のところに行くかどうかよね? このまま入りましょ」


 明里さんは僕の方に振り返ると、意外にもそう答えた。


「本当にいいの? 下手したらほとんどまわれずに帰る羽目になるかもしれないよ?」


 僕はそのことがかなり心配だった。少なからず楽しみにしてくれていた明里さんをがっかりさせたくなかった。


「いや、それはあり得ないわ」


 明里さんはなぜか自信満々にそう答えた。


「どうして?」


 なぜそこまで言い切れるのか気になったので明里さんにに聞いてみる。


 それに対して明里さんは「入ってみればわかるわ」と答えるだけだった。




 午後六時、冬ということで外はもう真っ暗だ。だけど遊園地には照明がいっぱいあるので、むしろ眩しいくらいだ。アトラクションはどれも百二十分待ちとかで入場してからまだ三つしか乗れていない。

 やはり、僕の予想は当たってしまった。せっかく楽しみにしてくれていたのにこれだと本当に明里さんに申し訳ない。


「次どこに行くかは私が決めてもいい?」


 それでも明里さんは気を遣って楽しもうとしてくれているようだ。その気遣いが僕には余計に申し訳なく思ってしまう。


「明里さん、無理しなくていいよ。こんなに人がいたら楽しくないでしょ?」

「何言ってるの? 楽しいのはここからじゃない! ねえ、次私が選んでもいい?」


 楽しいのはここからって、もう乗れてもせいぜいあと一つくらいなのに一体この後何があるというのだろう。


「うん、別にいいけど」


 さっきからやけに次は私に選ばせて欲しいって言ってるけど、そんなに楽しいアトラクションこの遊園地にあったっけ?


第27話を読んて頂きありがとうございました。

この27話で五万字を突破しました。単行本一冊が大体十万字ちょっとくらいらしいので、今がその半分くらいですね。

一応予定としては単行本一冊分くらいの長さでまとめようと考えております(書いてる感じ余裕でオーバーしそうだけど)



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